裏切りの見せかた
2020年12月30日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース
みなさん,こんにちは.メディア学部助教の兼松です.
12月14日から16日までの3日間,ADADA+CUMULUS 2020という学会が開催されました.
http://adada.info/2020/
本学からも複数の研究が発表され,三上・兼松研からも4件の発表がありました.
*Work-In-Progress
[Zeyu Lyu, Yoshihisa Kanematsu and Koji Mikami. Improving the Prediction Effect of Fighting Game AI on Human Players by Cognitive Bias]
[Yuki Nakama, Yoshihisa Kanematsu and Koji Mikami. Development of a Character Design Draft Simulation System Considering Silhouettes]
[Akifumi Tanimura, Yoshihisa Kanematsu and Koji Mikami. Development of Character Design Support System Based on Character’s Dialogue Analysis]
*Technical/Art Paper
[Yoshihisa Kanematsu, Chika Koyama, Daichi Hayakawa, Ryuta Motegi, Naoya Tsuruta, Kunio Kondo. Analysis of episodes containing elements of enemy and allies reversal in movie scenarios]
上3つは大学院生が発表し,一番下のものは私が発表しました.
今回私が発表した研究は,昨年度定年退職された近藤先生の研究室で卒研生が分析などをしていたものに,私がデータや分類の整理などを追加したものです.
この研究は大きな枠組みで言えば,シナリオ・ストーリーの可視化関連の研究です.
様々な映画やアニメには,ストーリーの進展に伴って立ち位置を変化させるキャラクターがいます.
初めは味方だったのに途中で裏切って敵になってしまうキャラクターや,その逆で敵が味方になるパターンもありますね.
そして,こういった裏切り・寝返りというイベントはストーリーの重要な転機や,エンディングに至るきっかけになることも多いです.
そのため,単にある時期がきたら裏切らせれば良いということではなく,その裏切りをよりショッキングな出来事として印象付けるためにも,事前に様々なストーリー上の工夫が行われます.
視聴者には怪しい素振りをほのめかせておいて,「こいつ,実は敵なんじゃないだろうか?」とそわそわさせることもありますし,まったくそういう素振りを見せずにおいて,ここぞというときに裏切らせてびっくりさせることもあります.
そこでこの研究では,裏切りかたのパターンや裏切るまでにどういう行動をとっているのかなどを分析しています.
このblogで度々ご紹介しているデジタルスクラップブックの考え方にも近いですが,こういった「裏切りの見せかたのノウハウ」を蓄積することで,自分のキャラクター・ストーリーに適したストーリーの設計ができるようになれば良いと思っています.
(文責:兼松祥央)
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