カクテル・パーティ 2008年12月24日 13:29 学生会館の地下はさまざまな音で溢れている。学生たちが個室で廊下でさまざまな音色を奏でている。そのほとんどが反復練習の音、つまり間違え、つっかえては再び前の小節から引き直すそのしつこさゆえに、一つ一つの音はまるでミニマルミュージックのように聞こえる。そし ...
もしもピアノが弾けたなら 2008年12月09日 17:08 ピアノを買った。ピアノを所有するのは何年ぶりだろうか。もう7年か8年間くらいもピアノを持っていなかったことになるだろう。久々に何を弾こうか考えて、部屋にある楽譜を引っ張り出してみる。そして僕はその楽譜と出会う。すなわち僕の過去と。 青と黄色のその表 ...
なんもいえねー 2008年12月05日 15:33 時々、自分の体が縮こまって、うまく動けないと感じることがある。なにかしようと思うことがあって、実際にそれをするところまでいっても、自分の体がその意志に反して、動いてくれないのだ。 例えば、電池を買おうとする。僕はもう何日か電池を買えずにいる。なんのこ ...
The Book(―キャノナイズ・ミー) 2008年12月04日 15:37 彼女は「その本」を読んでいる 表紙には「その本」とだけ書かれている (僕にはわからない) その微笑みの意味が 眼鏡の隅っこで彼女をのぞく/それは隅っこであるはずなのだがいつのまにか一つの中心を核を構成しつつ ...
屋根裏日記4―鐘の音が鳴るたびに祈ればいい― 2008年12月02日 17:43 ―朝10時、ここには人の気配もない。 微かに揺らめく霧の向こう側に、一つのドアが見える。 ドアの下半分にはなにか白い紙が張ってあるように見えるだがなんのために? (鐘の音が鳴るたびに祈ればいいのよ) もしかしたら冬が近づいているので、もうド ...