目次
- 重要な副作用等に関する情報
- アルガトロバン
- クエン酸モサプリド
- サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・メチレンジサリチル酸プロメタジン
- 濃グリセリン・果糖
- 使用上の注意の改訂について(その158)
カベルゴリン他(12件)
この医薬品・医療用具等安全性情報は, 厚生労働省において収集された副作用情報をもとに, 医薬品・医療用具等のより安全な使用に役立てていただくために, 医療関係者に対して情報提供されるものです。
平成16年(2004年)8月
厚生労働省医薬食品局
重要な副作用等に関する情報
前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.203)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意のうち重要な副作用等について, 改訂内容, 参考文献等とともに改訂の根拠となった症例の概要に関する情報を紹介いたします。
【1】 アルガトロバン
販売名(会社名)
アルガロン注(日本医薬品工業)
スロバスタン注10mg(沢井製薬)
スロンノン注(第一製薬)
ノバスタン注(三菱ウェルファーマ)
薬効分類等
その他の循環器官用薬
効能効果
下(1)下記疾患に伴う神経症候(運動麻痺), 日常生活動作(歩行, 起立, 坐位保持, 食事)の改善
・発症後48時間以内の脳血栓症急性期(ラクネを除く)
(2)慢性動脈閉塞症(バージャー病・閉塞性動脈硬化症)における四肢潰瘍, 安静時疼痛ならびに冷感の改善
(3)下記患者における血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析)
・先天性アンチトロンビンIII欠乏患者
・アンチトロンビンIII低下を伴う患者
〔アンチトロンビンIIIが正常の70%以下に低下し, かつ, ヘパリンナトリウム, ヘパリンカルシウムの使用では体外循環路内の凝血(残血)が改善しないと判断されたもの〕
(アルガロン注, スロバスタン注10mgは(2)のみ)
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用
(重大な副作用)]
劇症肝炎, 肝機能障害, 黄疸:劇症肝炎等の重篤な肝機能障害, 黄疸があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には, 直ちに投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
〈参 考〉
企業報告
症例の概要
NO.
患者
1日投与量
投与期間
副作用
備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
男
80代
脳塞栓症
(高血圧, 慢性心不全)
60mg
2日間
↓
20mg
4日間
劇症肝炎
投与開始日
:
脳塞栓症の診断にて入院。入院後より本剤投与開始。それまで投与されていた塩酸ジルチアゼムは投与中止。入院時に肝機能に異常は認められず。
投与2日目
:
HBs抗体, HCV抗体はともに陰性。
投与6日目
(投与中止日)
:
夕方に誤嚥性肺炎を起こしたため, 血液検査を実施したところ, 高度の肝機能障害を認め, 本剤投与を中止。
ピペラシリンナトリウム, ホスホマイシンナトリウム, イミペネム・シラスタチンナトリウム配合剤, 硫酸イセパマイシン, グリチルリチン・グリシン・システイン配合剤を投与開始。
中止1日後
:
肝臓エキス・フラビンアデニンジヌクレオチド配合剤を投与開始(3日間)。
中止2日後
:
アルプロスタジル10μgを投与開始(3日間)。
肝炎ウイルスマーカー(IgM-HA抗体, IgM-HBc抗体, HCV-RNA定性)は陰性。
中止3日後
:
DIC(播種性血管内凝固)の合併(FDP上昇, AT-III低下)を認め, 乾燥濃縮人アンチトロンビンIII, メシル酸ナファモスタット, ヘパリンナトリウムを投与開始。
中止4日後
:
肝不全用アミノ酸製剤(1)500mLを投与開始。
中止6日後
:
AST(GOT), ALT(GPT)値の低下傾向と相反し, 総ビリルビン値は上昇。
プロトロンビン時間は20%前後で推移し, コリンエステラーゼ, アルブミン値が低下傾向であることにより, 肝不全が進行しているものと考えられた。
肝性昏睡III〜IV度, プロトロンビン時間等より劇症肝炎と診断。
中止7日後
:
コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム1g投与開始(2日間)。
中止8日後
:
腹部CT検査にて肝全体の萎縮を認めた。
中止10日後
:
グルカゴン-インスリン療法を開始。
中止20日後
:
死亡(死因:多臓器不全)。剖検所見なし。
企業報告
臨床検査値
投与
開始日
投与
2日目
投与6日目
(投与中止日)
中止
1日後
中止
3日後
中止
5日後
中止
9日後
中止
12日後
中止
18日後
血小板数(×104/mm3)
26.8
―
25.8
18.5
14.7
―
19.4
―
18.3
プロトロンビン時間(%)
―
―
―
28.4
35.5
―
25.1
―
19.2
AST(GOT)(IU/L)
19
―
1498
1910
517
―
280
―
65
ALT(GPT)(IU/L)
17
―
1480
2080
1499
―
344
―
45
Al-P(IU/L)
274
―
280
237
273
―
292
―
568
LDH(IU/L)
291
―
2652
2280
1217
―
1672
―
777
γ-GTP(IU/L)
―
―
―
68
―
―
―
―
―
総ビリルビン(mg/dL)
0.3
―
2.4
2.3
2.9
―
13.7
―
26.1
直接ビリルビン(mg/dL)
―
―
―
―
―
―
10
―
―
BUN(mg/dL)
18
―
42
49
54
―
43
―
26
アンモニア(μg/dL)
―
―
88
―
56
―
―
―
―
AT-III(%)
―
―
―
65
27
―
97
―
33
FDP(μg/mL)
―
―
―
8.6
181.5
―
18.4
―
7.3
アルブミン(g/dL)
―
4.7
―
―
―
2.7
2.4
―
―
コリンエステラーゼ(IU/L)
―
243
―
172
―
125
―
56
―
併用薬:塩酸ジルチアゼム, チアミンモノホスフェイトジスルフィド・B6・B12配合剤, アスコルビン酸, 塩酸ドパミン
NO.
患者
1日投与量
投与期間
副作用
備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
2
男
60代
閉塞性動脈硬化症
(脳梗塞, 不整脈)
20mg
10日間
急性肝炎
投与4日前
:
AST(GOT)29IU/L, ALT(GPT)41IU/L, Al-P395IU/L, 総ビリルビン0.7mg/dL。
投与3日目
:
CT検査のため非イオン性造影剤イオベルソール投与。
投与10日目
(投与中止日)
:
退院前の検査でAST(GOT), ALT(GPT)の上昇を認めた。
AST(GOT)186IU/L, ALT(GPT)418IU/L, Al-P701IU/L, 総ビリルビン0.5mg/dL。
本剤を中止し, 肝炎の治療を開始(注射用コハク酸プレドニゾロンナトリウム, プロトポルフィリン二ナトリウム, ウルソデオキシコール酸)。
中止5日後
:
AST(GOT)39IU/L, ALT(GPT)147IU/L, Al-P464IU/L, 総ビリルビン未測定。
中止17日後
:
回復。
AST(GOT)25IU/L, ALT(GPT)56IU/L, Al-P435IU/L, 総ビリルビン0.5mg/dL。
企業報告
臨床検査値
投与
4日前
投与10日目
(投与中止日)
中止
2日後
中止
4日後
中止
5日後
中止
6日後
中止
7日後
中止
15日後
中止
17日後
AST(GOT)(IU/L)
29
186
76
49
39
42
32
26
25
ALT(GPT)(IU/L)
41
418
261
180
147
147
124
72
56
Al-P(IU/L)
395
701
574
479
464
474
443
439
435
LDH(IU/L)
412
450
289
295
289
304
293
306
299
γ-GTP(IU/L)
140
169
160
143
140
149
142
132
136
総ビリルビン(mg/dL)
0.7
0.5
―
―
―
―
―
0.4
0.5
併用薬:硝酸イソソルビド, 塩酸ベラパミル, 塩酸ビフェメラン, メシル酸ジヒドロエルゴトキシン, 塩酸チザニジン, 塩酸マプロチリン, イオベルソール
【2】 クエン酸モサプリド
販売名(会社名)
ガスモチン散, 同錠2.5mg, 同錠5mg(大日本製薬)
薬効分類等
その他の消化器官用薬
効能効果
慢性胃炎に伴う消化器症状(胸やけ, 悪心・嘔吐)
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用
(重大な副作用)]
劇症肝炎, 肝機能障害, 黄疸:劇症肝炎, 著しいAST(GOT), ALT(GPT), γ-GTPの上昇等を伴う重篤な肝機能障害, 黄疸があらわれることがあり, 死亡に至った例もあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には, 直ちに投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
〈参 考〉
企業報告
症例の概要
NO.
患者
1日投与量
投与期間
副作用
備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
女
20代
うつ病
(高血圧症)
15mg
217日
劇症肝炎
投与開始日
:
A病院でうつ病と診断され, フルジアゼパム, 塩酸ミルナシプラン, 塩酸トラゾドン, 塩酸リルマザホン, 本剤内服開始。肝機能は正常。
投与57日目
:
塩酸パロキセチン水和物20mg, オキサゾラム, 塩酸リルマザホン, 塩酸ミアンセリン, 本剤に内服変更。
投与78日目
:
塩酸パロキセチン水和物を40mgへ増量。
投与141日目
:
採血にて肝障害あり〔AST(GOT)127IU/L, ALT(GPT)304IU/L, γ-GTP98IU/L〕。
投与169日目
:
塩酸パロキセチン水和物を20mgへ減量, オキサゾラム, 本剤継続。
投与197日目
:
塩酸パロキセチン水和物, 本剤投与継続。この頃に倦怠感, 嘔気, 嘔吐あり。
投与217日目
(投与中止日)
:
本剤の投与中止。
中止1日後
:
全身倦怠感が著明のためB病院を受診し, 肝障害を指摘され入院〔総ビリルビン6.4mg/dL, AST(GOT)1350IU/L, ALT(GPT)2039IU/L, プロトロンビン時間40.8%〕。
中止5日後
:
プロトロンビン時間23.2%と悪化したため, ステロイドパルス療法開始, 抗アンモニア対策, 乾燥濃縮人アンチトロンビンIII投与など施行。
中止7日後
:
当病院に転院。肝性脳症II度, プロトロンビン時間20.8%であり, 劇症肝炎と診断。血漿交換等, 集中治療開始。
中止8日後
:
肝性脳症III度。ICU入室し, 血漿交換施行。
中止10日後
:
肝性脳症IV度, 人工補助呼吸下に高流量血液ろ過透析, 血漿交換施行。
中止13日後
:
脳症持続のため, 血漿交換と血液透析施行。
中止18日後
:
肝性脳症II度に改善, 高流量血液ろ過透析施行。
中止22日後
:
限外ろ過施行, 肝性脳症III度。
中止23日後
:
ICU退室, 一般病棟個室転出。
中止27日後
:
肝性脳症IV度。
中止31日後
:
死亡。
企業報告
臨床検査値
投与
開始日
投与
141日目
中止
1日後
中止
5日後
中止
7日後
中止
10日後
中止
13日後
中止
18日後
中止
23日後
AST(GOT)(IU/L)
18
127
1350
708
276
84
65
130
88
ALT(GPT)(IU/L)
35
304
2039
1181
916
81
27
61
11
LDH(IU/L)
203
236
1080
714
645
407
―
―
―
γ-GTP(IU/L)
13
98
128
103
107
28
―
―
―
Al-P(IU/L)
―
―
427
418
375
264
―
―
―
総ビリルビン(mg/dL)
―
0.4
6.4
10.4
17.2
16.8
5.5
11.9
19.7
アルブミン(g/dL)
―
―
3.7
3.1
3.4
3.1
―
3.2
―
プロトロンビン時間(%)
―
―
40.8
23.2
20.8
41.5
80
27.6
19.5
併用薬:塩酸パロキセチン水和物, フルジアゼパム, 塩酸ミルナシプラン, 塩酸トラゾドン, 塩酸リルマザホン, オキサゾラム, 塩酸ミアンセリン
【3】 サリチルアミド・アセトアミノフェン・無水カフェイン・メチレンジサリチル酸プロメタジン
販売名(会社名)
サラザック顆粒(大洋薬品工業)
セラピナ顆粒(シオノケミカル)
トーワチーム顆粒(東和薬品)
ピーエイ錠(全星薬品工業)
PL顆粒, 幼児用 PL顆粒(塩野義製薬)
ヘブン顆粒(東洋ファルマー)
ホグス顆粒(大正薬品工業)
マリキナ顆粒(鶴原製薬)
リベラル顆粒(中北薬品)
薬効分類等
総合感冒剤
効能効果
感冒若しくは上気道炎に伴う下記症状の改善及び緩和
鼻汁, 鼻閉, 咽・喉頭痛, 頭痛, 関節痛, 筋肉痛, 発熱
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[副作用
(重大な副作用)
緑内障:緑内障発作があらわれることがあるので, 視力低下, 眼痛等があらわれた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
〈参 考〉
企業報告
症例の概要
NO.
患者
1日投与量
投与期間
副作用
備考
性・
年齢
使用理由
(合併症)
経過及び処置
1
女
60代
感冒
(なし)
3g
2日間
緑内障
既往歴
:
なし
投与2日前
:
風邪様症状にて市販感冒剤(アセトアミノフェン・エテンザミド・ジフェニルピラリン・無水カフェイン・リボフラビン・ゴオウ・ニンジン・ヘスペリジン含有)を2日間服用(投与量不明)。
投与開始日
:
症状の改善が得られず, 他院にて本剤3g及び塩酸ミノサイクリン200mg, ジクロフェナクナトリウム75mg, リン酸ベンプロペリン60mgを投与開始。この頃より視力障害発現。
投与2日目
(投与中止日)
:
当院眼科初診し, 両眼急性緑内障発作と診断される。右眼眼圧80mmHg, 左眼26mmHg。塩酸ピロカルピン2%点眼5分毎12回(右眼), 塩酸カルテオロール2%点眼1回(右眼), アセタゾラミド250mg, L-アスパラギン酸カリウム600mg, 濃グリセリン・果糖200mL(点滴)による症状の改善は得られず。右眼レーザー虹彩切開術施行。術後, 症状の改善を認める。
中止1日後
:
両眼圧とも正常範囲となり視力も良好。
中止7日後
:
左眼レーザー虹彩切開術施行。
以後, 点眼にて眼圧はコントロールされているものの, 慢性化していると考えられる。
担当医の見解:発症前を診察していないので確定できないが, 既に狭隅角眼を有しており(慢性狭隅角緑内障の可能性あり), 風邪様症状で体調不良に加え, 抗ヒスタミン剤に対し感受性が強かったため, 市販感冒剤に含まれるジフェニルピラリン, 本剤に含まれるメチレンジサリチル酸プロメタジンにより緑内障発作を発現したものと想像される。
企業報告
併用薬:塩酸ミノサイクリン, ジクロフェナクナトリウム, リン酸ベンプロペリン
【4】 濃グリセリン・果糖
販売名(会社名)
グリセオール注(大塚製薬工場)
グリセノン注(小林製薬工業)
グリセパックF注(川澄化学工業)
グリセリンF注(光製薬)
グリセレブ(テルモ)
グリポーゼ注(扶桑薬品工業)
グリマッケン注(模範薬品研究所)
グレノール注(清水製薬)
ヒシセオール液(ニプロファーマ)
薬効分類等
その他の循環器官用薬
効能効果
○しろまる頭蓋内圧亢進, 頭蓋内浮腫の治療
○しろまる頭蓋内圧亢進, 頭蓋内浮腫の改善による下記疾患に伴う意識障害, 神経障害, 自覚症状の改善
脳梗塞(脳血栓, 脳塞栓), 脳内出血, くも膜下出血, 頭部外傷, 脳腫瘍, 脳髄膜炎
○しろまる脳外科手術後の後療法
○しろまる脳外科手術時の脳容積縮小
○しろまる眼内圧下降を必要とする場合
○しろまる眼科手術時の眼容積縮小
《使用上の注意(下線部追加改訂部分)》
[重要な基本
的注意]
成人発症II型シトルリン血症の患者に対して, 脳浮腫治療のために本剤を投与して病態が悪化し, 死亡したとの報告がある。成人発症II型シトルリン血症(血中シトルリンが増加する疾病で, 繰り返す高アンモニア血症による異常行動, 意識障害等を特徴とする)が疑われた場合には, 本剤を投与しないこと。
〈参 考〉
矢崎正英, 他:第45回日本神経学会総会 プログラム・抄録集:229(2004)
第45回日本神経学会総会(2004. 5/11-14)
P-1-R-1
成人型シトルリン血症(CTLN2)患者の脳浮腫におけるグリセロール投与の危険性
【目的】
CTLN2患者の脳浮腫治療におけるグリセロール投与の危険性とマンニトール単独投与の有効性について, 本症患者3名の治療経験から考察する。
【方法】
本症患者3名(患者1:40歳女性, 患者2:31歳男性, 患者3:40歳男性)の脳浮腫に対する治療経験を検討した。患者1, 2は, 脳浮腫発症後グリセロール投与開始後, マンニトール投与を追加。患者3では, 脳浮腫発症後マンニトール単独で治療を行った。
【結果】
患者1, 2ではグリセロール投与後, マンニトール投与を追加しても脳浮腫は改善せず両患者とも死亡された。患者3ではマンニトール投与後, 脳浮腫の明らかな改善が認められ救命し得た。
【考察】
本症における脳浮腫治療には, グリセロールよりマンニトールが有効である可能性がある。シトリンはミトコンドリア膜上において, 細胞質内NADHをミトコンドリア内へ移送する機能を有しているが, グリセロール自体の代謝により細胞質内NADHの蓄積を促進させ, 本症の病態を更に悪化させる可能性がある。
目次へ
使用上の注意の改訂について(その158)
前号(医薬品・医療用具等安全性情報 No.203)以降に改訂を指導した医薬品の使用上の注意(本号の「1 重要な副作用等に関する情報」で紹介したものを除く。)について, 改訂内容, 主な該当販売名, 参考文献等をお知らせいたします。
1
〈抗パーキンソン剤〉
カベルゴリン
[販売名]
カバサール錠0.25mg, 同錠1.0mg(ファイザー)
[副作用
(重大な副作用)]
悪性症候群(Syndrome malin):パーキンソン病治療において, 本剤の急激な減量又は中止により, 高熱, 意識障害, 高度の筋硬直, 不随意運動, 血清CK(CPK)上昇等があらわれることがある。このような場合には, 再投与後, 漸減し, 体冷却, 水分補給等の適切な処置を行うこと。なお, 投与継続中に同様の症状があらわれることがある。
〈参 考〉
企業報告
2
〈精神神経用剤〉
マレイン酸フルボキサミン
[販売名]
デプロメール錠25, 同錠50(明治製菓), ルボックス錠25, 同錠50(ソルベイ製薬)
[禁忌]
チオリダジン, 塩酸チザニジンを投与中の患者
[相互作用
(併用禁忌)]
塩酸チザニジン
〈参 考〉
企業報告
3
〈その他の中枢神経系用薬〉
エダラボン
[販売名]
ラジカット注30mg(三菱ウェルファーマ)
[副作用
(重大な副作用)]
ショック, アナフィラキシー様症状:ショック, アナフィラキシー様症状(蕁麻疹, 血圧低下, 呼吸困難等)があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には, 投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
〈参 考〉
企業報告
4
〈鎮けい剤〉
塩酸チザニジン
[販売名]
テルネリン顆粒0.2%, 同錠1mg(日本チバガイギー)他
[相互作用
(併用禁忌)]
マレイン酸フルボキサミン
〈参 考〉
企業報告
5
〈高脂血症用剤〉
ピタバスタチンカルシウム
[販売名]
リバロ錠1mg, 同錠2mg(興和)
[副作用
(重大な副作用)]
肝機能障害, 黄疸:AST(GOT), ALT(GPT)の著しい上昇等を伴う肝機能障害, 黄疸があらわれることがあるので, 定期的に肝機能検査等の観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
〈参 考〉
企業報告
6
〈その他の泌尿生殖器官及び肛門用薬〉
塩酸フラボキサート
[販売名]
ブラダロン顆粒, 同錠(日本新薬)他
[副作用
(重大な副作用)]
ショック, アナフィラキシー様症状:ショック, アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 蕁麻疹, 冷汗, 呼吸困難, 喉頭浮腫, 血圧低下等の異常が認められた場合には直ちに投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
〈参 考〉
企業報告
7
〈その他の外皮用薬, 抗ハンセン病剤〉
ジアフェニルスルホン
[販売名]
25mgプロトゲン錠, レクチゾール錠25mg(三菱ウェルファーマ)
[副作用
(重大な副作用)]
好酸球性肺炎:好酸球性肺炎があらわれることがあるので, 発熱, 咳嗽, 呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には投与を中止し, 速やかに胸部X線検査, 血液検査等を実施し, 適切な処置を行うこと。
〈参 考〉
企業報告
8
〈その他の外皮用薬〉
マキサカルシトール(外用剤)
[販売名]
オキサロール軟膏(中外製薬)
[慎重投与]
腎機能が低下している患者
[重要な基本
的注意]
本剤は活性型ビタミンD3誘導体製剤であり, 血清カルシウム値が上昇する可能性がある。また, 高カルシウム血症に伴い, 急性腎不全の報告があるため, 本剤の使用に際しては, 血清カルシウム値及び腎機能(血清クレアチニン, BUN等)の検査を定期的(開始2〜4週後に1回, その後は適宜)に行うこと。なお, 正常域を超えた場合には減量又は使用を中止すること。
皮疹が広範囲にある場合や, 皮疹重症度が高く, 皮膚のバリア機能が低下して本剤の経皮吸収が増加する可能性のある患者では, 高カルシウム血症が発現しやすく, 急性腎不全に至る可能性もあるため, 本剤を少量から使用開始し, 観察を十分に行い, 血清カルシウム値及び腎機能の検査を定期的に行うこと。
〈参 考〉
企業報告
岩田洋平, 他:日皮会誌, 113(3):271-279(2003)
9
〈他に分類されない代謝性医薬品〉
エパルレスタット
[販売名]
キネダック錠(小野薬品工業)
[副作用
(重大な副作用)]
劇症肝炎, 肝機能障害, 黄疸, 肝不全:劇症肝炎, 著しいAST(GOT)・ALT(GPT)の上昇等を伴う肝機能障害, 黄疸, 肝不全があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, このような場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
〈参 考〉
企業報告
10
〈他に分類されない代謝性医薬品〉
ヒアルロン酸ナトリウム(注射剤)
(慢性関節リウマチにおける膝関節痛の効能を有する製剤)
[販売名]
スベニールディスポ, 同バイアル(中外製薬)
[副作用
(重大な副作用)]
ショック:ショック症状があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止し, 適切な処置を行うこと。
〈参 考〉
企業報告
11
〈主としてカビに作用するもの〉
ミカファンギンナトリウム
[販売名]
ファンガード点滴用50mg, 同点滴用75mg(富山フジサワ)
[副作用
(重大な副作用)]
血液障害:好中球減少, 血小板減少, 溶血性貧血があらわれることがあるので, 定期的に検査を行うなど観察を十分に行い, 異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
ショック, アナフィラキシー様症状:ショック, アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので, 観察を十分に行い, 血圧低下, 口内異常感, 呼吸困難, 全身潮紅, 血管浮腫, 蕁麻疹等の異常がみられた場合には投与を中止し, 必要に応じて気道の確保, アドレナリン, ステロイド, 抗ヒスタミン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
〈参 考〉
企業報告
12
〈抗ウイルス剤〉
硫酸アバカビル
[販売名]
ザイアジェン錠(グラクソ・スミスクライン)
[副作用
(重大な副作用)]
乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)
〈参 考〉
企業報告
13
〈合成麻薬〉
クエン酸フェンタニル
[販売名]
フェンタネスト(三共)
[用法及び用量に
関連する使用上
の注意]
患者の状態(呼吸抑制等)を観察しながら慎重に投与すること。特に追加投与及び他のオピオイド製剤から本剤へ変更する場合には, 前投与薬剤の投与量及び鎮痛効果の持続時間を考慮して, 副作用の発現に注意しながら, 適宜用量調節を行うこと(ガイドライン参照)。
癌性疼痛に対して初めてオピオイド製剤として本剤を静注する場合には, 個人差も踏まえ, 通常よりも低用量(ガイドライン参照)から開始することを考慮し, 鎮痛効果及び副作用の発現状況を観察しながら用量調節を行うこと。
〈参 考〉
企業報告
日本麻酔科学会-麻酔薬および麻酔関連薬使用ガイドライン改訂第2版:14(2004)
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