消えていくゲームを未来に残す(2)
2025年8月11日 (月) 投稿者: メディア技術コース
こんにちは。メディア技術コースの羽田です。
今回も前回に続き、「ゲームをどうやって保存するか」というテーマでお話しします。
前回は「現物がないゲームをどう残すのか?」という問題を取り上げました。
昔のゲームソフトはカセットやディスクの形で手元に残りましたが、今では ダウンロード専用 のタイトルや、 サーバがなくなると遊べないソーシャルゲーム がたくさんあります。たとえば、スマホにダウンロードしたゲームは、その端末を大事に残せば保存できます。でも、そのスマホが壊れたら? もう二度と遊べなくなってしまうのです。だからこそ、研究機関や博物館では「古い端末をあえてアップデートせずに保存する」などの工夫をしています。
私たちの研究室では、ゲームを保存する方法のひとつとして ゲーム動画を記録する ことに注目しています。
今ではYouTubeなどで「ゲーム実況動画」が人気ですよね。でも実は、YouTubeのようなサービスがいつまで続くかはわかりませんし、人気のゲームは実況動画が大量にあっても、マイナーなゲームはほとんど記録されていないこともあります。
そこで私たちは、自分たちで実際にゲームを遊びながら、その映像を記録しています。さらに「どんな動画なら、将来の人たちにそのゲームの面白さを伝えられるのか?」ということも研究しています。
特にスマホゲームには「位置情報」を使った作品が多くあります。ポケモンGOのように、現実の場所を歩いて遊ぶタイプです。こういうゲームは、画面の映像だけでは体験の魅力を伝えきれません。そこで今後は「プレイヤーが遊んでいる姿」や「その場所の風景」も一緒に撮影することを考えています。つまり、ゲームをやっている人の「雰囲気」ごと記録して残そう、という試みです。
とはいえ今はまず「動画を収録する」ことに取り組んでいます。最終的には、それらの動画を解析して「どんな記録があれば、未来の人にゲームを伝えられるのか」という指針を見つけることが目標です。次回は、その動画解析の研究について紹介できればと思っています。どうぞ楽しみにしていてください。
(羽田久一)
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