メディア画面の色彩

2025年9月10日 (水) 投稿者: メディア社会コース

スマホ、テレビ、タブレット、・・・、こうしたものの画面に色がついているのは当たり前でしょう。

しかし、信じられないかもしれませんが、スマホ以前の携帯電話、アナログ放送のテレビ、ワープロという単能コンピュータなどは、色のついていない画面で使うところから始まったのです。

今日9月10日は日本で、テレビのカラー放送が始まった日として知られています。1960年のことでした。

その後、1977年そのテレビ画面につなぐ形で(当時としては画期的でしたが、たった)16色のコンピュータが現れ、1980年代後半に専用のカラーディスプレイを用いるパソコンが出てきました。

携帯電話の画面がカラーになったのは、さらに最近で、1999年に日本初のカラー液晶画面の携帯電話が発売されました。この1999年は日本初の東京工科大学メディア学部がはじまった年でもあります。

もしスマホやタブレットがカラーでなかったら、ネットもこれほどカラーの情報にあふれていなかったかもしれません。もしテレビがカラーでなかったら、いまのような情報の質や影響力はなかったかもしれません。

色・色彩については、画面やネット上でどう表すのか、どんな組み合わせがいいのか、など、さまざまな分野があり、メディア学部でも必要に応じてそうしたことを学べます。

一方で、人間の色の見え方には個性があり、情報を伝える場合はそれを前提にすることも重要です。ユニバーサルデザインカラーはそうした取り組みになります。スマホやコンピュータでも利用できるようになっています。

現在、わたしたちはカラーの画面に囲まれて生活しています。しかし、ここに至るまでには長い歴史があったわけです。ときにはそれに思いをはせて、同時にカラーであるからこそ難しい、デジタル・デトックスをしてみるのもいいかもしれません。

(メディア学部 小林克正)

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