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去年はなんだか一年がすごく長く感じられたんだけど、今年は早く感じられる。個人的なビッグイベントがあまりなかったからだろう。

社会的には新型インフルエンザの流行だの、政権交代だの―だのっていってもそんなのしか思い浮かばないけど、二つあれば十分だ―いままで経験したことのないことで、すべての人が関係することが多かった年だった。

僕のような仕事をしていると、新型インフルエンザがどれほど流行しているかよく分かっている。なにしろ、一番前の席(つまり教師である僕の近く)に座っていた生徒が「気持ちが悪い、具合が悪い」と言っていて「大丈夫か?インフルエンザじゃないか?」なんていったら、案の定インフルエンザで、次の次の週「やっぱりインフルだったー」なんて笑顔で言われてしまうのである。

このインフルエンザ、季節性インフルエンザよりも症状が軽いと思われているらしく(実際そうなのかもしれないが)、薬屋の店頭からマスクが消えたころより、かなりガードが甘くなっているように感じられる。

僕たちの関連でいうと、学校によっては、かなりの数の感染者が出ても、学級閉鎖にしないところもあると聞く。症状の重さと感染力は別の問題だと思うのだが、これで本当に大丈夫だろうか。

夏、中国に行ったとき、空港での入国審査の対応の違いにびっくりし、日本のガードの甘さを痛感した。

中国に入国するとき、以前よりも面倒くさい書類を書かされ、少しでも記入漏れがあると書き直しさせられる。検疫では、体温が高いということで、何人か別室に連れて行かれたのを目の前で見た。

それに比べると、日本の入国はちょっと質問してくる程度で、青島空港よりはたくさんの人がいたにもかかわらず、一人も別室に連れて行かれる人を見なかった。

これだけ厳しいのはSARSの経験があるからに違いない。中国は感染症は病気そのものの恐ろしさだけではなく、それ以上に経済・社会などダメージを与えるものだということを学んだのだろう。日本はこんなんで大丈夫なのかと心配になる。

もう一つ、なんといってもインパクトがあったのは政権交代である。実は、自民党から民主党に変わったところで、かわりばえしないだろうと思っていた。

しかし、その内容にいろいろ賛否はあるだろうが、少なくとも「かわりばえしない」感じはない。民主党としては、今の段階ではこれでいいのだ。

とにかく、今は自民党の存在感を消すことが彼らの課題だろう。だから、賛否両論あること自体が、民主党の利益につながる。問題は今の不安定感がいつまでつづくのかということだ。

僕は、来年これで民主党がコケた時が一番ヤバいと思っている。民主党が自民党の存在感を消すことに(今のところ)成功している以上、民主党がダメだから自民党にしましょうとはならないからである。

そこにあるのは、これまでにない政治不信だけ。それが一番怖い。
(追記) (追記ここまで)

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