[フレーム]
新聞購読とバックナンバーの申込み

AKBは恋愛禁止なのか、禁止じゃないのか 大きな節目となった向井地美音総監督「運営と相談、結論」投稿

[ 2022年11月21日 14:10 ]

AKB48向井地美音
Photo By スポニチ

AKB48グループ3代目総監督の向井地美音(24)が21日、自身のツイッターでグループ内の暗黙のルールとされてきた「恋愛禁止」について運営側に確認し、その見解を明らかにした。

前日20日の投稿で「今まで曖昧になっていた『恋愛禁止』というルールについて改めて考え直す時代が来た」とつづったことに関して「言葉足らずで誤解を生んでしまっているので補足させてください」と前置き。改めて運営に確認を取ったところ「AKB48グループに恋愛禁止のルールはなく、メンバーそれぞれが自覚を持って活動することで成り立っている」との説明を受けたことを明らかにした。

20日の投稿は19日に同僚メンバーの岡田奈々(25)に男性俳優との交際報道があったことを受けた反応とみられ「あなたが悲しむ姿も、あなたがファンの方を悲しませる姿も見たくなかった。こんなに近くにいて何もできなかった私にも責任があります」とつづり、「アイドルとして皆さんから頂いた愛や信用を裏切ることが起きてしまい、本当に申し訳ありませんでした」と謝罪した。

その上で「今まで曖昧になっていた『恋愛禁止』というルールについて改めて考え直す時代が来たのだと思います。運営と相談し、どのような形であれ必ず結論を報告させていただきます」と考えを表明した。

向井地のツイートはSNS上で賛否両論を生んだ。「アイドルである以上プロ意識を持つべき」「彼氏がいても隠し通せなければ終わり」とスキャンダルを非難するコメントから、「今の時代に恋愛禁止は厳しすぎる」「アイドルだって人間」と同情のコメントまでさまざまな意見が飛び交った。

アイドルにとっては異性との熱愛スキャンダルは、昭和の時代から大きなダメージとなるところは変わらないが、明確に「恋愛禁止」という四文字が使われ始めたのは、2005年に誕生したAKB48からだった。なぜ、明確に語られるようになったのだろうか。

あるベテランアイドル評論家は「実はAKB48にも、明確に恋愛禁止のルールを敷いたという歴史は1度もないのです」と解説する。起源は「AKB48劇場で行われる劇場公演にあった」という。

グループ結成から約1年3カ月後にAKB48のチームAが「ただいま恋愛中」公演を上演。その1年半後には"続編"的な意味合いも込めた形で「恋愛禁止条例」公演が開催された。

「くしくも同時期に、当時15歳だった研究生メンバーの男性とのツーショットプリクラが流出して、グループは『自覚に欠けた軽率な行動を取った』との理由で、その子を解雇。それがエポックになって、ファンの間で『AKB48は恋愛禁止』という認識が確立されていったのです」(同評論家)

その後は、異性とのスキャンダルをきっかけに卒業するメンバーが出たり、逆に解雇には至らなかったり、見える形での処分はなかったメンバーも出るという、明確な一貫性はないままにAKB48は一気に人気を上げていった。

そのころから、問題が浮上するたびに「恋愛禁止」論が取り立たされたが、1度くさびを打ち込んだのは、ほかでもない生みの親の秋元康総合プロデューサーだった。前田敦子が卒業も、まだまだ大島優子ら元祖神セブンが健在で国民的人気を誇っていた12年。秋元プロデューサーはラジオ番組で「僕は一度も恋愛禁止とは言ってないんですよ。ただ、それがおもしろいと思ったんで『恋愛禁止条例』っていう公演を作ったりはしたけどね」と発言。その上でAKB48を甲子園を目指す野球部員に例えて「ただ、やっぱり恋愛をしながら甲子園を目指すっていうのはなかなか難しいんじゃないかなと思うんですよね」と見解を述べた。

別の番組でも「恋愛がいけないんじゃなくて、スポーツ(部活)と同じで、そんな暇はないはずなんですよ、一生懸命やっていたら」と持論を話していた。「夢を追いかける子たちの集まり」としてAKB48を作った、秋元プロデューサーの偽らざる本音だった。

要するに、恋愛問題は、決して罰則ありの規則(ルール)ではないが、メンバーそれぞれの心持ち、姿勢を見定める重要な一要素、1つの物差しとして、ファンもスタッフも仲間も捉えるものではあると言いたかったのだろう。

ベテラン評論家は「それだけに、どこからがアウトでどこまでならセーフといった二者択一ではなく、曖昧な、グレーな事柄であり続けていました。今回、向井地さんが『運営と相談し、必ず結論を』と明言されたのは大きな節目でした」と話した。

その動向に注目が集まることになった向井地は21日、前夜の投稿の意図について「世間ではAKB48=恋愛禁止という認識が強いため、まずはそのギャップを正した上で、今後そのルールをどうしていくべきか考えるべきだと伝えたかった」と説明。その上で「恋愛を解禁すると受け取られるような発言をしてしまい、申し訳ございません」と誤解を招いたことを謝罪した。

今回の一件で改めて浮き彫りになったAKBに対する世間の認識をメンバーがどう受け止め、活動に生かしていくか。その行方が注目される。

続きを表示

芸能の2022年11月21日のニュース

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /