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最近、ネット上のあちこちで、「そんな本は書いてないし、そんなことは言ってない」現象が頻発しているようです。AIの嘘こき(ハルシネーションというユーフェミズムが頻用されますが)のせいなんでしょうが、嘘こかれた方はたまらんですわ。
「【速報】高市早苗総理午前3時勉強会と労働時間規制緩和」といういかにも人目を引くことを狙ったげなタイトルのこの記事の中に、
深掘り: 労働経済学者の濱口桂一郎氏は、著書『日本の雇用と労働』(岩波新書)の中で、労働時間規制の緩和が労働者の権利を侵害し、格差を拡大する可能性を指摘しています。特に、非正規雇用労働者や、交渉力の弱い労働者にとっては、労働時間規制の緩和は、長時間労働や低賃金労働を強いるリスクが高まります。
まず、おいらは労働経済学者じゃねえし、岩波新書から本を2冊出してるけれども、こんなタイトルじゃない。このタイトルにギリギリ近いのは、『日本の雇用と労働法』(日経文庫)だけれども、これは法政大学の授業用に作ったテキストであって、こんな主張はこれっぽっちもしていない。つまりこのたった3行のなかはことごとく嘘っぱちだらけなんだが、いかにもちゃんと調べてきましたかのような平然たる風情で淡々と書いているものだから、知らん人はコロリと騙されるだろうな。
ちなみに、そのすぐ後ろには、
一方で、経営学者の楠木建氏は、著書『ストーリーとしての競争戦略』(東洋経済新報社)の中で・・・
と、中身はともかく、現存する著者の現存する著書を引用して見せてるだけに、たちが悪いわ。
2025年11月10日 (月) | 固定リンク
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何がきっかけで存在しない架空の本が生み出されたのかが気になるところです。AIの創造力は恐ろしいものがありますね。気が付けばどこかの著者紹介やウィキペディアでの紹介記事にも架空の本や論文が掲載されてしまうようになるかもしれません。相当な注意が必要となるかもしれませんね。
投稿: 希流 | 2025年11月12日 (水) 08時51分