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【甲子園】京都国際・中崎 エースの「貫禄」14K 2年生・西村に続き完封 「宝刀」スライダー冴えた

[ 2024年8月18日 05:00 ]

第106回全国高校野球選手権第11日 3回戦 京都国際4ー0西日本短大付 ( 2024年8月17日 甲子園 )

<西日本短大付・京都国際>完封勝利を挙げた京都国際・中崎(撮影・北條 貴史)
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語り草となった、あのスライダーのように、京都国際の中崎も「曲がり球」で三振の山を築いた。14奪三振のうち結果球がスライダーだったのは7個。「スライダーが一番良かった。腕を振れば振るほど手元で曲がってくれる」。4―0の9回2死一、二塁では、初球スライダーでカウントを整え、2球連続の直球で三ゴロ。左腕では、同じくスライダーを武器とした12年桐光学園・松井裕樹(現パドレス)以来の14奪三振以上での完封に「(完封よりも)チームの勝利だけを考えていた」と胸を張った。

新潟産大付(新潟)との2回戦では、2年生左腕の西村一毅が3安打完封勝利を挙げた。同一チームの異なる投手が2試合連続完封勝利を挙げるのは、実に30年ぶりだ。「西村に先に完封されて少し焦る気持ちもあったけど、打者と勝負できました」。1、3回戦は中崎、2回戦は西村が完投。左腕2人がお互いの好投を刺激に変えながら8強まで来た。

今春選抜では先発した青森山田(青森)との1回戦で同点の9回にサヨナラ打を浴びた。試合後、母の園子さんに約束した。「もう一回夏に甲子園に連れて行くから」。選抜の劇打は、内角要求が真ん中に入る失投だった。選抜後、投球練習では打者を立たせて内角へ投げ込んだ。打者役を務めてくれる選手たちは「俺に当てていいから」と言ってくれた。「内角を投げられたから外角が生きた」。懐を突き、勝負球で外角スライダー。打者は踏み込めず、バットが届かなかった。

相手校OBの日本ハム・新庄監督が来場した一戦でもあった。試合前に同監督が観客席に現れると歓声が上がり、一時ファンが殺到。その騒ぎをグラウンドから見つめながら「アウェーやな...」と感じていた。一転、マウンドでは自身がスターばりの存在感を発揮。奪三振ショーで観客の視線をくぎ付けにした。 (河合 洋介)

◇中崎 琉生(なかざき・るい)2006年(平18)8月19日生まれ、兵庫県西宮市出身の17歳。小2から高木野球団で野球を始めて投手。中学では関メディベースボール学院中等部に所属。京都国際では1年秋から背番号11でベンチ入りし、2年秋から背番号1。甲子園には3年春夏の2度出場。50メートル走6秒5、遠投90メートル。1メートル78、78キロ。左投げ左打ち。

しろまる...京都国際の中崎が14奪三振で完封。個人14奪三振は、東海大相模・藤田琉生が2回戦の富山商戦でマークした13個を抜いて今大会最多。選手権で14奪三振以上の完封は、18年に創志学園・西純矢が1回戦の創成館戦で16奪三振して以来。左腕では12年に桐光学園・松井裕樹が1回戦の今治西戦で22奪三振して以来、12年ぶり。

しろまる...2回戦では西村一毅が完封。同一チームの異なる投手による2試合連続完封は、1994年に愛知の小島昇と山内一生が達成して以来30年ぶり。

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