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新刊

犯罪被害と「回復」

求められる支援

犯罪被害と「回復」

被害者たちの声から支援を考える

著者 伊藤 冨士江 編著
ジャンル 法律
法律 > 刑事法
法律 > 刑事法 > 専門書
出版年月日 2024年06月11日
ISBN 9784877988593
判型・ページ数 A5・248ページ
定価 本体2,700円+税
在庫 在庫あり

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犯罪被害者は、長い間刑事司法手続で「証拠」の立場しか与えられず、支援のための制度・施策は不十分であった。2004年に「犯罪被害者等基本法」が制定され、ようやく被害者の問題に光が当たるようになった。その後、「犯罪被害者等基本計画」が策定され、5年ごとの見直しによって被害者支援は大きな進展を見せている。しかし、不十分なところが多々ある。
本書は、「犯罪被害者調査」の結果から、性被害、交通被害、身体的な被害にあった被害者たちの声をまとめている。その貴重な語りをもとに、被害の実態とその影響、必要な支援策、被害後の変化、そして被害者支援への具体的要望などを分かりやすく解説する。また、被害者の声を受けて、刑事司法機関、医療機関、民間支援機関、教育現場は、どのように被害者に対応しているかについて、支援者側の声を提示する。
第1章 犯罪被害に関する制度・施策や支援はどこまで進んだか[伊藤冨士江]
1.犯罪被害にあうとは
2.被害者支援の発展経緯
Column 1 被害者支援創成期を振り返って[山上 皓]
Column 2 被害者参加制度の創設――検察官への意見表明権と検察官による説明義務[髙橋正人]
Column 3 「第3次犯罪被害者等基本計画」の策定と推進[安田貴彦]

第2章 「被害からの回復」に関する犯罪被害者調査について[伊藤冨士江]
1.犯罪被害者調査の概要
2.インタビュー調査の実施
3.インタビュー結果の分析方法と公表
4.倫理的配慮等

第3章 被害にあった人々の声を聴く[伊藤冨士江]
1.性被害にあった人々の語り
2.交通被害にあった人々の語り
3.身体的な被害にあった人々の語り

第4章 被害者の語りから被害からの「回復」を探る[伊藤冨士江]
1.「心的外傷後成長(PTG)」という考え方
2. PTGと「回復」に関わる語り
3.PTGとして捉えられなかった「回復」に関わる語り
4.被害からの「回復」を促すもの――支援者として求められること
5.被害当事者の自助グループの重要性
Column 4 だれも被害者にも加害者にもならない社会実現のために――あいの会の活動[小沢樹里]
Column 5 沖縄で被害者支援に取り組んで――〜犯罪被害者支援〜ひだまりの会okinawaの活動[河井(川満)由美]
Column 6「ゆるやかな連携」を大切に――犯罪被害者団体ネットワーク「ハートバンド」の活動[鴻巣たか子]

第5章 支援者側からの声を聞く――被害者支援を改善するために
1.警察の立場から/今後の被害者支援活動の展望[奥田暁宏]
2.検察の立場から/検察における被害者支援の取組み[梶 美紗]
3.弁護士の立場から/弁護士と被害者支援[長谷川桂子]
Column 7 被害者参加制度について多角的に考える[平山真理]
4.更生保護の立場から/犯罪被害者等の思いに応える更生保護の実現に向けて[川本悠一]
Column 8 性犯罪者の再犯を防ぐために――更生保護における新たな取組み[伊藤冨士江]
5.精神科医から/より良い被害者支援に向けて[飛鳥井 望]
6.性犯罪・性暴力被害者ワンストップ支援センターから/性暴力被害者に寄り添う[坂本理恵]
7.病院のソーシャルワーカーから/喪失体験をした家族に寄り添う[牧 祥子]
8.民間支援団体の相談員から/ともに考え、ともに歩む――犯罪被害者支援センターの関わりから[工藤美貴子]
9.教育現場から/スクールソーシャルワーカーから見た学校の被害者対応[横井葉子]

第6章 被害者支援の新たなステージに向けて
[伊藤冨士江]
Column 9 自治体の総合的対応窓口に福祉専門職を置く意味[大岡由佳]
Column 10 自治体における総合的対応窓口の充実に向けて――研究者の視点から[大塚淳子]

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