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MAKE SOME NOISE

are we in this together?

2013年08月

起きたとき、一日の仕事に立ち向えないような気がした。閉じこもり、ベッドに入ったまま。明日は働くように努めよう。(エリック・ホッファー『波止場日記』168) 雨が去った。空は静かだ。部屋で雨の音を聴くのが好きだ。雲は動いて、日本列島をかすめてゆく。かつて ...

このまま漫然と生きていたら、「生きる」という大義名分のために時間を使い尽くしてしまったら、俺の中の愛など枯れ果ててしまうと思いながら生きている。毎日がとても渇いている。池田晶子が鋭く問うた「『生きなければならない』と言う前にまず『生きる』とはどういうこ ...

君が素描する真実がいつも、君自身よりも君の生に近いものであればよい。 (ジョー・ブスケ『傷と出来事』17) けやき並木の太い幹のそれぞれに、蝉が止まっているのを見た。声を頼りに視線を向けると、細い足で、しがみついている。思ったより接地面積は大きくない。保護 ...

心が割れる音、聴き合って 馬鹿だなあって、泣かせ合ったり つけた傷の向こう側 人は笑うように (星野源/くだらないの中に) 遅れて見つけた手紙のように、言葉はいつも遅れてやってくる。その言葉を折り畳んで、しまって置いて、しかるべきときがきたらポ ...

帰り道、いつも読んでいる本から顔を上げると、そこには神楽坂の文字が見える。ここまでくればもう安心だ。ここまでくればもう少しで家に着く。もう息を詰めずにすむ。 夜の霧のなかを、無心で、泳いで、帰る。たとえ暑くても、呼吸をしながら泳いで帰る。ものすごく重 ...

暑い。遊ぶのをやめ、高田馬場で道草を食うのもやめ、まっすぐに家に帰る。帰ろう。すいている電車が心地よい。混雑はみなが同じ欲望を持つことでうまれる。みなが同じ方向を目指す。まるで羊の群れのように。そしてそこからはぐれる心も、そこにはまた同時に生まれる。 ...

真夏の蝉のキリキリと切り刻むような声を聴きながら、室内の空気は奇妙に平板で、冷たい空気が徐々に半袖から飛び出した腕を支配してゆく。母が私に手紙をよこしたのは確かこんな、奇妙に平板な真夏のことだった。数年前に飼い犬が死んだ一週間後に、母は私に彼の死を知ら ...

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