人工知能学会全国大会で研究発表を行いました

2025年9月 3日 (水) 投稿者: メディア技術コース

2025年5月27日〜30日に大阪国際会議場にて2025年度 人工知能学会全国大会(第39回大会)が開催されましたので、研究発表をしに参加してきました。

大阪国際会議場は、大阪市の市役所のすぐ近くにあります。この時は市役所の前に大きなミャクミャクの像がありましたが、この像は7月30日に万博会場内に移転されたようです。

Pxl_20250529_040204469

大阪市は水の都であり、大阪国際会議場は2本の川の中に建っています。写真の高い建物がこの会議場です。

Pxl_20250529_044623764 Pxl_20250528_083719261

今回は、当研究室に在籍する大学院修士課程2年生の林さんにポスター発表してもらいました。研究タイトルは以下のとおりです。リンクをクリックすると、誰でも自由に論文を読むことができます。

林さんは香港からの留学生です。大学4年間を東京工科大学メディア学部で過ごし、研究を続けるため、大学院に進学しました。林さんは広東語のネイティブスピーカーです。広東語は中国語の方言の1つですが、中国語の標準語である普通話や北京語とはかなり異なる言語です。北京語のネイティブスピーカーと広東語のネイティブスピーカーが話し合っても、お互いに何を言っているか全く分からないほど、語彙や発音や文法が異なっています。(広東語のネイティブスピーカーは、普通話や北京語について知っていることが多いので、お互いに普通話や北京語で話せば、話が通じます。念のため) 広東語は、主に、中国広東省や香港、マカオ、マレーシア、シンガポール、ブルネイなどで公用語として使用されています。ですので、これらの場所に旅行した時に聞こえてくる中国語は広東語ということが多いです。

林さんの研究テーマは、日本人が楽しく広東語を学習できる教材アプリを作ることです。これを実現するために教材に以下の要素を取り入れました。

  • ゲーム、VR (開発にUnreal Engine 5を使用。Meta Quest 3でプレイできる)
  • AI対話エージェント。広東語について日本語で説明してくれる (開発にConvaiを使用)
  • プレイヤーが発音した広東語の音声認識
  • AIがお手本として話す広東語の音声合成
  • 香港の中学校をVR空間内に3Dモデルとして再現。中を自由に歩ける (開発にBlenderを使用)

メディア学部での4年間と大学院で学んだことを活かして、上記を開発してくれました。(メディア学部では上記に関連するような授業が多く開講されています。) プレイヤーは、お手本となるAIの広東語を文字で見てその音声を聞き、実際に広東語の単語や文を発音します。正しく発音できたかどうかをAIが判断してくれます。OKならば次の単元に進み、ちょっと間違っていたら、もう一度発音の練習をします。ゲーム形式で広東語や香港の文化について楽しく学ぶことができます。

__20250828172901 Pxl_20250528_063635847mp

ポスター発表当日は、この研究に興味を持ってくれた方々と研究についてたくさん議論しました。

東京工科大学メディア学部では、メディアを活かした教育に関する研究や、ゲーム (ゲーミフィケーション)を活用した研究もできます。研究成果の外部発表も積極的に行っています。本学部に興味をもった方は、ぜひ本学部のホームページを訪れてみてください。

(文責: 松吉俊)

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /