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2008年03月03日

夜の朝顔 豊島ミホ

夜の朝顔

×ばつ学校=楽しい」があるのかもしれない。この作品について豊島ミホさんのブログより
「誰にとっても小学校時代のアルバムになるように」というコンセプトで編んだ連作短編集。
若干頑固な女の子・センリを主人公に、1年生から6年生まで7編書いている。
子どもの話でありながら、明るくすこやかでは全然ない。
小学校の話なんだけど、あったあったと共感を覚えずにはいられない。読書が思い出の回想で止まってしまう恐れあり。

年上のお兄さん
ちっちゃい女の子が年上のお兄さんに面倒みてもらってると
最後に洸兄が「セン、はい」と私の手の中にくれた。そんなちっちゃいことが嬉しい。(p.25)
ってなっちゃって、年上のお兄さん大好き〜なんて発想がしっかりある。女の子が大人になっても、年上でしっかりした男がいいという願望ってもう子供のうちからあるんだろうか。男の子は優しくて甘えさせてくれるお姉さん、女の子は優しく守ってくれるお兄さんが大好きな感情は、小さい頃からもってる。結局、大人になってもあんまり変らないのかな。けど、ロリコンってどのタイミングで発生するんだ?

夏休みの日記
小学校のとき僕はまったく書かなかった。夏休みの終わりの日に、慌てて思い出しながら書いてた。毎日コツコツ書けなかった理由はこれだよ!と思った。
洸兄が来た日から、一行日記が白いままなのを思い出す。遊び疲れて何も書かけなかったのだ。(p.29)
あれを書かせる意味ってあるのかな。

バレンタイン&恋
最後の二篇「先生のお気に入り」と「夜の朝顔」は最強です。「先生のお気に入り」はバレンタイン+友達との確執の話で、あぁ、女の子ってこういう部分で大変なんだよねーと妙に納得してしまう。そして、なにより、この気持ちって恋なの?と自問する女の子の話が「夜の朝顔」。微笑ましい話過ぎっ。恋をすると女の子はカワいくなるのは間違いない。だって、白い櫛を買いにいくんだもの。まさに乙女心。
−−−違うの。私、悔しくて泣いてるの。
それを言いたくても声がでなくて、ただ蒸気になりそうな熱い涙が勝手に湧き出るばかりだった。
香一郎にだけはわかって欲しい。怒鳴られて泣いてるんじゃない、そんな女々しい子だと思われたくない。(p.191)
せつなーい!!と絶対叫びたくなります。子供心がどんどん甦ってきちゃいます。




大人になっても子供のような純真さを忘れたくないものです。

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