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新刊

自由を奪われた精神障害者のための弁護士実務【第2版】

刑事・医療観察法から精神保健福祉法まで

自由を奪われた精神障害者のための弁護士実務【第2版】

精神障害者の身体的自由を守るために弁護士ができること

著者 姜 文江
辻川 圭乃
ジャンル 法律
法律 > 障害者
出版年月日 2024年06月24日
ISBN 9784877988661
判型・ページ数 A5・256ページ
定価 本体3,000円+税
在庫 在庫あり

この本に関するお問い合わせ・感想

精神障害者の身体的自由を守るために弁護士ができること

精神障害者の拘禁に関わる法律には、主に刑事訴訟法、医療観察法、精神保健福祉法の3つがある。2022年、精神保健福祉法が改正された。これにより実務に影響を与えた部分と、刑事手続における新たな運用など、初版を全般的にアップデートした。
はしがき

第1章 精神障害者をめぐる状況
1 精神障害者に関する法の変遷
(1) 精神衛生法までの時代
(2) 精神保健法から精神保健福祉法へ
(3) 医療観察法制定
2 入院医療中心主義
(1) 入院患者の多さ
(2) 長期入院
(3) 地域差
(4) 隔離・身体的拘束の多用
3 国際的批判
(1) 市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)
(2) 拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰に関する条約(拷問等禁止条約)
(3) 障害者の権利に関する条約(障害者権利条約)

第2章 精神疾患を知る
1 はじめに
2 外から見える症状
3 診断基準
4 精神疾患の治療法
5 統合失調症
(1) 疾患の概要
(2) 治療
(3) 統計
6 〈精神疾患がある〉ことの位置づけ
7 病識
8 精神障害のあるクライアントとのつき合い方
(1) 病識があり、治療に抵抗がない場合
(2) 治療は受け入れるが、その必要性を本心から理解していない場合
(3) 病識がないか、病気と認めたくなかったり、認めても治療を拒否する場合
(4) 未治療で、本人も精神疾患があると認識していない場合

刑事手続

第3章 捜査段階の弁護活動
1 精神障害への気づき
2 接見における注意点
(1) 接見・コミュニケーションについての配慮
(2) 接見時の病状の保全
3 弁護人選任を拒否する場合の対応
4 情報の収集
5 取調べへの対応
(1) 捜査機関に対する申入れ
(2) 弁面調書等の作成
6 処遇への対応
7 起訴前の鑑定への対応
(1) 簡易鑑定
(2) 起訴前本鑑定
8 終局処分に向けた活動
(1) 獲得目標の設定
(2) 具体的な場面における留意点

第4章 公判段階の弁護活動
1 訴訟能力の検討
(1) 訴訟能力の定義
(2) 訴訟能力を争う場合の手続
(3) 公判停止が認められた後の手続
2 責任能力の検討
(1) 責任能力とは
(2) 責任能力判断の基準
(3) 精神鑑定との関係
(4) 責任能力についての主張の検討
3 責任能力を争う場合の弁護活動
(1) 簡易鑑定・起訴前本鑑定の内容の精査
(2) 本鑑定・再鑑定を請求するか否か
(3) 裁判員裁判の場合
(4) 専門家証人の尋問について
4 訴訟能力や責任能力を争わない場合
(1) ケースセオリーの構築
(2) 主張および立証
5 福祉専門職との連携
(1) 連携の意義
(2) 連携の方法
(3) 連携における留意点
6 保釈の活用
7 公判手続における配慮
(1) 国選弁護人の複数選任
(2) 公判廷における配慮
(3) 被告人質問における配慮と工夫
(4) 特別弁護人の活用

第5章 判決直後の弁護活動
1 無罪もしくは執行猶予判決の場合
(1) 医療観察法申立てが予想される場合
(2) 上記以外の場合―入口支援
2 実刑判決の場合
(1) 短期実刑で満つるまで未決勾留日数算入の場合
(2) 障害に配慮した処遇を受けるために
(3) 出所後に適切な福祉的支援につながるために
3 更生支援計画書の活用
4 寄り添い弁護士

心神喪失者等医療観察法

第6章 心神喪失者等医療観察法とは
1 制定の経緯
2 制度の概要
3 医療観察法の運用状況
4 医療観察法の手続の流れ
(1) 当初審判段階
(2) 処遇段階

第7章 当初審判の付添人活動
1 付添人の役割と視点
2 初動段階における付添人活動
(1) 記録の閲覧・謄写申請
(2) 対象者との面会
(3) 鑑定人との面談
(4) 家族等関係者との面談
(5) 社会復帰調整官との面談
(6) 方針選択とその後の活動
3 付添人として検討すべきこと
(1) 早期に検討すべきこと
(2) 鑑定入院について争う場合
(3) 対象行為該当性を争う場合
(4) 責任能力を争う場合
(5) 処遇の要否および内容を争う場合
(6) 精神保健福祉法の入院を併用しようとする場合
4 カンファレンスへの対応
(1) カンファレンスの法的位置づけと概要
(2) 手続の早期段階に行われるカンファレンス
(3) 鑑定や生活環境調査が終わった段階に行われるカンファレンス
(4) 審判直前に行われるカンファレンス
(5) 留意点
5 審判期日と決定
(1) 審判廷
(2) 審判期日
(3) 決定

第8章 抗告
1 抗告制度とは
2 当初審判の付添人としてすべきこと
(1) 抗告に向けた準備
(2) 抗告申立書・申立補充書の提出
3 抗告審から付添人に就任した場合
4 抗告審で付添人がすべきこと
5 再抗告の申立て

第9章 入院中・通院中の付添人活動
1 入院処遇の流れと審判手続
2 入院継続・退院・処遇終了手続
(1) 入院継続確認の申立て
(2) 退院許可・処遇終了の申立て
(3) 審判手続
3 入院対象者と弁護士との関わり
(1) 付添人への就任
(2) 退院許可・入院継続確認申立手続における付添人活動
(3) 処遇終了申立手続における留意点
(4) 医観法以外の法律問題への対処
(5) 入院対象者への支援
4 処遇改善請求
5 通院中の付添人活動
(1) 通院処遇の流れ
(2) 再入院申立手続

精神保健福祉法

第10章 精神保健福祉法とは
1 精神保健福祉法の位置づけ
2 入院形態
(1) 任意入院
(2) 措置入院
(3) 医療保護入院
(4) その他
3 処遇
(1) 処遇の内容
(2) 弁護士等との連絡
(3) 隔離・身体的拘束
4 人権保障のための制度
(1) 精神医療審査会
(2) 精神保健指定医と指定病院
(3) 報告徴収、改善命令等
(4) 権利擁護機関との通信制限の禁止
(5) 虐待の防止に関する規定
5 弁護士が関わるために
6 退院支援

第11章 退院請求・処遇改善請求手続における代理人活動
1 初回相談への対応
2 患者との面会
3 主治医との面談
4 精神科ソーシャルワーカー等との面談
5 家族等関係者との面談
6 受任判断とその後の活動
7 環境調整
8 請求書・意見書の作成提出等の代理人活動
9 意見聴取への立会い
10 精神医療審査会における意見陳述
11 審査の結果通知

第12章 シミュレーション退院請求手続
1 精神病院からの電話
2 病院での面会
(1) X氏との面会
(2) 主治医との面会
3 退院請求の準備
4 医療記録の閲覧と再度の面会
5 退院請求手続
(1) 精神医療審査会委員による現地意見聴取
(2) 精神医療審査会
6 審査結果

当事者の特性と支援者・支援制度

第13章 未成年者の場合
1 乳幼児・児童と精神障害
2 思春期と精神障害
3 少年事件
(1) 捜査段階
(2) 少年法と責任能力
(3) 鑑定請求
(4) 処遇の選択肢
(5) 方針選択と付添人活動
4 検察官送致の対象事件
(1) 法の構造
(2) 付添人活動
5 逆送された場合
(1) 少年法55条に基づく送致(いわゆる55条移送)
(2) 社会記録の取扱い
(3) 裁判員裁判対象事件についての留意点
6 児童福祉法による措置
7 精神保健福祉法上の注意点
8 未成年者の今後の生活のために―障害年金への配慮

第14章 家族との関係
1 家族の役割
(1) 本人と家族との一般的な関係
(2) 精神保健福祉法上の家族
(3) 医療観察法上の家族
2 本人と家族との関係に問題がある場合
(1) 家族と連絡をとる際の留意点
(2) 家族から依頼を受ける際の留意点
3 家族会など家族への支援について

第15章 福祉制度の使い方
1 福祉の分野に関する弁護活動
2 関係機関との連携
(1) 精神保健福祉士/PSW
(2) 医療機関のPSW・ワーカー
(3) 行政(市町村担当課、市町村福祉事務所)
(4) 過去につながりのある福祉事業所
(5) 相談支援事業所
(6) 保健所、精神保健福祉センター
3 キーパーソンの確保―後見制度の利用
4 生活費の調達方法
(1) 障害年金
(2) 生活保護
(3) 家族に対する請求
5 医療・福祉サービス
(1) 医療費
(2) 福祉サービス
(3) 精神障害者保健福祉手帳
(4) 地域活動支援センター
(5) 日常生活自立支援事業

コラム:言葉の違い―業界の常識を疑い続ける
コラム:障害者権利条約
コラム:抗精神病薬の歴史と現状
コラム:医療や福祉との連携費用援助制度
コラム:依存症に対する理解と支援
コラム:強制医療
コラム:精神医療審査会の委員として
コラム:精神科病院出張相談

刑事書式1:接見時の説明カード
刑事書式2:国選弁護人選任のための上申書
刑事書式3:カルテ開示請求書
刑事書式4:医療情報に関する同意書
刑事書式5:取調べ等における配慮の申入書
刑事書式6:拘置所に対する申入書
刑事書式7:不起訴と医療法申立てをしないことを求める意見書
刑事書式8:情状鑑定請求書
刑事書式9:公判手続における配慮の申入書
刑事書式10:特別弁護人選任許可申立書

医観法書式1:傍聴許可を求める上申書
医観法書式2:国選弁護人選任のための上申書
医観法書式3:退院許可申立書
医観法書式4:入院継続確認申立てに対する意見書
医観法書式5:処遇改善請求書
精福法書式1:委任状
精福法書式2:退院請求書
精福法書式3:意見書
精福法書式4:追加意見書

参考文献
インターネット情報

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