アフリカ Africa 2013年12月

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アフリカ開発会議、19日に官民会議

nikkei.com

2013年12月3日 18:43

政府と経済界が日本企業の進出に結びつくアフリカ支援策を意見交換するアフリカ開発会議(TICAD)官民円卓会議の初会合が19日に都内で開かれる。政府側は外務、経済産業、財務各省や国際協力機構、日本貿易振興機構など、経済界は経団連や経済同友会などが出席し、アフリカのインフラ整備計画づくりの支援策などを協議する。

豊田通商、アフリカ進出の日本企業を支援

2013年12月11日 2:00

日本経済新聞 電子版

豊田通商の加留部淳社長は10日、日本経済新聞社に対し、2012年末に子会社化した仏商社CFAOとの協業を通じて「アフリカに日本製品を仲介する"窓口"事業を進める」考えを示した。アフリカ53カ国に販路を持つ強みを生かし14年をメドに日用品や産業用機械などを卸していく。同地域の成長期待が高まるなか、遅れている日本企業の進出を後押しする。

CFAOはアフリカ西部を中心に自動車や医薬品販売事業を展開。物流や市場調査で日本企業にはない独自のノウハウを持つ。加留部社長は「世界シェアで3位内に入る製品を持つ日本企業に声をかけ、アフリカの需要に合致しているか調べている」と述べ、仲介企業や商品の最終的な絞り込みを始めていることを明らかにした。

事業規模は「個人的には仲介業務で年間10億円の利益を出せるようにしたい」と発言。商流面のほか、製品の現地生産を望む企業への支援も検討するとした。12年のアフリカ圏の貿易額は日本の約290億ドルに対し、中国は約1670億ドル。日本政府も資源投資やインフラ輸出などで日本企業進出を後押ししている。

外相、北西アフリカ諸国に2400万ドル支援表明

nikkei.com

2013年12月17日 19:46

岸田文雄外相は17日、都内で北西アフリカのアラブ圏「マグレブ」諸国の閣僚らと会談し、約2400万ドルの新たな支援を準備していると表明した。邦人の犠牲者も出た1月のアルジェリア人質事件を踏まえ、テロ対策で支援を続ける考えを示し、各国に協力を強く求めた。

世銀、最貧国支援に5.3兆円増資 46カ国が拠出表明

nikkei.com

2013年12月18日 9:59

【ワシントン=共同】世界銀行は17日、最貧国を支援する世銀グループの国際開発協会(IDA)の資金基盤を強化するため、総額520億ドル(約5兆3千億円)の増資で参加国が合意したと発表した。

記者会見で世銀のキム総裁は、増資額が過去最高の規模になったとし「支援国の多くが経済的な困難に直面している中、協調姿勢は非常にありがたい」と謝意を示した。

増資は3年ごとで今回が17回目。46カ国が拠出を表明した。増資総額は前回より約5%増えたが拠出国は5カ国減った。参加国名や国別シェアは来年3月に公表される。

IDAは無利子融資や無償援助を通じてアフリカなどの最貧国を支援する。今回の増資で紛争地域への支援や気候変動対策を強化するという。

アフリカ投資で初の官民会議「投資協定を」

NHK

12月19日 22時54分

アフリカへの日本企業の投資を促すための方策について、関係省庁と民間企業が意見を交わす「官民円卓会議」の初会合が開かれ、企業側から、投資リスクを抑えるため、各国との投資協定の締結を急ぐよう求める意見が出されました。

政府は、ことし6月に横浜市で開かれたTICAD=アフリカ開発会議で、日本企業の投資拡大を目指す宣言をまとめるなど、アフリカ諸国との関係強化を図りたいとしていて、来月には安倍総理大臣が、モザンビークなどアフリカ諸国を訪問することにしています。こうしたなか、投資を促すための具体的な方策について関係省庁と民間企業が話し合う、「官民円卓会議」の初会合が開かれました。この中で、政府側が「ビジネスと政府開発援助、政府間の交渉の3つを連動させ、戦略的な外交を進めたい」と説明したのに対し、企業側からは「投資リスクを抑えるためにも、各国と投資協定を積極的に締結してほしい」という意見や、現地の治安に関するきめ細かな情報提供を求める声が出されました。

また、会合では、アフリカに関する情報を集めたウェブサイトを開設することや、企業向けのセミナーを随時開くことなどを申し合わせました。

[FT]金融家、アフリカへ 経済成長に商機(社説)

nikkei.com

2013年12月19日 14:00

(2013年12月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の不正操作問題でボブ・ダイヤモンド氏が英バークレイズの最高経営責任者(Ce)を辞任してから18カ月。カムバックを狙う同氏は今週、投資家から3億2500万ドルを集めた。投資先としてアフリカの金融サービス事業を買収する考えだ。

かつての巨人が地下でくすぶったままでは終わらないとしても、一見やや辺ぴな場所を目指しているようにも思える。アフリカは金融サービスが未発達で、例えばケニアの成人の約60%が銀行口座を持たない。これに対し、英国では銀行口座がない人はわずか3%だ。

銀行はアフリカの人口密集地ではなく、富が集積する一部地域においてサービスを提供している。アフリカ大陸の大半はあまりに貧しく、コストのかかる支店やインフラを維持できないからだ。機能不全の金融機関も障害となっているが、これは最近改善されつつある。不動産登記費用が引き下げられ、今やアフリカ諸国の70%に全国的な信用管理システムが存在する。ただ、契約の履行は依然難しく、通常の支払い請求において法的費用はおよそ半額に達する。

その結果、数百万人が現金だけを頼みとするか、非公式の手段で借り入れて決済せざるを得ない状況だ。これが経済活動を阻み、多くの人々の生計をますます不安定なものにしている。

■しかく携帯電話の通話残高が決済手段に

人々は臨機応変に工夫を凝らしているが、そこに金融サービスの潜在需要があるのは明白だ。アフリカ各地で携帯電話の通話時間の残高が非公式通貨のように扱われている。電話から電話へと(通話残高を)移行する方法で個人の債務清算が可能だということに、利用者が気づいたからだ。ケニアの通信大手サファリコムはこれを正式なサービスに作り替え、通話用カードを売買する大勢の行商人は事実上の移動式銀行窓口ネットワークと化した。さらにアフリカ商業銀行と組んで利子が付く口座や小口融資も提供している。

アフリカもついに経済成長の時代を迎えると目され、新技術によるコストダウンも進む。今や世界2位の急成長を遂げている地域でチャンスをうかがう金融家はダイヤモンド氏にとどまらない。ヘッジファンドやプライベート・エクイティ(未公開株式)投資会社も先を争って案件を探している。

金融サービスの商業的野望と幅広い社会的利益が結びつく絶好のチャンスだ。とはいえ、政策担当者は起こりうる危険を警戒しなければならない。近年の歴史を見ると、金融業界が活況に沸くと、たとえ先進国の安定した金融機関であっても不適切な影響力を行使しようとする。同様の過ちでアフリカの台頭が遮られることになれば悲劇だ。第一義的には金融業を規制する責任は各国政府にあるが、世界銀行などの国際機関も、懸念される点があれば直ちに警告を発すべきだ。

金融サービス業界には悪評がつきまとうが、それでも不可欠な産業だ。外資の参入で金策に苦しむ人々が減れば、今後のアフリカ経済発展の一助となるだろう。

日立国際電気、中東・アフリカでテレビ放送設備を販売

2013年12月23日 1:01

日本経済新聞 電子版

日立国際電気はトルコ企業と提携し、テレビ放送設備を中東やアフリカで販売する。日立国際のカメラや送信機をトルコ企業が製造するテレビ局の中継車に搭載する。中東などでは通信インフラ整備が遅れており、内戦などのリポートでは中継車が使われるケースが多い。同地域で顧客を持つトルコ企業と提携し、海外事業拡大を狙う。

日立国際はトルコでテレビ局の中継車を製造・販売するブロードキャスティングアンドコミュニケーションシステムズ(BCS)社と提携する。同社は来年から日立国際のカメラなどを搭載した中継車を製造する。

日立国際の放送設備を柱とする映像無線事業の海外売上高は2012年度に約90億円だった。15年度には中東など新市場の開拓で200億円規模にしたい考えだ。

日本製車部品、模倣ストップ ー 中東で横行、アフリカに拡散? 検査強化、官民で協力

日本経済新聞

2013年12月25日

中東のペルシャ湾岸で日本の官民が自動車部品の模倣品対策に乗り出した。サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)で模倣品が見つかり、アフリカまで拡散している恐れもあるためだ。模倣品は自動車業界にとって経済的な損失となり、安全性にかかわるだけに現地当局の関心も高く、製品検査の強化などで協力する方針だ。

自動車部品で多く出回る模倣品は、オイルフィルターやエアフィルター。アラビア半島特有の砂ぼこりによる目詰まりを防ぐため、交換頻度が高いことから「摘発でフィルターの模倣品が必ず出てくる」(日本車メーカー)。エンジン部品でも本物に酷似した商標ラベルを貼って売る事例があるという。

UAEは中東最大のジュベルアリ港を抱え、アジアなどからの貨物を中東・アフリカ諸国に送り出すニーズが高い。UAEのドバイ首長国には「中古車特区」があり、隣のシャルジャ首長国では中古車の解体や部品の販売が盛んで「中国製の質の低い模倣品が増えている」(部品商)という。

このため日本企業や業界団体でつくる国際知的財産保護フォーラムは今月、サウジとUAEに訪問団を派遣。経済産業省やトヨタ自動車、日産自動車などの担当者が現地の経済官庁や税関を訪れ、日本製品の模倣品の見分け方などで協力関係を深めることを協議した。

日本側は税関職員などを招き、検査体制や法制度を知ってもらう研修の実施を打診。ユーザーの安全にかかわるため、UAEは模倣品に注意を促す啓発活動を展開しており、サウジ当局は日本側に対し協力を呼び掛けるなど現地関係者も関心を示している。

富裕層の多い産油国では欧州メーカー車の人気も高く、高級車大手の独BMWが「違法部品の増加を深刻に受け止めている。法的措置を模索している」とするなど危機意識が強まっている。

自動車部品以外でも模倣品の影響は大きい。世界税関機構の統計で、不正品の輸出元は押収品数ベースで中国が59%を占めトップ。2位が8%のUAEだ。輸出先ではサウジが首位の36%で、ワースト10に中東・アフリカの5カ国が入る。経済協力開発機構(OECD)によると世界の貿易被害額は約25兆円に上る。

対アフリカ円借款、2000億円に倍増 企業進出促す

2013年12月29日 1:03

日本経済新聞 電子版

政府はアフリカへの資金援助を拡充する。2012年の主要8カ国(G8)首脳会議での「16年までに10億ドル(約1000億円)の円借款を供与する」という約束を改め、円借款の上限を20億ドル(約2000億円)に倍増する。欧州系や中国系の企業と比べ出遅れている日系企業のアフリカ市場への進出を促し、資源確保などにつなげる。

安倍晋三首相が14年1月中旬にコートジボワール、モザンビークなどを訪問するのに合わせて公表する。日本の首相がアフリカを訪れるのは06年の小泉純一郎首相(当時)以来、8年ぶり。

アフリカへの資金援助の制度は05年に日本とアフリカ開発銀行が共同で「アフリカの民間セクター開発のためのイニシアチブ(EPSA)」を立ち上げた。日本は05年に10億ドルの供与を表明し、すでに達成した。今回の拡充によって、同制度での円借款の供与枠は計30億ドルまで拡大する。

民間企業が主導するアフリカ開発を政府が後押しする狙いだ。道路や港湾、油田開発などのインフラ関連プロジェクトでは、資金調達で日本政府の円借款を活用し、企業が発電所や工場を建てるなど官民の役割を分ける。日本企業が受注しやすいように円借款の運用ルールも見直す。

アフリカ開発銀も日本企業のアフリカ投資を後押しする制度改正を検討する。国際協力機構(JICA)と協力し、アフリカ企業と合弁会社を立ちあげる日系企業に融資できるようにする。今までアフリカ開銀が日系企業に単独融資するには条件が厳しく難しかった。

アフリカ経済は底堅い。国際通貨基金(IMF)はサハラ砂漠以南(サブサハラ)の13年の経済成長率は5%、14年も6%と高い成長を維持すると予想している。治安面の課題のほか、経済が資源価格の変動で振れやすい弱点もあるが、中間層の人口は増え続けており、市場拡大が見込める。

政府は企業がテロや災害の被害を受けるリスクを減らすために貿易保険制度も拡充する。経済産業省が1月の通常国会に貿易保険法改正案を提出する。テロや暴動などの損失補償の条件を緩和し、事業継続が不能になった場合だけでなく、事業を一時中断する場合の損失も補償する。事業中断中の逸失利益や、再開までに必要な人件費、資材の保管費などの費用負担を保険で補う。

もともとは13年秋の臨時国会に提出する予定だったが、産業競争力強化法や改正電気事業法の成立を優先して見送った。