夜景写真を自動的につくる研究

2020年1月17日 (金) 投稿者: メディア技術コース

大学院メディアサイエンス専攻修士2年の王 旭(おう きょく)さんの学会誌論文が採録されました。

王 旭,渡辺大地,柿本正憲,2019,昼間の都市俯瞰画像からの夜景画像の生成,画像電子学会誌,48(3),375-384

都市の建物群を撮影した写真一枚から、同じアングルの夜景写真を自動計算で生成するという研究です。

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この分野は一般に画像のスタイル変換と呼ばれ、近年盛んに研究されています。AIによる画像認識はすっかり世の中に定着しています。画像のスタイル変換にもAI技術が使われます。

ただ、夜景画像は特殊で、昼間には存在しなかった膨大な数の細かいけど明るい光が現れます。これは一般的なスタイル変換では扱いにくい対象です。今回の研究ではAIの手法は使わず、建物群の遠景画像を徹底的に分析し推定する方法を選びました。

例えば、道路付近の街灯や店の灯りや車のヘッドライトなどが高層ビルを下から照らす効果も入れています。また、最終的に描画する細かい光は、色の種類が現実世界と同じような割合になるように工夫しています。1000枚近い既存の夜景写真を分析した結果です。

現在、このような分析的な手法ではなく、日々進歩しているAIの技法をうまく使えるような手法を研究中です。成果が楽しみです。

メディア学部 柿本正憲

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