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2025年7月 9日 (水)

ソシウヨの時代?(17年ぶりに再掲)

参議院選挙戦のさなか、参政党の支持率が急増しているという報道を見つつ、17年前のこのエントリがそこはかとなく思い出されてきたので、再掲しておきます。多分なにも付け加える必要はないでしょう。

ソシウヨの時代?

617uexdgx6l__ss400_いや、こういうのが出てくるだろうな、とは前から思っていましたが、やはり出てきましたな、という感じです。

http://www.amazon.co.jp/dp/477551279X/

縦軸にリベとソシをとり、横軸にウヨとサヨをとると、計4つの象限が得られますが、そのうちこれまでの日本で一番論者が少なくて市場としてニッチが狙えるのはソシウヨですからね。

まあ、西部邁氏を取り巻く人々はある意味でその一角を占めていたといえるのですが、いささか高邁な議論になりすぎるところがあり、むくつけなまでに劣情を刺激するようなイデオロギー操作にはリラクタントな風情がありましたが、このムックはそこはスコッと抜けていて、何でもありの感じですな。

「21世紀大恐慌は資本主義の崩壊か」とか「金融大恐慌が証明した小泉=竹中路線の大罪」とかタイトルだけ見ると、『情況』かという感じですが、その後に控えるのは「経済ナショナリズムが日本を救う」ですからね。両方に文章を寄せているのが経済産業省の中野剛志氏ですが、気分は商工省の革新官僚ですか。

興味深いのは、「超格差社会と昭和維新」という昭和初期の話がでてきていることで、これは本ブログでも取り上げましたが、まさにソシウヨが勝利した典型的な事例であるわけで、この筆者は現代日本でもそれをやろうと思っているわけですが、それはいささか問題ではないかと思う人々にとっても、等しく学ぶべき歴史の教訓であることは間違いないと思いますよ。

2025年7月 9日 (水) | 固定リンク

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コメント

現在、欧州諸国の政治に定着している、極右政党というのは、皆「ソシウヨ」政党ですよね。福祉国家の成果は、全て我々「国民」が享受すべきで、わけのわからない「ガイジン」、なかでも欧州の政治原則である、リベラリズムを理解しようとしない、「ムスリム移民」を排除しろ、というのがその主張です。
ちなみに、参政党の神谷代表は、独ハンデルスブラット紙から、「親和性が高い政党」を尋ねられたとき、「米共和党の保守派(=トランプ派)」の他、独「ドイツのための選択肢(AfD)」、仏「国民連合(RN)」、英「リフォームUK」の各政党を挙げた、とのこと(毎日新聞電子版 2025年07月08日「排外主義なのか?」参政党の移民政策に海外メディア関心)。ちゃんと学習してますね(苦笑)。

投稿: SATO | 2025年7月 9日 (水) 12時32分

>「米共和党の保守派(=トランプ派)」の他、独「ドイツのための選択肢(AfD)」、仏「国民連合(RN)」、英「リフォームUK」

いずれも水島治郎『ポピュリス厶とは何か』(中公新書、2016年)に登場している面々ですね。「リフォームUK」のナイジェル・ファラージは「イギリス独立党」の党首としてですが。
10年以上の時を経て日本政治にも本格的に波及し始めたということでしょうか。

投稿: 不勉強な大人 | 2025年7月13日 (日) 12時49分

>10年以上の時を経て日本政治にも本格的に波及し始めたということでしょうか。

小泉郵政民営化時、「新自由主義が周回遅れで日本にも到来した」と言われましたね。
周回遅れで日本にもいよいよ極右政党が擡頭しつつある、と言う事かもしれません。

ただ、第二次世界大戦時、日本のファシズムはイタリアのファシスト党、ドイツのナチス党のような極右政党が擡頭せず、既存政党が雪崩を打って大政翼賛会に合流するという違った流れになりました。
この大政翼賛会はナチスあるいはファシスト党のような強力な党組織を持たず、どうも日本的な同調的ムラ組織を出るものではなかったように感じています。

果たして今世紀の日本の極右はどうなるのでしょうか。

投稿: balthazar | 2025年7月13日 (日) 17時32分

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