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「なつぞら」注目の妹・千遥役は清原果耶!異例の劇中発表 芯の強さで抜擢 広瀬らと未対面の徹底役作り

[ 2019年7月1日 08:15 ]

連続テレビ小説「なつぞら」で、注目の千遥役を演じる清原果耶(右)(C)NHK
Photo By 提供写真

女優の広瀬すず(21)が主演を務めるNHK連続テレビ小説「なつぞら」(月〜土曜前8・00)で、ヒロイン・奥原なつ(広瀬)の生き別れた妹・千遥役は女優の清原果耶(17)が演じることが1日、分かった。

この日放送の第79回に初登場。誰が演じるのか、ドラマ前半の最大の焦点の1つで、特に前回第78回からは視聴者の最大の関心事の1つになっていただけに、この日、清原と判明するとインターネット上で反響を呼んだ。清原の朝ドラ出演は2015年後期「あさが来た」以来、約4年ぶり2回目。広瀬、兄・咲太郎役の岡田将生(29)とは、まだ撮影現場で対面していないストイックな役作り。注目の的だった役に"芯の強さ"で抜擢され、重要なキャラクターの配役が異例の劇中発表されるというプレッシャーにも「演じ甲斐のある役を頂けて、純粋にうれしいという気持ちが一番大きいです」と意気込んでいる。

この日の第79回中盤。十勝・柴田牧場を訪れた千遥の顔が、ついに明らかになった。第78回(6月29日)のラストや次週予告(第14週)は顔が分からない引きのショットや後ろ姿。千遥役は誰なのか、ファンの期待を刺激。インターネット番組表(EPG)でも清原の名前を伏せる徹底ぶりだった。

第79回は、富士子(松嶋菜々子)と砂良(北乃きい)が庭で話をしていると、照男(清原翔)は2人の背後に人の気配を感じ...という展開。ピンクのワンピースに身を包んだおさげ髪の千遥(清原)は3人と対面。砂良のことをなつだと思い「お姉ちゃん?」と声を掛ける。砂良が「えっ?」と答えると、千遥は「何でもありません。道に迷っただけなんです。お邪魔しました。ごめんなさい」と、その場を去ろうとしたが、富士子が千遥と察し「あなた、もしかして千遥ちゃん?奥原なつっていう人、探しに来たんでないかい?私らはなつが北海道に来て、9つからの家族だけど、ここは今でも奥原なつの家で間違いないの。ここを探して、来てくれたんでしょ?ずっと、あなたを待っていたんだわ。本当なのね?本当に、あなたが千遥ちゃん?」。千遥は目を見開いて驚きながら頷いた。

節目の朝ドラ通算100作目。大河ドラマ「風林火山」や「64」「精霊の守り人」「フランケンシュタインの恋」、映画「39 刑法第三十九条」「風が強く吹いている」などで知られる脚本家の大森寿美男氏(51)が2003年後期「てるてる家族」以来となる朝ドラ2作目を手掛けるオリジナル作品。戦争で両親を亡くし、北海道・十勝の酪農家に引き取られた少女・奥原なつ(広瀬)が、高校卒業後に上京してアニメーターとして瑞々しい感性を発揮していく姿を描く。

昭和21年(1946年)、戦争が終わった翌年の初夏、なつ(子役・粟野咲莉)は9歳の時、東京から柴田家に引き取られた。3歳年下の妹・千遥(子役・田中乃愛)は千葉の親戚(なつたちの母の従姉妹・川谷とし)の家へ。咲太郎(子役・渡邉蒼)は東京に残り、兄妹3人は離れ離れになった。

十勝農業高校を卒業したなつ(広瀬)は昭和31年(1956年)の春、アニメーターを目指して上京。紆余曲折の末、東洋動画の試験に合格。戦前から続く新宿の老舗ベーカリー兼カフェ「川村屋」のアパートを出て、おでん店「風車」の女将・亜矢美(山口智子)の家で兄・咲太郎(岡田)と一緒に暮らすことに。

放送局の記者になった幼なじみ・信哉(工藤阿須加)がある日、千遥が当時と同じ千葉の船橋にいると突き止める。なつと咲太郎は昭和32年(1957年)、なつの誕生日の8月15日、千遥を訪ねるが、そこにいたのは川谷としの夫(岡部たかし)と娘(池間夏海)。千遥の姿はなかった。川谷家の説明によると、としがきつく当たったため、千遥は昭和21年の夏、家出。なつ、咲太郎と生き別れた千遥の行方は物語の大きなポイントの1つ。本役(成長後の役)を誰が演じるのか、視聴者の大きな関心を集めた。

清原は14年、中学1年の時に「アミューズオーディションフェス2014」グランプリに輝き、芸能界入り。CM出演やモデルを経て、15年に「あさが来た」で女優デビュー。ヒロイン・あさ(波瑠)が次女の京都の豪商・今井家の女中・ふゆ役を演じ、話題を呼んだ。産婦人科を描いた昨年7月期のNHK「透明なゆりかご」でドラマ主演し、高評価。作品は文化庁芸術祭賞テレビ・ドラマ部門大賞、ATP賞テレビグランプリドラマ部門最優秀賞に輝いた。

制作統括の磯智明チーフプロデューサーは「『あさが来た』『透明なゆりかご』の芝居を見て、ピュアさや若さの中に、芯の強いところを感じ、彼女であれば戦後の混乱期を生き切ったリアルな感じも演じていただけると思いました」と起用理由を説明した。

「あさが来た」以来の朝ドラ出演について、清原は「『あさが来た』は私の芝居人生を大きく動かしてくれた、自分の中で本当に大きな存在。お芝居の難しさや楽しさ、みんなで協力して1つの作品を作り上げていく難しさや、やり甲斐を教えてくれました。朝ドラは『あさが来た』以来で純粋にうれしいですし、いいアクセントとして『なつぞら』の物語を動かせる存在になれたらという思いは持っています。だから、丁寧にお芝居をしないといけないと思いました」と抱負。

今年4月下旬にクランクインし、「なつぞら」には途中参加。ドラマは初回から見ていない。千遥が兄姉と生き別れてから一度も会っていないだけに「なつ役の広瀬さんと咲太郎役の岡田さんが実際にどういう顔をして生きてきたのか、私自身も知らない方が、よりピュアに千遥として生きられるんじゃないかと思ったので」と、その理由を説明した。

千遥は"義母"にきつく当たられ、家出したが「悲観的な部分が大きく目立ちすぎるのは存在意義としても違うような気がしていたので、いろいろ監督と相談させていただいて、声のトーンや目線の配り方とか、かわいそうに見えてしまう部分はなくすようにしました」と役作りの工夫を明かした。

6月の取材時点で、実は撮影現場でも、広瀬と岡田とは会っていない。「やっぱり再会のシーンを撮るまで、セットの裏だとしても、お二人に会ってしまったら、再会の臨場感といいますか、視聴者の皆さんに見ていただく時のリアルタイム感みたいなものが薄れてしまうんじゃないかと思ったので。スタッフの皆さんに撮影現場を調整していただいて、お二人に会わないようにしていただいています」と一貫している。

オンエアまで出演発表がないことについては「なつもずっと千遥を探している中で、先に演じる人の名前が出てしまうことでキャラクター像がブレたり、壊れたりするのは嫌だったので、こういう出し方にしていただけることは、作品を作るいちキャストとして、ありがたいことだと思います。プレッシャー?千遥はなつに大きな影響を与えるので、どういうふうに作品に馴染んでいけばいいか考えましたが、撮影が始まる前に、いくら考えてもキリがないという結論に至りまして、台本を頂いてから自分の最善を尽くそうと思いました」と前向きに捉えた。

「今後、朝ドラヒロインを演じてみたい?」と問われると「今回、もう一度、朝ドラに出演させていただけることだけで本当に幸せですし、ありがたい経験をさせていただけると思います。私自身としては、全然想像がつかないですが、もしヒロインを演じさせていただける機会があるなら、その時は今までの経験を生かすことができたらいいと思いますが、今は全くもう『なつぞら』のことで頭がいっぱいです」。今後の女優業については「今まで純粋な役やネガティブな役とか、割とそういうジャンルの役を演じることが多かったですが、清々しいキャラクターや応援したくなるような人とか、1つに染まらず、いろいろな役や作品に出演できるように、勉強していきたいと思います」と展望した。

「なつぞら」はこの日から後半戦に突入。清原の"加入"が、さらにドラマを彩る。

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