IMPの学外展開(3): 障がい児・生徒対象の学習支援
2020年7月31日 (金) 投稿者: メディア社会コース
最近、共生社会・インクルーシブ教育・SDGsなどの言葉を耳にすることが多くありませんか? これらは実は、国連が主導してその普及が進められている国際標準の概念です。人類は一つという共通スローガンのもと、自助を支援する互助、互助を支援する共助(/公助)という考え方が今世界中に広まりつつあります。
前身のELP時代も含めてIMPでは、この理念を踏まえ、障がい児・生徒の学習支援を一つの大きな柱としてきました。ELPの時代には、視覚障がい児・生徒を支援する点字に関する教材開発の研究が生まれました。これは、当時偶然にも卒研に所属していた弱視の学生の発案がきっかけでした。IMPの時代に入ると、聴覚障がい児・生徒(とりわけ児童)を主対象とする学習支援の研究が大きな潮流となりました。メディア学部の得意分野であり、視覚に訴える動画やアニメーションを活かしやすいという理由によるものです。
IMP時代の過去の卒研テーマをあらためて調べたところ、発足時の2006年度から2018年度まで、毎年1〜2件の聴覚障がい児・生徒の支援に関するテーマがありました。これらはいずれも、近隣のろう学校の協力(/監修)を得て行ったもので、実際の授業でも活用して一定の学習効果を確認しています。
なお、この十数年の研究の中でも、対象や学習課題は少しずつ変化しました。前期・中期・後期と分けるならば、前期(2006〜2009)は、ろう児・生徒対象の日本語文法に関する学習課題が中心でした。次の中期(2010〜2013)は、発達障がいを抱える聴覚障がい児を主対象とし、学習課題は語彙強化や助詞理解としました。最後の後期(2014〜2018)は、算数障がい(算数困難)を抱える聴覚障がい児を主対象とし、学習課題は算数計算や文章題克服としました。
冒頭で述べた通り、社会は共生の時代に入っています。皮肉にも現在、迷惑千万な新型コロナウィルスがそのことを突き付けています。ポストコロナ時代の教育・学習環境のイメージがまだよく見えていませんが、IMPに代わって本年度(2020年度)より始動したSmart IM(Smart Instructional Media)においても、障がい児・生徒の学習支援を卒研生とともに推進できればと思っています。
(文責: メディア学部 松永)
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