「ダムサイトについては、物理探査、横坑、ボーリングによる地質調査の結果からは必ずしも判然と確認することができなく、全体的に大きな断層、破砕帯はなく、風化岩とかなり新鮮な岩との互層からなっており、ただ層理の傾斜が高角度であるため、どこまでをダム基礎として選定し掘削線を決定するかが鍵となる。......この問題について土木研究所に現地調査を依頼した。その結果、まず70m級のダムであれば建設可能であると判断いただいた。」このことから、掘削線は20m〜30mの範囲にある堅硬な岩盤までにとどめ、後は基礎処理と堤体の基礎幅等については工夫することにより、堤高70m〜80m級のダム建設が可能であると判定された。型式は地形、地質条件から重力式コンクリートダムか、フィルタイプダムにしぼられ、フィルタイプダムについては、近傍にコア材採取の適地が見当たらないことから、重力式コンクリートダムに決定した。