アフリカ Africa 2013年7月

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アフリカの電力整備に7000億円出資 米大統領が表明

nikkei.com

2013年7月1日 10:21

アフリカ歴訪中のオバマ米大統領は6月30日、南アフリカのケープタウン大で演説し、アフリカのさらなる成長に向けた電力整備のため、米政府が70億ドル(約7千億円)を出資すると表明した。米国で来年、サハラ砂漠以南(サブサハラ)のアフリカ諸国の首脳を集めた初めての会議を開くことも明らかにした。

オバマ氏は「アフリカは発展している」と語り、米国の対アフリカ関係は「援助」から「協調体制」に移行していると指摘。一方、サブサハラでは人口の3分の2に電気が供給されていないとし、今回の支援で供給人口を2倍にすると言明した。

米政府によると、支援は今後5年間行い、対象国はエチオピアやガーナ、ケニア、ナイジェリアなど。オバマ氏は気候変動対策として、クリーンエネルギーの普及も支援すると述べた。

オバマ氏は、尊敬する入院中のネルソン・マンデラ元大統領(94)を「1人の勇気が世界を変えられることを示した」とあらためて称賛。アフリカ人の60%が35歳以下と指摘し、アフリカの若者に「未来を決めるのは君たちだ」と呼び掛けた。

年内に大統領選が予定されているジンバブエに対し、自由で公正な選挙の実施も求めた。

ケープタウン大では、故ロバート・ケネディ元米上院議員が1966年、公民権運動や南アのアパルトヘイト(人種隔離)政策などについて演説。オバマ氏は、約50年後に黒人の米大統領が同じ場所で演説するとは誰も想像できなかっただろうと述べた。(プレトリア=共同)

オバマ米大統領、アフリカの電力普及を支援 7千億円規模

cnn.co.jp

2013年07月01日 Mon posted at 15:01 JST

(CNN) アフリカ歴訪中のオバマ米大統領は6月30日、南アフリカのケープタウン大学で講演し、アフリカ諸国に電力を普及させる事業に対し、米国から今後5年間で計70億ドル(約7000億円)を出資する計画を明らかにした。

米ホワイトハウスによると、「パワーアフリカ」と名付けたこの事業には、米海外民間投資会社(OPIC)が15億ドル、米輸出入銀行が50億ドルの資金を提供する。

サハラ砂漠以南のアフリカ諸国では現在、電力を利用できない人が全人口の約3分の2、農村部人口の85%以上を占めている。2030年までに全域に電力を普及させるためには3000億ドルを超える資金が必要とされる。

オバマ大統領は講演で「電力の普及は機会均等の基本」「暗闇を照らす明かりとして、人々を貧困から救い出すエネルギーとして、電力が必要だ」と語った。

対象国としてはエネルギー事業に意欲を示すエチオピア、ケニア、リベリア、ナイジェリア、タンザニア、ウガンダ、モザンビークの各国が検討されている。

アフリカへの投資では近年、中国が米国をしのぐ勢いを示しているが、オバマ大統領は中国の関与を歓迎すると述べ、「脅威は感じていない」と強調した。

オバマ大統領は同日、マンデラ元南ア大統領がかつて収監されていたロベン島も訪問した。

[FT]オバマ大統領、遅くて消極的なアフリカ訪問

nikkei.com

2013年7月2日 7:00

(2013年7月1日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

歴史は繰り返さないが、まるで韻を踏むような偶然が起きることがある。オバマ大統領の、大統領としては事実上初めてのアフリカ訪問が、ネルソン・マンデラ氏が生涯を閉じる瞬間に重なるシナリオを描けた人はいないだろう。不気味なほどの巡り合わせだ。南アフリカ最初の黒人の大統領が舞台を去ろうとする時、米国初の黒人の大統領が登場する。自由を求めて戦い続けた偉人を「私のヒーロー」と語るオバマ氏の言葉に偽りはないだろう。

それでもアフリカ各国が、オバマ氏のアフリカへの注目がどのくらい続くか懐疑的なのは仕方がない。オバマ氏が1期目にアフリカ大陸を訪れたのは2009年。ガーナに20時間立ち寄っただけだった。今回、オバマ氏は6日間滞在。米・アフリカ関係が新しい段階に入ることをはっきり示すはずだった。諸外国がアフリカを援助する時代はもう終わろうとしていると、米国の政府高官は指摘する。世界で経済成長が著しい上位10カ国のうち7カ国はアフリカの国々だ。ところが、新規投資の機会をつかんでいるのは中国だ。さらにトルコやブラジル、インドも勢力を拡大している。オバマ氏もこの機を逃すべきではない。

■しかくはっきりしないオバマ氏のアフリカ戦略

オバマ氏の仕事のスタイル、特に外交の手法を見ると、彼の関心が持続するという確信を得るのは難しい。強い関心を寄せ続ける中国を除くと、オバマ氏はまず現地に入り、立派な演説をして高尚な目標を掲げておいて、次の事柄に移ってしまう。潜在的な中東戦争に直面していたり、その他の幾千という頭痛の種を抱えていたりする米国大統領としては、当然の態度かもしれない。だからこそ、他国に対するはっきりした戦略を打ち出す必要がある。ところが、オバマ氏はアフリカでの戦略がはっきりしない。中東に関しても同じだ。

問題があるか? と聞かれたら、もちろんイエスと答える。地政学は長期戦だ。クリントン元大統領は、アフリカ成長機会法を推進し、対象となるアフリカの国の輸出企業に対して米国市場での関税を撤廃した。また、ブッシュ前大統領は、大統領によるエイズ救援のための緊急計画を打ち出し、アフリカで数十万人のエイズウイルス(HIV)患者の命を救った。どちらも派手ではないが持続性のある計画だった。オバマ氏はこれら2つの計画を引き継いでいる。しかし彼自身が打ち出した方針はない。

アフリカ各国が次の新興市場として名乗りをあげてきたのは、まさにオバマ政権の時期に重なる。それなのに、オバマ氏がアフリカに費やした時間の9割は、治安悪化が深刻なサハラ砂漠南部のサヘル地域やマグレブ地域、ソマリアなどの「アフリカの角」と呼ばれる地域まで広がるテロ対策の作戦一色だ。

先週、米国政府はニジェールに無人機の基地をつくると発表した。マリやイエメン、ソマリアの一部では、米国の無人機はパキスタンの部族地域と同じように見慣れたものになっている。米調査機関ピュー・リサーチ・センターによると、セネガル人の81%が米国を支持しているという。セネガルは圧倒的なイスラム国家であり、この数字は驚異的だ。米国はアフリカ大陸の北部3分の1の国々へのかかわりが「パキスタン的」にならないよう注意すべきだ。無人機を投入しても、アフリカに真剣に取り組んでいることにはならない。

■しかく膨らむ中国との貿易

第2に挙げるのは、中国がすでに長期戦に臨んでいる点だ。アフリカでは(加えて、中南米や中央アジアでも同様だが)、中国の商業至上主義的な手法に、不満が噴き出している。中国の新植民地主義だと批判する声さえ聞こえる。というのも、中国は原材料を手に入れて、完成品をアフリカに輸出しているからだ。こうした批判はあたっているかもしれないが、中国は突然現れたわけではない。

国連貿易開発会議(UNCTAD)によると、中国からアフリカ製造業への投資額は農工業産品への投資額にほぼ等しい。中国・アフリカ貿易は2000年から12年までの間に10倍に膨らんで1700億米ドル近くに達している。これは米国・アフリカ貿易の2倍の規模だ。中国はサハラ砂漠以南のアフリカ地域に150人以上の商務官を配置しているが、米国はたったの6人だ。

オバマ大統領の任期1期目の間、胡錦濤国家主席(当時)はアフリカを7回訪問した。3月に国家主席の座を引き継いだ習近平氏は、就任から数週間のうちに、アフリカ3カ国を歴訪した(そのうち2カ国はオバマ氏も訪問しているタンザニアと南アフリカだ)。多国間融資機関の関係者によれば、アフリカは、彼らのアドバイスを聞くよりも、中国の説教くさくない投資を選ぶようになりつつある。

昨年、オバマ氏は、ナイジェリア財務相で世銀のベテラン、ヌゴジ・オコンジョイウェアラ氏を世界銀行総裁に任命することで、アフリカにおける世銀の正当性を回復する選択肢もあった。オバマ氏は、米国はまだ世銀から手を離す時期に来ていないと判断し、韓国系米国人のジム・ヨン・キム氏が総裁に就任したが、機を逸したといってもキム氏には失礼にあたらないだろう。

■しかくアジアとアフリカの「統合外交」を期待

政権2期目のオバマ氏、アジア重視への転換を実行することになる。しかし、故リチャード・ホルブルック氏のもとで国務省補佐官を務めたヴァリ・ナスル氏が指摘するように、中国はアフリカを含む世界中に軸足を展開している。

米国が中国の封じ込めを目指すにしても関与を目指すにしても、あるいは中国にかかわり続けようとするにしても、勝負の舞台は全世界だ。無人機や4年に1度の訪問などでは、長期的関係を構築する地道な作業はできない。オバマ氏はアフリカ大陸では出遅れた。オバマ氏の大アジア戦略にもつながるアフリカへの新しいアプローチを期待したい。アジア地域とアフリカ地域の統合外交とでも呼ぼう。任期はあと4年近く。実行する時間は残っている。

By Edward Luce

asahi.com 2013年07月08日20時41分

法王、移民船が漂着する島へ 貧者救済の姿勢アピール

【ローマ=石田博士】ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王は8日、アフリカからの移民船が多く漂着するイタリア南部ランペドゥーサ島を訪れた。歴代ローマ法王の同島訪問は初めて。3月に就任した法王にとっても初の外遊で、「貧者救済」の姿勢をアピールした。

法王はまず沿岸警備隊の巡視艇で海に出て、航海中に亡くなった犠牲者を追悼した。港では、キリスト教徒もイスラム教徒もいる移民たちに「ここにいない人のためにも、みんなで祈ろう」と声をかけた。

ミサでは「海で多くの移民が死亡した、という新聞記事を読み、胸を痛めた。二度と繰り返してはならない、という意識を喚起したいと考えた」と語った。「現代文明の中で、私たちは他者の叫びに冷淡になっている。『無関心』のグローバリゼーションがもたらされている」とも訴えた。移民を受け入れている島の住民を「皆さんは団結の模範だ」とたたえた。

人口5千人の「国境の島」には、毎年1万人以上が地中海を挟んだ対岸のアフリカから欧州を目指してたどり着く。「アラブの春」によってリビアで激しい内戦があった2011年には5万人が押し寄せた。この日の朝も、1隻のボートに乗った166人が保護された。

ただ、島に着く前に亡くなる例が後を絶たない。古びた小型の釣り船に数百人がぎっしり詰め込まれているためだ。難破で水死したり、船内で暑さや水不足などのひどい環境のために亡くなったりしている。

内務省によると、イタリアには今年、6月末までに約8千人の移民が船で漂着した。そのうち約3700人がランペドゥーサ島に着いた。

アフリカ域内貿易、11年13兆円 01年の4倍、国連調べ

nikkei.com

2013年7月12日 2:00

【ミラノ=原克彦】国連貿易開発会議(UNCTAD)は11日、2013年の「アフリカ経済開発報告書」を発表した。アフリカ域内の貿易額は経済成長を受け11年に1300億ドル(約13兆円)と01年の約4倍に拡大した。アジアなど他地域と比べてなお小さい域内貿易を促進するため、インフラ整備や資金調達面で民間企業を後押しする必要があると提言した。

アフリカ域内の貿易額は伸びているものの、各国の輸出額全体に占めるアフリカ圏内への輸出は11%(07〜11年の平均値)にとどまる。域内への輸出は中南米で21%、アジアでは50%にのぼる。その分、アフリカは域内貿易による活性化の潜在力も大きいという。

報告書は短期的に成果を上げられる取り組みとして、農業開発の強化を挙げた。アフリカは耕作可能な世界の土地の27%を占めるものの、現状では37カ国が食料の純輸入国で、アフリカ外からの輸入が多い。

製造業の成長による貿易品目の拡大も欠かせないとしている。アフリカの域内総生産に占める製造業の割合は10%と東アジア・太平洋地域の35%や中南米の16%よりも低い。「自動車や家電製品をアフリカ外からの輸入に頼る問題は、自力生産に切り替えるチャンスにもなる」と分析した。

ジュネーブで記者会見したスパチャイ事務局長は「アフリカは企業の規模の小ささやインフラの弱さが欠点」と指摘した。例えばアフリカ中部での貿易財の輸送費は西欧の2倍、パキスタンの5倍。道路などインフラが整えば企業の輸送費を抑制できる。

中小企業の資金調達の問題にも言及し、信用情報の流れを円滑にする機関の創設を提唱。そのうえで「研究開発や職業訓練を通して企業の供給能力を高めるべきだ」と述べた。

ある日本製品、アフリカ女性に大人気...新工場も

アフリカ諸国での女性用ウィッグ(おしゃれ用かつら・付け毛)需要の増加を受けて、材料となる人工毛髪繊維を製造するカネカと電気化学工業の国内2社が工場新設などで増産を続けている。

ウィッグの需要が毎年10%〜15%増の勢いで伸びているためだ。両社は世界市場の6割超のシェア(市場占有率)を確保しており、さらなる需要開拓のため、ウィッグ製造業者や消費者へのおしゃれ提案などにも力を入れ始めた。

世界2位の電気化学工業は今月2日、約30億円を投じたシンガポール新工場の稼働を始め、生産能力を年1万トン強(ロングヘアのかつらで2700万個相当)から約2倍に引き上げた。10年前は年産5000トンを大きく下回っていたが、ここ5〜6年で販売が急増。既存工場の設備増強を繰り返した。

最大手のカネカも年約6万トンまで生産能力を拡張してきたが、さらに新工場の建設を検討している。

ウィッグ需要が増えているのはケニアやナイジェリアなど、8億超の人口を持つサハラ砂漠以南のアフリカ諸国だ。2000年以降、豊富な資源生産を背景に、年平均5%台の経済成長を続けている。

黒人女性の間では、ウィッグでストレートヘアやカラフルな編み込みなど様々な髪形を楽しむおしゃれが人気で、アフリカでも所得水準の向上で流行が爆発した。正確な統計はないが、現在、世界のウィッグ需要は年10万トン規模で、6割以上がアフリカ、北米がその半分程度だという。

両社の繊維を使った製品は付け毛で400円前後と人毛製の半額程度。しなやかさと発色の良さで、ウィッグ製造業者に人気だ。

(2013年7月16日09時53分 読売新聞)

女性器切除、世界で1億2500万人以上に被害 ユニセフ

cnn.co.jp

2013年07月25日 Thu posted at 18:23 JST

(CNN) 国連児童基金(UNICEF)は25日までに、アフリカや中東の29カ国などで1億2500万人以上の少女や女性が「性器切除」の被害を受けているとの最新報告書を発表した。

この風習を止める努力を拡大しなければ今後10年間で約3000万人の少女が同じ被害に遭遇するとも警告した。ただ、29カ国のうちの半数以上でこの風習が減少しているとも指摘した。

報告書は女性性器切除の問題を初めて本格的に調べたものとされ、この風習の背景には男性のみならず女性の間にも純潔を尊ぶ強い社会通念などがあると分析。アフリカ諸国の大多数はあらゆる年代での女性性器切除を禁じる法律を制定しているが、一部の地域社会では、宗教的な決まり事や伝統的なならわしとして受け止められていると述べた。

ソマリアやエリトリア、ニジェール、ジブチ、セネガルでは少女5人のうち1人以上が切除や縫合の被害を受けていた。ケニアやタンザニアでは、45〜49歳層の女性は15〜19歳層の少女より3倍程度多く切除を受けた可能性があった。

ベナン、中央アフリカ共和国、イラク、リベリア、ナイジェリアでは10代の少女の被害は45〜49歳層に比べ約半分程度とみられた。

この風習が依然広範に残るものの、減少したのはブルキナファソ、エチオピア、エジプト、エリトリア、ギニア、モーリタニアやシエラレオネだった。被害が少女や女性100人のうち1人だったのはカメルーンとウガンダ。

一部の少女は赤ちゃんの時期に被害を受けていた。

切除を被っている少女らの正確な人数は不明だが、世界的に見た場合、被害が出ている国は減っているとも説明。国連は、女性性器切除は深刻な健康被害を及ぼす恐れがあるとし、人権侵害の行為ともみなしている。国連総会は昨年12月、切除廃止へ向けた国際的努力の強化を促す決議を採択していた。

同報告書は、切除は多くの国の場合、イスラム教徒の少女や女性の間で目立つが、他の宗教を信奉する社会でも見いだされると述べた。

また、今回調査の対象となった大部分の国の少女や女性の大多数は、性器切除の恩恵などは感じておらず、廃止を支持していると主張。より多くの母親は切除は娘の死につながりかねないことを知っており、この受け止め方は以前と比べ重要な進展と指摘した。

ただ、母親の多くは地域社会の習慣の尊重に迫られ、娘の性器切除に同意しざるを得ない状況にあると分析。切除根絶への努力は個人的な態度の変更を促すより、地域社会全体の認識を変える方向に注ぐべきであることを示唆した。