脳活のためのパラドックス(4):"2=1"の証明?

2022年8月25日 (木) 投稿者: メディア社会コース

いま、abは等しく、0ではない数とします。すなわち、a=b(≠0)という設定です。ここで、両辺にaを掛けると、a^2=abを得ます((注記) 演算子"^"はべき乗を意味します(2^3=83^2=9etc.))。さらに、両辺からb^2を引くと、a^2-b^2=ab-b^2となります。ここで、両辺を因数分解すると、(a+b)(a-b)=b(a-b)を得ます。続けて、両辺をa-bで割ると、a+b=bとなります。ただ、最初にa=bと仮定したので、b+b=b、すなわち2b=bを得ます。最後に両辺をbで割って、"2=1"が証明されました。

もちろん、2=1であるはずがありません。これが成り立ってしまうと、さらに両辺に1を足して3=2が成り立ちます。同様に、4=35=4、...と連鎖し、結局1=2=3=4=5=...となってしまいます。では、何が起きているのでしょうか? 実は、これは因数分解後にa-bで割ったことに起因します。abは等しいので、a-b0です。数学において、0で割ることはご法度です。ここから、おかしな道理が進んでしまったのです。

文責: メディア学部 松永

(2022年08月25日)

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /