難民研究ジャーナル第4号
特集:無国籍。無国籍者は、もともと国際的に難民と同一の集団として認識されていたが、第二次世界大戦後に両概念は分離され、その後無国籍者に対する国際的な関心や取り組みは薄れていた。しかし近年、無国籍をめぐる国際社会の関心が再び高まり、無国籍者に関する国際機関や政府、市民社会の実務的、研究的取り組みがさまざま出はじめている。本号では、このような無国籍者をめぐる近年の関心の高まりおよび「無国籍者地位条約」制定60周年を踏まえ、特集テーマを「無国籍」に設定し、無国籍をめぐる主要テーマを扱った論稿を掲載した。
[企画趣旨]無国籍について
難民研究フォーラム編集委員会
[論文]無国籍者地位条約の成立と展開
新垣 修 国際基督教大学(国際法・国際関係論)
[論文]フィリピンにおける無国籍者の保護の歴史と現状
付 月 茨城大学人文学部(国際人権法、国籍法)
[報告]フィリピンの難民・無国籍認定手続
小田川綾音 弁護士
[報告]無国籍に関するUNHCR新ハンドブック・ガイドライン等の解説
金児真依 UNHCR駐日事務所
[投稿報告]日本の難民受け入れ経験を問いなおす――兵庫県姫路市の定住センターと難民キャンプの記憶から
久保忠行 立命館大学(文化人類学、移民・難民研究)/瀬戸徐映里奈 京都大学大学院(地域研究、移民・難民研究)/
乾 美紀 兵庫県立大学(比較教育学、多文化共生教育)
[投稿報告]韓国の難民支援センター――難民保護をめぐる政府の新施策と市民社会の反応
松岡佳奈子 難民研究フォーラム
[投稿報告]欧州における出入国管理施設での収容と視察――その課題と実践1
新津久美子 東京大学寄付講座「難民移民」事務局(CDR)(国際人権法)
若手難民研究者奨励賞
若手難民研究者奨励賞とは
[論文]未承認国家ソマリランドとディアスポラ――越境的に展開されるダイナミズムを捉える試み
須永修枝 東京大学大学院(国際社会学)
[論文]就労現場におけるベトナム難民の受け入れと町工場が果たした役割
――兵庫県姫路市高木・神戸市長田を事例に
瀬戸徐映里奈 京都大学大学院(地域研究、移民・難民研究)/野上恵美 神戸大学大学院(文化人類学、移民・難民研究)
[報告]ノン・ルフルマン条項の構造と適用手法
加藤雄大 東北大学大学院(国際法)
[報告]移動する人々と第三国定住――難民の行き先が日本になるとき
三浦純子 東京大学大学院・日本学術振興会特別研究員(文化人類学・移民難民研究)
2013年日本の判例動向
海外判例評釈
2013年難民動向分析 -日本-
2013年難民動向分析 ―アジア太平洋―
2013年難民動向分析 ―世界―
文献紹介 ―日本―
文献紹介 ―海外―
2013年難民関連文献一覧
編集規定/執筆要項/投稿規定