2024年10月
2024年度学会報告/見通し
2024年10月30日 (水) 投稿者: メディア社会コース
今年度の学会は、現地参加が増加してきました。一方でオンライン併用も多く、参加者増加が期待されます。今年も以下のとおり多くの参加可能な学会が予定されています。しかし、本年度は残念ながら、現時点で当研究室の参加者はなく、12月に一人予定している段階です。地方会場は旅費/宿泊費の値上がりもあって予算上厳しいものの、今後の自発的な参加に期待しているところです。
ビジネス科学学会全国大会(明治大学6月29日→筆者参加、学生不参加)
日本地域政策学会第23回全国研究京都大会(龍谷大学7月6~7日→不参加)
情報コミュニケーション学会第11回社会コミュニケーション部会(敦賀市生涯学習センター8月25日→不参加)
情報文化学会関東支部会(東京経済大学国分寺キャンパス8月31日→不参加)
社会情報学会全国大会(香川短期大学9月14~15日→不参加)
情報文化学会全国大会(城西国際大学紀尾井町キャンパス10月26日→不参加)
ビジネス科学学会九州支部会(中村学園大12月7日→未定)
社会情報学会第一回中国四国支部会(島根大学12月14日→学生1名参加予定)
情報文化学会九州支部研究会(遠隔2025.2月11日→未定)
社会情報学会第二回中国四国支部会(香川短期大学2025.3→未定)
情報文化学会北海道支部研究会(北大2025.3予定→未定)
情報文化学会関東支部会(2025.3予定→未定)
第21回情報コミュニケーション学会全国大会(2025.3予定→未定)
(メディア学部 榊俊吾)
2024年度卒研の紹介
2024年10月28日 (月) 投稿者: メディア社会コース
本日10月28日より、30日、11月1日の3回を担当します。第1回の本日は「2024年度卒研の紹介」、8日は「2024年度学会報告/見通し」、10日は「私、公、持続的成長」です。
本日10月28日より、30日、11月1日の3回を担当します。第1回の本日は「2024年度卒研の紹介」、8日は「2024年度学会報告/見通し」、10日は「私、公、持続的成長」です。
2024年度卒研の紹介
2024年度卒研生の研究テーマを紹介しましょう。当卒研では、およそ社会/経済/ビジネスに関するものであれば、ほぼ制約なく、学生の最も興味のある対象をテーマに選択しています。本年も多彩なテーマが挙げられており楽しみです。
コーヒー業界の歴史と今後の展望
自動車産業の海外戦略に関する研究
映画産業に関する研究
わが国の自動車産業の現状と展望
ボウリング業界に関する研究
アイスクリーム業界の現状と展望
映画プレイスメントに関する研究
サッカー業界の現状と展望
例年、夏学期は就職活動に多忙な時期で、研究に時間を割くことが難しいこともあります。しかし、毎日30分、1時間のわずかな時間でも継続的に調査を行い、事項を引用とともに記録し、自分の仮説を追加し、時にそれまで収集した資料集同士の関係を整理していくと、自分の研究の方向性が見えてくる瞬間が訪れます。毎日の小さな努力が実を結ぶ、これが人文社会科学系学問の特徴であると思っています。夏休みも既に過ぎ、この間の努力の成果が見え始める時期です。10月も下旬に差しかかり、そろそろ着地点(結論と今後の展望)を見据えた、今後の取り組みに期待しています。
(メディア学部 榊俊吾)
エスカレーターの片側空けという社会課題とプロジェクト演習「企業・団体のプロモーション技法」による解決案
2024年10月25日 (金) 投稿者: メディア技術コース
全国唯一の健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。健康メディアデザイン研究室では、人体を健康メディアとしてとらえメディアを活用して自らの健康をデザインしたり、研究者本人を健康にして、その成果を多くの人たちに役立てて、健康改善するための提案や健康アプリを制作するといった研究を行っています。
今回は、千種が企画実施しているプロジェクト演習に「企業・団体のプロモーション技法」という演習科目の1コマで実施した、『エスカレーターの片側空けという習慣から2列並びを習慣化へ転換する』という100分の演習授業を紹介したいと思います。
まずポスターデザインのテーマとして取り上げたエスカレーターの片側空け問題は、安全面や効率性といった観点から、長年議論されてきた社会課題です。東日本では左側に立って、右側を空ける習慣があり、西日本では右側に立って、左側を空ける習慣があるなど、その地域性も問題になることがあります。最近、ニュースでも見聞きすることが増えた、多くの駅や施設で「2列に並んで立ちましょう」という呼びかけが強化されていますが、依然として習慣を変えることまでは到達していません。
片側空けは、エスカレーターの構造上、転倒のリスクを高める可能性があります。特に、急な停止時や、小さなお子様や高齢者にとっては大きな危険因子となります。また、急いでいる人にとっては、片側を歩いて移動することで時短ができるので、2列に並ぶことは時間の無駄に感じられることがあります。
2列に並ぶことで、転倒のリスクを軽減し、横に並んで手をつなぐなどにより、より安全な利用が可能となります。さらに、ポスターや動画を活用して、駅や施設に分かりやすいポスターや動画を掲示し、2列に並ぶことの重要性を周知徹底します。
片側を空けることで、エスカレーターの収容人数が減り、混雑を招く原因となります。さらに、片側空けによってエスカレーターにかかる荷重が片側に偏り、長期的に機械に負担をかけます。
2列に並ぶことで、エスカレーターの収容人数が増え、混雑緩和に繋がります。そして両側に均等に荷重がかかることで、エスカレーターの耐久性が保たれ、メンテナンスコストや修理の頻度が減少します。
片側空けがマナーとなっていると、それを守らないと周囲への配慮が欠如しているという印象を与え、社会全体のモラル低下につながる可能性があります。
2列に並ぶことがマナー化すると、上に記載したように周囲への配慮を促したエスカレーター利用が実現され、社会全体のモラル向上に貢献します。
上記の観点からエスカレーターの2列並びが推奨されているわけですが、それを転換するためにポスターデザインを使用することにしました。
ポスターデザインに使用するキャッチコピーを決める必要がありますが、ここでは最近多方面で活用されているChatGPTを使用します。『大学生向けのエスカレーターを2列で乗るためのキャッチコピーを10件』とプロンプトに入力すると以下の10件のキャッチコピーが出力されます。
- 「急がず2列で、安全な未来を歩こう。」
- 「みんなで並んで、安心と効率アップ!」
- 「2列でゆっくり、エスカレーターも長持ち。」
- 「急ぐより大切なこと、安全第一で2列並び!」
- 「安全に進もう、2列でできるスマートな選択。」
- 「2列並びで、みんながスムーズに移動できる。」
- 「2列並びは新常識、仲間と一緒に安全を守ろう!」
- 「エスカレーターもチームプレイ、2列でスムーズに。」
- 「急ぐ前に考えよう、安全と協力の2列ルール。」
- 「未来のための一歩、2列並びでエスカレーターを守ろう。」
「さらに10件」と入力すると、
- 「2列でゆっくり進もう、みんなの安全が最優先。」
- 「スピードよりも安全、2列並びで安心移動!」
- 「エスカレーターは2列が基本、みんなでスムーズに進もう。」
- 「安全な未来は2列から、今日から始める新ルール。」
- 「片側空けはもう古い!新しい常識、2列でゆっくり。」
- 「一緒に並んで、エスカレーターもみんなも快適に。」
- 「2列で乗る、それが賢い選択。」
- 「急ぐ気持ちを抑えて、2列で安全にゴールしよう!」
- 「2列のマナー、未来の自分にもやさしい選択。」
- 「みんなで作ろう、安全と安心の2列文化。」
と簡単に20件のキャッチコピーが出来上がります。受講している学生たちは各自自分のイメージしているキャッチコピーもしくはその修正版などを用いて、60分間でデザインツールのcanvaを用いてポスターデザインを作成します。
レビューの際に提示され秀逸な完成度であったのが、この演習で使用するcanvaによるデザインを初めて1か月の1年生の菅原歩音さんです。最初に提出されたデザインは以下のようなものでした。高校時代にSDGsの総合学習で同様の課題に取り組んだことがあり、その時のアイデアをポスターデザインにしたものが作成したデザイン案でした。
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この演習の特徴として、デザイン企業の社長である早川氏が演習講師を勤め、全員のデザイン案に対して、一人ひとりにデザインレビューを行ない、修正のアドバイスをすることです。他の学生からも毎回、感想コメントをもらって参考にします。
菅原さんのデザインレビューの際、キャッチコピーをもっと読んでもらうため、横書きのキャッチコピーを縦書きにして、さらに右上から左下への視線を意識した修正案にしました。余白のスペースも適度に埋まって全体としてバランスの良い仕上がりになりました。
以上、きわめて学修効果の高い「企業・団体のプロモーション技法」というプロジェクト演習の紹介でした。
横浜の高校へ出張講義に行ってきました
2024年10月23日 (水) 投稿者: メディア技術コース
東京工科大学では、高校出張講義というイベントを実施しています。これは、高校側から申し込みがあれば、その高校に大学教員が赴いて高校生たちに模擬授業をするというものです。オープンキャンパス等でも模擬授業を行っていますが、出張講義ではいつもの高校の教室で大学の模擬授業を受けることができるので、「うちの生徒たち全員(1年生全員、2年生全員)に大学の授業を体験してもらいたい」という要望に適した形態になっています。
本学では、メディア学部をはじめ、コンピュータサイエンス学部、工学部、応用生物学部、デザイン学部、医療保健学部の全学部においてこの高校出張講義を実施しています。ですので、幅広い学問分野の模擬授業をお届けすることが可能になっています。本学のサイトにて申込フォームを用意しておりますので、よろしければ、お申し込みいただけますと嬉しく思います (お申し込みできるのは高校の関係者のみとなっております)。
さて、私は、2024年10月17日に横浜市立戸塚高等学校に出張講義に行ってまいりました。いろいろな大学から計20名ほどの大学教員が集まり、高校生1, 2年生が自分の興味ある模擬授業を聴講する形でした。私の模擬授業には、高校生32名が聴講に来てくれました。今回の模擬授業は、「ゲームの学術研究とAIの応用」というタイトルで、AI (人工知能)の基礎や、ゲーム内にAIを応用する方法等について講義をしました。大学の一般的な授業時間である90分間の授業でしたが、多くの高校生が最後まで真剣に講義を聞いてくれました。将来、AI関係の仕事に就きたかったり、ゲーム会社に勤めたかったりする高校生が私の模擬授業を選択してくれたのではないかと思います。そのような高校生が、大学や学部を選ぶ際に、今回の模擬授業の内容を参考にしてもらえたらとても嬉しく思います。
(文責: 松吉俊)
紅華祭研究室公開
2024年10月21日 (月) 投稿者: メディア技術コース
皆さん、こんにちは。
メディア学部の寺澤です。
10月13日・14日に開催された東京工科大学八王子キャンパスの大学祭「紅華祭」において寺澤研究室は研究室の公開を行いました。
両日とも公開しましたが、13日は私はほとんど研究室にいられなかったため写真は14日のものです。4年生のスタッフが2日にわたって来場者に説明をしてくれました。
大学祭はオープンキャンパスとは違って様々な年代の方がいらっしゃいます。お子さんも多く、micro:bitによるプログラミング体験は盛況でした。
私の研究室は毎年紅華祭で研究室公開を行っています。4年生はそれに合わせて進行中の卒業研究に関するポスターを作成します。このポスターは翌年以降のオープンキャンパス等でも活用しています。
卒業研究の残り時間もわずかとなってきました。各自が成果を出してくれることを期待しています。
(メディア学部 寺澤卓也)
実在するバンドのバーチャルライブ(ABBA 「Voyage」)
2024年10月18日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース
メディア学部の三上です.
9月の授業開始直前に,企業から展示会のお招きがあり急遽ロンドンに弾丸ツアーに行きました.その際にエンタテインメント界隈で話題になっていた,アバターによるバーチャルコンサート「ABBA Voyage」を視察してきました.
ABBAは私たち(より上)の世代に絶大な人気を誇るアーティストなのですが,すでに高齢で,激しいライブを重ねるのはさすがに困難なのですが,その往年のライブをVFX制作会社として著名なIndustrial Light &Magicが制作を手掛けて実現しました.なんとしてでも見に行きたかったのですが,さすがにロンドンまでこのためだけに行くのは・・・と思っていたところでした.
さっそく,チケットを探したのですが幸い一人での視察になったので,意外といい席も取れました.(お値段はそれなりにしますが・・・)会場はロンドン郊外のオリンピック会場のそばに作られた特設のシアター.地下鉄の路線図を調べて乗り継いでいってきました.
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シアターの外観
会場はステージ前のダンスフロア(椅子はなく上映中ずっと踊っている人の席)とアリーナ席という椅子に座って全体を眺める席がありました.私は全体の雰囲気をじっくり見たかったのでアリーナ席から参加しました.
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シアター内部の様子
実際の映像は,高齢のメンバー超えたメンバーをモーションキャプチャーで収録,CGで制作する映像に利用しそれらをホログラムを利用して展示するという物です.
この体験は,言葉ではどうしても伝えにくいのですが,とにかく製作期間,費用,機材のスケールの大きさに驚くと同時に,今後このフォーマットで多くのイベントが開催される未来が容易に想像できました.
コンテンツにかかわる詳しいレポートはこちらを見てください.
前期の三上・栗原研の学会発表
2024年10月16日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース
メディア学部の三上です.
三上・栗原研究室の学部学生は,2月から3月にかけての学会で発表することが多いですが,4月から9月にかけての前期も大学院生を中心に学会発表に行くケースが多くあります.今回はそのいくつかを紹介したいと思います.
(1)NICOGRAPH International 2024
芸術科学会が主催する国際会議で,海外での開催のほか国内の大学でも開催しています.国際会議ですので原稿も英語で執筆し,発表も英語で行うことになります.しっかりとした査読があり,不十分な内容では発表ができません.
今回は,「おとなり」といってもいい,東京都立大学の南大沢キャンパスで開催されました.大学院博士課程の谷村さんがポスター発表を行っていました.(わたしもVRのセッションのChairとして論文発表のオーガナイズをしました)
国内での開催ということもあり,国際会議初挑戦の学生も多く初々しい発表も多くありました.
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NICOGRAPH International2024
(2)情報処理学会Entertainment Computing 2024(EC2024)
情報処理学会が主催するエンタテインメントに関連する研究会のシンポジウムで,2023年は東京工科大学で開催しました.今年は北の大地「北海道」の北海道情報大学での開催となりました.この学会では,口頭発表のほかエンタテインメントにかかわるシステムなどを実際に体験できるデモ発表が多く実施されます.
三上研究室からは,川島先生とともに指導している横山さんがバンダイナムコスタジオとの共同研究において研究開発した内容を発表しました.また,デモ発表では学部学生の松浦さん,大学院の釣部さんに加え,助手の栗原先生もご自身の研究を発表しました.
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松浦さんの発表
ECでは,多様なエンタテインメント研究に際し,審査員のそれぞれの視点から推しの研究を推薦する「レコメンデモ」という制度があります.本年度は大学院生の釣部さんが「レコメンデモ」を受賞しました.
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レコメンデモを受賞した釣部さん
(3)日本デジタルゲーム学会夏季研究発表大会
日本デジタルゲーム学会が主催する夏の研究発表大会です.今年度から三上が学会の会長を務めております.東京工芸大学の中のキャンパスで開催され,三上研からは川島先生と共同で指導している大学院生小杉さんが,参画しているバンダイナムコスタジオとの共同研究の成果を口頭発表にて発表しました.また,インタラクティブなデモを行うインタラクティブ発表に大学院生の荒木さん,西村さんが発表を行いました.
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小杉さんの口頭発表
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西村さんのインタラクティブ発表
前期の学会発表は,大学院生の発表が多く,学部の学生の発表はこれから本格化します.ぜひ皆さん良い研究を進めてもらい,春にもまた多くの研究発表を報告できればと思います.
なお,その他の研究発表も含め下記にまとめます.
[1] Akifumi Tanimura, Suguru Matsuyoshi, Yoshihisa Kanematsu and Koji Mikami,Distribution of Setting Information Elements for Characters Introduction in Japanese Animation,NICOGRAPH International2024,2024.6
[2] 山地 阿世流,伊藤 彰教,三上 浩司, 音源包囲型マルチマイクレコーディングを用いた立体音響表現の印象評価, 研究報告音楽情報科学(MUS), 2024-MUS-140(68), pp.1-4. 2024.6.
[3] 横山 雅来, 鈴木 雅幸, 菅野 昌人, 山口 翔平, 川島 基展, 三上 浩司:「ビデオゲームコンテンツに向けた現実の光を正確に再現したHDRIを用いるLookDev環境の構築法」, エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2024論文集, pp. 79-85 (2024).
[4] 栗原 渉 , 三上 浩司: 水滴噴霧による松かさ鱗片の乾湿運動を用いた松かさ転倒駆動手法の基礎検討,エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2024論文集, pp. 424-426 (2024).
[5] 釣部 彩花 , 栗原 渉 , 兼松 祥央 , 松吉 俊 , 安原 広和 , 三上 浩司: トリガーの抵抗制御による投げ銭時のユーザ体験向上手法の提案,エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2024論文集,pp. 453-457(2024).
[6] 松浦 優 , 栗原 渉 , 兼松 祥央 , 三上 浩司: ビデオゲームにおいて炎の燃焼を表現する触覚デザインについての基礎検討,エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2024論文集,pp. 488-491(2024).
[7]荒木海斗,栗原渉,松吉俊,兼松祥央,安原広和,三上浩司:高難易度アクションゲームにおける プレイヤーに気づかれにくい 動的難易度調整手法,日本デジタルゲーム学会夏季研究発表大会,インタラクティブ発表,2024.9
[8]西村響,栗原渉,兼松祥央,松吉俊,安原広和,三上浩司:ポーカーゲームAIにおける表情による駆け引きの実装,日本デジタルゲーム学会夏季研究発表大会,インタラクティブ発表,2024.9
[9]小杉勇翔,鈴木雅幸,菅野昌人,山口翔平,川島基展,三上浩司:HDRIを用いた物理ベースレンダリングによる質感表現が設定しやすい環境の検討,日本デジタルゲーム学会夏季研究発表大会,口頭発表,2024.9
先鋭の映像制作企業とのプロモーション映像撮影
2024年10月14日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース
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LED MEGA MESHを応用した例(サッカーの選手入場に利用するイメージ)
メディア学部の三上です.
今回は少し前に,新進気鋭の映像制作会社MPLUSPLUSさんのでも映像制作に学生とともに参加したお話を紹介します.
MPLUSPLUS株式会社さんはアーティストのライブステージや,イベントの演出など,エンタテインメント分野で「テクノロジーの力で、常識を更新する」ことをモットーにしている企業です.
これまでにも「ピカチュウ大量発生チュウ!2019」や第67回NHK紅白歌合戦に出場した三代目 J Soul Brothersの楽曲「Welcome to TOKYO」の演出,さらにはF1ラスベガス・グランプリ(Formula 1 Heineken Silver Las Vegas Grand Prix 2023)のオープニングセレモニーなどで,ダンサーの動きや楽曲に合わせてLED照明を点滅させたり,特別なLEDシステムを利用することで,未踏の表現を次々と実現してきました.
そんなMPLUSPLUSさんの代表である藤本実さんは,以前東京工科大学メディア学部の助手として,三上研究室に所属になり,私の研究室のほか,渡辺先生や羽田先生,太田先生たちとも多くのプロジェクトを実施してくれました.
そんな藤本さんから,新しい映像演出の可能性をアピールするためにプロモーション動画を撮影したいと相談があり,大学のキャンパスを使い学生にも参加してもらう形で実現しました.
プロモーション映像のために,ドローン撮影チームを編成し望みました.本格的な撮影機材に参加した学生たちもシステム構成や操縦方法などに興味津々でした.
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ドローン撮影のための機材
今回のプロモーション映像の目玉は「LED MEGA MESH」という巨大で軽量で形状が自在に変化できるLEDウォール.これに,LEDスーツを装着したダンサーとコラボレーションすることで見たこともない映像演出が実現するという仕組みです.
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LED MEGA MESH
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LEDスーツを装着したダンサー
この,LED MEGA MESHの特徴は何といっても軽量であること.LEDの点灯を制御プログラムを開発し,映像からLEDの色や点滅を遠隔制御し映像表現しています.軽量なのでドローンを使ってつかって上空を縦横無尽に映像スクリーンが飛び交う演出も実現しています.
そしてこのLED MEGA MESHの軽量である最大の特徴を生かし,今回は人が運ぶという演出にも挑戦しました.
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LED MEGA MESHをもって移動する様子
LEDメッシュは透過するため,ディスプレイの奥にディスプレイが見えるという変わった表現も可能です.この研究棟Aから研究所棟に降りてくる坂を使った演出では,LEDディスプレイの奥に別の映像が透過して見える様子が良く伝わります.
このように未踏の技術を実現し,その魅力をでも映像を通じて多くの人に届けるための映像制作は,いつも新鮮は発見や驚きの連続です.撮影に参加した学生たちも,自分の研究や作品制作にあたり,新しい発想をどのように具現化していくのか,多くのことを学ぶことができたのではと思います.
完成した作品はMPLUSPLUSさんのWebページやYoutubeなどで公開されております.
グローバルメディアの誕生 3.AIと偽情報
2024年10月11日 (金) 投稿者: メディア社会コース
グローバルメディアの誕生の歴史について紹介してきました。200年近い歴史を持つ世界最大の通信社の数社のもつ影響力は絶大でありました。
現在でも世界各国の新聞社がその信頼性のためにこれらの通信社と提携し対価を支払い情報収集を行っています。
しかし、歴史的信用に基づく信頼もAIの出現により大きく揺らぎつつあります。世界ではAIを使った偽情報をインターネット上に
流すことが容易な時代になりました。現在、2024年11月に行われる、米大統領選に向け中・ロ・イランはAIをつかった偽情報の拡散を画策しているという記事が10月3日付け ロイター記事に掲載されています。このように、戦争の形態もいよいよ、メディアとAIを活用した戦略的な情報戦争が行われるようになったのです。ロイター社も誤報検証システム部門を立ち上げています。しかし、これはいみじくも、ロイター社自身の情報配信の信用も、問われる時代に突入したことの現れに他ありません。ロイター社自体が個人所有企業である限り、バイアスは否めないという視点からそのように言えるでしょう。
文責:飯沼瑞穂
グローバルメディア誕生の歴史 2.
2024年10月 9日 (水) 投稿者: メディア社会コース
日々我々がマスメディアを通じて目にする、グローバルニュース映像や、新聞に掲載される写真の数々は多くの場合世界最大の通信社を通じて
配信されています。
通信社は、在籍する記者が様々な情報を取材し、それを記事の形にして各媒体や企業、組織などに配信する役割を担います。各媒体に含まれるのは、新聞社、放送局(テレビ・ラジオ)です。通信社は、記事を提供する対価として得るお金が主な収入源となっています。
通信社も新聞社も、様々な分野を取材する記者を擁しているという点は共通しています。通信社と新聞社の決定的な違いは、自社の媒体の有無です。
歴史と権威があるとされる世界最大の通信社、ロイター社、AP通信やAFP通信などが配信するニュースを元に、提携先の世界各国の新聞社などが記事を独自媒体を通じて掲載することにより、情報は消費されています。国内で目にする世界のニュースの多くは、世界大手の通信社を通じて提供されており、提携している各国の新聞社や放送局が、提供された情報を独自の媒体、新聞によって流していることが、グローバルニュースの単一化の原因の一つです。国内の大手新聞の多くに掲載されている、写真の提供元をみると、世界大手通信社の名前が記載されていることを
見たことがあると思います。このように、我々が国内で読む世界ニュースの記事や、そこに掲載されている写真の数々は前回、ブログでお話をした
19世紀後半に設立したヨーロッパの端を発する通信社のものを起用することが慣例となっている例は少なくないのです。
文責:飯沼瑞穂
グローバルメディア誕生の歴史 1.
2024年10月 7日 (月) 投稿者: メディア社会コース
メディアのグローバル化によって現在では、ありとあらゆる情報が様々な形で発信、共有されるようになりました。グローバルメディアとは、地球規模のコミュニケーションとそれを支えるテクノロジーを指します。世界規模の通信産業はグローバルメディアの基盤として存在しており、SNSやインターネットなどは地球規模のコミュニケーションを支える媒体ともいえるでしょう。
メディア学部で開講されているグローバルメディア論は、このようなグローバルメディアを客観的に分析する力を身に着けることを目的とした授業です。
現在のグローバルメディアの基盤が形作られた経緯と、歴史を知ることは、我々が目にするニュースの背景をより正確に理解する上で役立ちます。
グローバルメディアの基盤である世界の通信産業は19世紀後半から20世紀初頭に、形成されました。具体的には、ロイター通信、AP通信、AFP通信などの世界最大の通信社です。その中でもロイター社は1851年にユダヤ系 ドイツ人のロイターが設立しました。ロイター社は1851年に英仏海峡の海底ケーブルを活用し迅速なニュースの集配で信頼を築き、ロンドンを中心に金融情報を各地に配信しました。
現在でも、この時代に築かれた世界各国の通信拠点はグローバルなニュース配信拠点として活用されています。インターネットの海底ケーブルの基盤もこの頃、築かれたインフラストラクチャーを基礎として構築、開発されてきたものです。よって、過去200年の歴史を語ることなしに、グローバルメディアの性質や特性、更にはそのバイアスについて意識することは難しいでしょう。
文責:飯沼瑞穂
秋卒業式
2024年10月 4日 (金) 投稿者: メディア技術コース
皆さん、こんにちは。
東京工科大学では秋にも卒業式があります。半期休学した学部生・大学院生や早期卒業の学部生などが対象となります。今年は9月20日に挙行されました。
本学には「学士・修士一貫早期修了プログラム」という制度があります。特に優秀な学生を対象に、学部を3年半、大学院修士課程を1年半の合計5年で終え、学士号と修士号を取得するプログラムです。通常4年+2年の6年かかるところを1年早く終えることができるため、学費が1年分少なくて済むうえ、修士号を取って社会に出るタイミングも早くすることができます。また、優秀な学生である証ですからそれを武器に就職活動を進めることもできます。
学士・修士一貫早期修了プログラムで卒業した学生は、秋卒業式終了後に学生証返却などの手続きをしてすぐに大学院の「秋入学式」に臨みました。卒業式と大学院入学式が同日に行われるため、朝は学部生だったのに昼には大学院生になりました。
先程は5年間で終えられるメリットを書きましたが、このプログラムの学生は学部生のうちにいくつかの大学院科目を履修しますし、大学院に入ると半年間で修士1年生が終わるため、かなりハードです。それでもメディア学部では毎年一定数の学生がこのプログラムを利用して進学しています。
(メディア学部 寺澤卓也)
有効数字
2024年10月 2日 (水) 投稿者: メディア技術コース
メディア学部の大淵です。
レポートや卒業論文の添削をしていると、こんな表が出てくることがあります。
最近は、エクセルでデータ管理して、それをそのまま表としてレポートに貼り付ける人が多いです。改善率のところは、=C2/B2*100 みたいに式を書いておけば、自動で計算してくれて便利です。
でも、これを見て「改善率は37.14286パーセントです」と言うことに、どんな意味があるでしょうか。それを聞いて「なるほど、37.14285パーセントではなく37.14286パーセントなのか」と思う人はいないはずです。普通の人の感覚は「ふーん37パーセントぐらいか」というものではないでしょうか。実際、このような実験を何度もやったとして、毎回37.14286パーセントという値が得られることはまずありません(そもそも、対象者数が35人ではなく36人になったら、絶対に37.14286という数字は出てきません)。
こういうときは、37とか63と書くのが正解です。これは「有効数字」と呼ばれる考え方で、中学校の数学で出てくる内容なので、文系・理系を問わず全員が習っているはずなのですが、ちゃんと実行できている人は(大人も含めて)あまりいません。特に最近は、前述のようにエクセルなどが計算してくれてしまうので、やたらと長い桁数の数字を書く人が多いような気がします。
数学の授業で習う有効数字の概念には難しいところもありますが、とりあえず一番大事なのは、「こんな桁数まで言うことに意味あるの?」という疑問を感じるようになることです。上の表でいうと、37.1とか63.3とか書いても大きな問題はありません。でも、37.14286と書くのはさすがに気持ち悪いと感じるようになること、これもデータサイエンス社会を生きていくための素養の一つではないかと思います。
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