現代日本の少年非行
その発生態様と関連要因に関する実証的研究
少年司法・矯正にかかわる政策は「少年非行の凶悪化と低年齢化」を前提としてつくられてきたが、この前提は本当に正しいのか? 本書では、科学警察研究所在任時より、非行少年に関する研究を続けてきた新進気鋭の研究者が、統計解析の手法を用い、「少年非行の発生態様と関連要因とを実証的に分析し、これらの前提の正否に深く切り込む。
第2章 非行発生の時系列的変化――公式統計に基づく検討
第3章 非行の広がりと繰り返しの態様――A県の縦断的非行記録データに基づく検討
第4章 非行の繰り返しに伴う罪種変化の態様――A県の縦断的非行記録データに基づく検討
第5章 非行発生の縦断的パターン――A県の縦断的非行記録データに基づく検討
第6章 養育環境と非行――公式統計、非行少年対象の質問紙調査、縦断的非行記録データに基づく検討
第7章 学歴階層と非行――公式統計に基づく検討
第8章 再非行の関連要因――B県の縦断的非行記録データに基づく検討
第9章 本研究のまとめと総合考察
補論 日本版自己申告非行尺度開発の試み