2008年02月27日
ブルースノウ・ワルツ 豊島ミホ
ブルースノウ・ワルツ
やってきました、(僕のもっとも好きな作家の一人である)豊島ミホさん作品。文庫になるまで待ってられるか〜!!ということで、ハードカバーにも手が伸びてしまいました。この作品は、デビュー作の「青空チェリー」の次の次(?)出た本です。本作品には、「ブルースノウ・ワルツ」と「グラジオラス」の二篇が納められています。
やってきました、(僕のもっとも好きな作家の一人である)豊島ミホさん作品。文庫になるまで待ってられるか〜!!ということで、ハードカバーにも手が伸びてしまいました。この作品は、デビュー作の「青空チェリー」の次の次(?)出た本です。本作品には、「ブルースノウ・ワルツ」と「グラジオラス」の二篇が納められています。
ブルースノウ・グラス
豊島ミホさんのブログに紹介文があります。
内容は、確かに現代じゃないしなんとなく不思議な感じで、結局その世界に入りこむ前に物語りも終わってしまって、なんとなく不完全燃焼感があった。
けど、楓にはばっちり女の子のおセンチが随所に見られます。
そういうことを踏まえつつ、「タイムカプセルのこと(あとがきにかえて)」を読んで欲しいなー。
グラジオラス
こっちは、豊島ミホさんのよさの真骨頂というべき恋愛もの。片想い!!しかも、もうどうすることもできない片想い(相手は死んでいる)。
そう一方的な片想いで、しかも、自分と相手にかかわりあいが特にない場合、こういう方向に思考が陥る可能性がよくある。(「きりお」は片想いの相手)
昔の片想いから抜け出せない言い訳はまさに
で、物語は、「イチト」と出会う。そして「終わらない片想い」と「新しい出会い」で揺れ動いていく心情がつづられている。で、どっちが勝ったのかは、僕にはわからなかった。
恋の道は一方通行ならどこへでも繋ぐことができる。
豊島ミホさんのブログに紹介文があります。
貴族の娘・楓の家に、山で育った野生児が同居することになるファンタジー中編。
『アヴェロンの野生児』を下敷きにしている。
内容は、確かに現代じゃないしなんとなく不思議な感じで、結局その世界に入りこむ前に物語りも終わってしまって、なんとなく不完全燃焼感があった。
けど、楓にはばっちり女の子のおセンチが随所に見られます。
麻亜子も至も、自分の成長を喜んだだろう。大人になって、綺麗になって、お嫁に行けば万々歳だろう。けれどもそこに、何があるというのか。ともあれ、この話は「子供の大人との戦い」でもある。あんな大人なんかになりたくない!なんていう気持ちもあるし、今を大切にしたいとか、そういったことを楓は思う。大人になってしまった自分への戸惑いとか、いろいろ詰め込まれてる。そして、子供の代表が「ユキ」であり、敵である大人の代表が「麻亜子」でもある。物語はそんな単純に二項対立になってるわけじゃないんだけど。
そういうことを踏まえつつ、「タイムカプセルのこと(あとがきにかえて)」を読んで欲しいなー。
八歳の自分に宛てて、あの手紙の返事を書くなら、やっぱり「バーカ!!」と思いながら書くだろう。豊島さん面白すぎ。
グラジオラス
こっちは、豊島ミホさんのよさの真骨頂というべき恋愛もの。片想い!!しかも、もうどうすることもできない片想い(相手は死んでいる)。
そう一方的な片想いで、しかも、自分と相手にかかわりあいが特にない場合、こういう方向に思考が陥る可能性がよくある。(「きりお」は片想いの相手)
きりおは消えなかったことにしよう。だって、消えた証拠なんてないんだもの。もしもきりおが死んでいなかったとしても、どうせ私の傍にいるわけじゃないんだもの。届かないことに変わりない、触れられないことに変わりない。なんだかんだで、自分を肯定しちゃう。片想いは止まらない。
昔の片想いから抜け出せない言い訳はまさに
死んだ人間を頭の中で生かしたって、現実は何も変わらない。でもそんなことは承知の上で、私はきりおを生かしてきた。だって私の日々の中で、光を持つのはきりおだけだったんだもの。そのきりおを失くして、私は何を頼りにしたらいい?何もない。でしょう。思い出なんかにしたくない、一緒に生きている。いやはや、これは片想いから脱出できない。
で、物語は、「イチト」と出会う。そして「終わらない片想い」と「新しい出会い」で揺れ動いていく心情がつづられている。で、どっちが勝ったのかは、僕にはわからなかった。
恋の道は一方通行ならどこへでも繋ぐことができる。