アフリカ Africa 2018年11月

* 新聞記事は、ウェブサイトへの掲載期間が限られています。ウェブで見あたらなくなったら縮刷版、専用データベースなどで内容を確認してください。

* 幅広く多種多様な情報を紹介しています。情報源、情報が発せられた状況などに留意しながら活用してください。

* 一部記事についてはもう少し詳しく紹介できます。関心を持ったら、saito@ajf.gr.jpへ連絡下さい。

東京アルビニズム会議

日本財団では以下のとおり「東京アルビニズム会議」(参加費無料)を開催します。

お昼にはジャズ・パフォーマンス、http://albinism.ohchr.org/story-connie-chiu.html

夜は写真展White Ebony、https://mail.google.com/mail/u/0/?tab=wm#search/%E6%96%89%E8%97%A4%E3%80%81%E5%8D%94%E8%AD%B0%E4%BC%9A/LXphbRLrghxkrJntSnwzTQDRnHPKvQDSXKQJSBdqXZg

も予定しています。

皆さまのお越しをお待ちしています。

【日時】11月9日(金) 9時より終日 (受付:8時半開始)

【場所】日本財団ビル 案内図

【主催】日本財団

【プログラム】※(注記)日英同時通訳付き

■しかく09:00〜オープニング
日本財団会長 笹川陽平、
日本アルビニズムネットワーク 矢吹康夫 立教大学助教
国連独立専門家 イクポンウォサ・イロ

■しかく09:40〜セッション1
現実:我々の体験(タンザニア、マラウィ、モザンビーク等)

■しかく12:10〜
アルビニズムのジャズミュージシャン Connie Chiuによるライブ・パフォーマンス

■しかく13:45〜セッション2
政府の関与、法的およびその他の手段(ナイジェリア、南アフリカ、ケニア)

■しかく16:15〜セッション3
取組の推進と持続性の構築

■しかく17:30〜
写真家Patricia Willocqによる写真展「White Ebony」レセプションパーティー

【申込】
11月8日18時まで に以下のサイトよりお申込みください(参加費無料)
お申込はこちらから:
申し込みフォーム

【お問合せ】
お申込に関するお問合せ:日通旅行株式会社 総合営業部 担当:大村(03-3573-8344)
会議に関するお問合せ:日本財団 特別事業運営チーム 伊藤京子(080-4131-9947)

アルビニズム(眼皮膚白皮症)は、メラニン色素合成の減少や欠損が原因で生まれつき色素が薄くなる遺伝病です。http://www.nanbyou.or.jp/entry/4492

サハラ砂漠以南のアフリカの国々では、迷信により呪術に使用する目的でアルビニズムの人たちの身体の一部が切断されたり、殺害されたりするなどの事例が数多く報告されています。こうした状況を受け、解決に向けた取組を国連などが進めています。

本会議は、日本財団がイニシアティブをとり国連の協力を得て開催するアフリカのアルビニズム問題についての日本初の会議です。タンザニア、マラウィ、モザンビーク、ナイジェリア、南ア、ケニアからのアルビニズム当事者や支援団体の代表、法律や教育の専門家が出席する予定です。

* プログラムは変更となる可能性があります。詳しくは担当者までお問い合わせください。

* お申込みに際しご提供いただく個人情報については、東京アルビニズム会議に関し申込み内容の確認など会議運営のため使用し、法令に基づく場合など、正当な理由がある場合を除き、第3者に開示提供いたしません。

アフリカにおけるマラリアの現状−WHOの報告書で明らかになった重要な数字−

11月19日、WHOはマラリアに関する年間報告書を発行した。2017年と比較し、発症者数はほとんど変化なく、いくつかの大陸では減少している様子だが、アフリカは依然として最もこの疾病に苦しんでいる。

WHOが11月19日(月)に発行した本報告書には、憂慮すべき内容が記載されている。公式発表の冒頭で、同機関の事務局長を務めるTedros Adhanom Ghebreyesus医師は「全世界が、マラリアをめぐる新たな現実に直面しています。つまり、この疾病についてあまり進展が見られないため、これまでに投入した労力や資金を無駄にするおそれがあり、また苦しむ人々を減少させるには、かなりの時間を要するおそれがあるということです。」と警鐘を鳴らした。

2015年から2017年に関するデータでは、全世界におけるマラリアの発症者数減少に向けた実際の進展状況を強調することはなかったが、今回の報告書は、昨年の様子に紐づけられた進捗を明らかにしている。すなわち、2016年から2030年のマラリアに対する技術的戦略の基本目標である「2020年までに、マラリアによる患者数と死亡者数を40%減少させる」取り組みを達成するのは、困難ということだ。

WHOは、2017年に2億1900万人の発症例を調査したが、同時期に43万5000人がマラリアで命を落とした。特にアフリカは、今でも最も被害を受けている地域である。以下、同地域の概観を記す。

・92%はアフリカでの症例

WHOが全世界で行った調査によると、マラリアの発症者数は、2016年の2億1700万人と比較し、2017年には2億1900万人と、若干増加した。そのうち92%はアフリカでの発症者であり、2億人がこの疾病の被害者となった。この数字は、東南アジア(5%)や東地中海地域(2%)と比べても、桁はずれである。

・47%は4カ国での発症者

2017年における発症者の80%は、サハラ一帯のアフリカ地域にある約15カ国とインドに集中した。全体の47%はアフリカの4カ国によるものだ。その内訳は、ナイジェリア(25%)、コンゴ民主共和国(11%)、モザンビーク(5%)、ウガンダ(4%)となっている。

インドの割合は、4%となっているが、猛威をふるうアフリカの国々と対象的に、2016年から2017年にかけて24%減少した。

・死亡者の93%はアフリカに集中

世界的レベルで見ると、マラリアによる死亡者数は、2016年の45万1000人から2017年は43万5000人と、若干の減少傾向にある。2010年には、推定60万7000人という数字であった。

しかしながら、アフリカだけで死亡者の93%を占めている。前向きなきざしとすれば、2010年から17万2000人減った死亡者数の88%は、アフリカ地域での減少によるものだ。

・死亡者の半数はアフリカの6カ国に集中

マラリアによる死亡者数の49%は、アフリカの6カ国に集中している。ナイジェリア(19%)、コンゴ民主共和国(11%)、ブルキナファソ(6%)、タンザニア連合共和国(5%)、シエラレオネ(4%)、ニジェール(4%)、以上6カ国である。

・22億ドル

WHOが報告書で指摘した重要な懸念事項の1つが、投入資金額の減少だ。マラリアの拡大防止そして根絶のため、同疾病に苦しむ国々の政府と協力国によって、全体で31億ドルの資金が投入されており、この数字は2016年と比較し、若干増えている。予算のうち、年間で22億ドルがアフリカに、3億ドルが東南アジアに費やされた。12億ドルの資金を投入したアメリカは、最も重要な出資者だ。WHOの専門機関は、「マラリア対策のため、たとえ2010年から比較的安定した資金調達があると言っても、2017年における投資額は、必要とする基準にとても届くものではありません。」と話している。

・コンゴ民主共和国では投入資金が95%減少

マラリアの被害を最も受ける41カ国のうち24カ国は、対策費用の多くを国外の資金に依存している。1人あたりに対する平均投入資金額は、2012年から2014年の期間と比較し、2015年から2017年の期間で減少した。減少額が最も大きい地域はコンゴで95%、最も小さい地域はウガンダで1%となっている。

・アフリカでは住民の50%が蚊帳の中で眠る

WHOの報告書によると、マラリア感染のおそれがあるアフリカ地域で、住民の50%は殺虫剤を染み込ませた蚊帳(MII)の中で眠るということだが、2010年の数字は29%であった。その代わり、住宅内部に殺虫剤を噴霧するという予防方法は減少し、2010年に8000万人がこの対策を講じていたのに対し、2017年は6400万人に減った。 WHOは、「マラリア対策として、これらの処置や道具を利用する」だけでは「不十分である」ことを問題視し、「抗マラリア薬や蚊に対する殺虫剤などで対抗しても、マラリアは発生し、今後も感染拡大のリスクが考えられる。」と警告している。

・ルワンダでは43万6000件の症例数が減少

今回、数少ない前向きな報告事項として、ルワンダとエチオピアでは2016年と比較しそれぞれ43万6000件と24万件という発症数の減少があった。WHOが掲げる目標達成までは遠いとしても、このような地域で、マラリアをめぐる状況が進展している証拠である。【参考訳:Y. Hirayama、AJF】

Paludisme en Afrique : les chiffres clés du rapport de l’OMS