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阪神・岡田監督 公式記録員に異例要求 "血の通った判断"へ「グラウンドに下りてコミュニケーションを」

[ 2024年1月17日 05:15 ]

会議後に会見する岡田監督(撮影・尾崎 有希)
Photo By スポニチ

12球団監督会議が都内で開かれ、2年連続で座長を務めた阪神岡田彰布監督(66)が公式記録員に超異例の要求をした。公式記録員が試合前にグラウンドに足を運び、土の状態チェックや選手とのコミュニケーションを図ることで、正確さを備えた判断を求めた。また、会議では試合のスピードアップ化なども確認。また、今年の元日に発生した能登半島地震を受け、12球団と日本野球機構(NPB)は被災地支援にも着手する意向を示した。

プロ野球をよりよくするための改革案だ。岡田監督は安打や失策などを決める公式記録員に対し、試合前のグラウンドへの入場を提案した。

「いつもアナウンスで(記録員の)名前を聞くだけや。(チームと)密になったらダメだけど、そのゲームを成立させるメンバーやから。コミュニケーションが欲しいよな」

この考えは、一昨年10月に監督復帰してから定期的に口にしてきた持論だ。野手がはじいた内野ゴロが安打なのか失策なのか。記録員が陣取るスタンドからの視点だけでなく、土の固さなどを把握した上で、記録をつけてほしいのだ。

「甲子園と広島(マツダ)は土で、少しのイレギュラーが(スタンドからでは)分からない部分がある。今はモニターを見ているって言うけど、映像での判断やったら、家でもできるからな」

そう語りながら、過去の記憶をひもといた。名物記録員としてならした故・河野祥一郎さんの名前を出し、「いつも下に下りてきてたもんな。最近のグラウンドは(ボールが)よく跳ねるとか、そういう会話だけでも、選手はだいぶ楽やんか」とプレーヤー心理を口にした。

セ・リーグの最多安打は、22年がDeNA佐野と中日・岡林で、昨年がDeNA牧と中野。1本の安打の違いがタイトルの明暗を分けていた。知った顔なら、そのジャッジも納得ができるというわけだ。この日出席した記録員は、血の通った判断を求めた"岡田案"に耳を傾けたという。

昨年の12球団監督会議では、セのDH制導入反対など、忌憚(きたん)のない意見を披露した。シーズン中は、自らの提言で「ブロッキングベース」という新しいルール運用が生まれた。不可抗力でも野手が結果的にベースをふさいだ場合はセーフとなるもので、この日の会議でも確認された。球界のご意見番として、存在感は増すばかりだ。(倉世古 洋平)

▼NPB井原敦事務局長 今の記録員は、練習中のノックや、その後の試合直前のシートノックもあるので、土のグラウンドのチェックをしている。(監督会議で)そういう説明もしました。グラウンドに下りる下りないは、それぞれの人間の判断かなと思うんですけどね。

≪能登半島地震への支援呼びかけ≫ 岡田監督は会議の冒頭で、能登半島地震の支援を呼びかけた。「(各球団が)フロントと選手会が協力して、みんなでやろうということを言うた」。阪神は今春の沖縄キャンプで、被災地支援の活動を行うもよう。95年1月17日には阪神大震災が発生。当時、オリックスの選手だった岡田監督は所用で高知県に滞在していた。発災翌日には空路で帰阪したものの、自宅は水も電気も止まっていた。こうした被災経験を知るだけに、支援の呼びかけには力がこもっていた。

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