感染症までの数理 (6)
2021年7月24日 (土) 投稿者: メディア社会コース
ふつうの、つまり一般の感染症は、感染してから発症するまでには時間があります。潜伏期間です。
きのう述べた SIR モデルにはこれがありませんでした。
そこで、SIR モデルに潜伏期間を取り入れるために、感染していない状態 S と感染 I(実際は発症あるいは有症状)の間に暴露という区画を入れます。
暴露とは、ウィルスや細菌にさらされるという意味です。Exposed なので E と表します。
そういうわけで、SIR に潜伏期間を取り入れたものを SEIR モデルと呼びます。
感染していない人が、暴露し、潜伏期間を経て、発症し、やがて回復するので、ひとりの人は、S、E、I、R の順に区画を移ります。
現在、日本を含めて、これを用いて、感染症を調べることがよくおこなわれています。
ただ、これでは、今回のパンデミックとはズレがあると考えられるため、さまざまな拡張が考えられています。
例えば、アジアの研究者の中には、隔離、入院といった区画を取り入れたモデルを考えている人たちがいます。また、アフリカの研究者の中には、ウィルスの変異を取り入れたモデルを考えている人たちもいます。
これらは、モデルを現実に近づけるために区画を増やすという拡張です。
それ以外にも、モデルの拡張は考えられます。
明日に続きます。
(メディア学部 小林克正)
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