音声音響メディア処理論2回目 ピアノ線の振動数

2016年10月15日 (土) 投稿者: メディア技術コース

みなさん、こんにちは、

メディア学部の授業「音声音響メディア処理論」の2回目は楽器の出す音。
ピアノ線の出す音の周波数を計算しました。
ピアノ線の中で音が走る速さは次の式で求まります。
張力とは引っ張る力の強さです。みなさんも糸をピンと張った方が高い音がするのは体験していますよね?線密度というのはピアノ線1m当たりの重さです。ピアノ線は両端で固定されていますから、波型のちょうど半分が乗ります。つまりピアノ線の長さの2倍が波1つ分つまり音の波長になります。音速は1秒間に音が走る距離にあたりますから、この中にいくつ波長が入るかを調べれば、振動周波数がわかります。
周波数は次の式で求められるわけです。

[画像:Photo_2]

88鍵のピアノの鍵盤の中央あたりでは、ピアノ線の直径は0.5mm(半径0.25mm)、長さは1mです。ピアノでは、このピアノ線を100kgの力で引っ張っています。ピアノ線は鉄でできていますから、密度は1立法メートル当たり7900kgです。これから、ピアノ線1m当たりの重さである線密度が求まります。張力はニュートンの単位なので引っ張る力に重力加速度の9.8を掛けます。
すると、周波数を求める式は以下のようになります。2で割り算しているのは、ピアノ線の長さの2倍の2mの波長を表します。

[画像:Photo_5]

さて、どのくらいの値になるでしょうか?

音声音響メディア処理論では信号処理ツールScilab を使って計算します。みなさんもダウンロードして計算してみてください。Scilabコンソールという場所に以下を打ち込んでみてください。
c = sqrt( 9.8 * 100 / ( 7900 * %pi * 0.00025^2 ) ) ;
f = c / ( 2 * 1 )
そうすると、次のような答えが求まります。
f = 397.42442
440Hzが鍵盤中央よりちょっと右側のラの音です。計算してみると、求まった397Hzというのはだいたいソの音にあたります。
このように、ピアノは物理学と密接な関係があるのです。
相川清明

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