遠隔ペアプログラミングに挑戦しました

2020年7月24日 (金) 投稿者: メディア技術コース

遠隔授業でプログラミング演習を行うという話を前回しました。メディア専門演習の20あまりのテーマのうちの一つ「イメージメディアプログラミング」です。

ペアプログラミングは、ソフトウェア開発企業でも取り入れているプログラム開発手法です。二人が同じ画面の前で一緒にプログラムを書く作業形式です。一人はキーボードを打ち、もう一人はそれを見ながら常に意見を言うという役割です。

この前期、遠隔授業でペアプログラミングに挑戦しました。結果としてこれまでにないほど良い成績になりそうです。

「イメージメディアプログラミング」で使用しているプログラミング言語はMATLABという有料のソフト開発言語です。製造業などの工学や科学技術分野ではよく使われている標準的な開発環境で、さまざまな専門分野(信号処理・データ解析・制御システム・ロボット工学など多数)に特化したオプションの機能(ツールボックス)があります。今回の演習では画像処理のツールボックスを使用します。

毎回の授業では、はじめに教員から今日新たに学修する内容の講義を1時間弱行い、残り2時間半ほどは各自がペアを組んで課題プログラムに取り組みます。遠隔のツールとしてZoomミーティングを使用しています。

ペアごとにZoomのブレークアウトセッションという別室を用意し、そこに分かれてそれぞれのペアで画面共有しながらプログラムを書きます。各自のノートPCでMATLABを使用することになります。

このブレークアウトセッションはなかなか良くできています。教員はメインの部屋で一人で待っているか、どこかの部屋で様子を聞いたり質問を受けて指導したりします。質問の頻度も演習室での実施のときよりも遠隔の方がやや多くなりました。呼出を受けるときりのよいタイミングで別のペアの部屋に移ります。待ちグループが2グループ以上になると憶えておくのが大変ですが、授業が進んで受講生が慣れてくると待ちグループがたまることも減りました。

所定の課題プログラムが一通りできたら実行する様子を教員がチェックします。演習室で実施していた先学期までは、その週の授業で完了せず宿題となり翌週チェックとなるケースがほとんどでした。それに対して今学期はほぼ100%のペアが当日授業中に課題を完成させています。

先学期と今学期(先週までの8回)を比べると、出席率「93%→98%」、課題達成率「85%→96%」で、明らかに良くなっています。これには別の理由も二つあります。一つは授業資料開示が以前は前日だったのが、今回は4日〜7日前になったことです。もう一つはMATLAB実行が演習室限定だったのが各自のノートPCで可能になったことです。自宅で予習が十分できていることが大きいです。

演習授業はまだ数週残っています。毎回の課題プログラムはほぼ終了です。最後は履修生各自単独で興味深い問題を設定し、2,3週かけてデモプログラムを作る自由課題が残っています。今年はいつも以上に面白い自由課題が期待できそうです。

メディア学部 柿本正憲

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