千本ノックで七転八倒ー都甲幸治『狂喜の読み屋』(共和国) 2014年06月30日 22:05 狂喜の読み屋 (散文の時間) [単行本]都甲 幸治共和国2014年06月23日 その小ぶりな本を手に取ると、作り手と著者のメッセージが伝わってくる。帯にはこうある。「帯なんてはぎとって早く読め!/言葉の海に/素っ裸で飛び込め」。「外国文学の素養、文学史の知識なんていらな ...
震える手 2014年06月12日 00:06 神父様から手紙が来た。彼は定期的に手紙をくれる。講座の日程が書いてある葉書の一番下に、震える小さな文字で、私へのメッセージが書いてある。彼の手は小刻みに震える。聖書を持つ手、講義の最中、聖書に挟んだメモを持つ手が震えているのを思い出す。彼は頬を震わせて ...
オースター流「地獄編」ーポール・オースター『闇の中の男』柴田元幸訳 2014年06月09日 23:30 闇の中の男 [単行本]ポール オースター新潮社2014年05月30日 オースターも年をとった、と言ったら怒られるだろうか。オースター自身を思わせる72歳の書評家オーガスト・ブリルは、数年前に妻を亡くし、交通事故で足を怪我し、失意のなか、娘と孫とともに暮らしている。娘のミ ...