石積み、石張り (いしづみ、いしばり)
石を積み重ねて造る構造物が石積みで、表面に石を張って造る構造物が石張りです。古いコンクリートダムなどには、石積みや石張りのものがあります。
コンクリートやモルタルによって石を接着する工法を、練石積み、練石張りと呼び、これに対してコンクリートやモルタルを使わない工法を空石積み、空石張りと呼びます。
石張り (いしばり)
異常渇水 (いじょうかっすい)
水資源計画で想定している渇水を上回るほどの渇水。通常、水資源計画は10年に1度の確率で発生する渇水を想定し、そのときも安定的に取水できるよう策定されていますので、これを上回る渇水は異常渇水と呼ばれます。異常渇水の時は、水利権があってもそれに応じた取水ができないとか、河川の水質が悪化するといった現象が生じます。異常渇水時や、異常渇水になるおそれが出てきたときは大きな水系などでは、利水者相互間で渇水調整が行われます。
異常気象 (いじょうきしょう)
過去の平均的な気候状態から大きくかけ離れた、社会に対して様々な影響を与え、場合によっては災害を引き起こすような気象現象を言います。
維持用水 (いじようすい)
維持流量 (いじりゅうりょう)
河川には一定の流量がなければ河川環境、河川利用、河川管理などに支障が生じることになります。そこで、舟運、漁業、景観、塩害の防止、河川管理施設の保護などを総合的に考慮し、渇水時においても維持すべき流量が定められており、これを維持流量と呼びます。維持用水、または河川維持用水と呼ぶこともあります。
1次締切 (いちじしめきり)
一次破砕 (いちじはさい)
一級河川 (いっきゅうかせん)
一級河川・二級河川 (いっきゅうかせんにきゅうかせん)
河川法では、河川法の適用を受ける河川を一級河川と二級河川に区分し、それぞれ河川を管理する者(河川管理者といいます)を定めています。一級河川は、国土保全上または国民経済上特に重要な水系の河川で、国土交通大臣が指定したものです。二級河川はそれ以外の水系の河川で、都道府県知事が指定したものです。一級河川の管理は国土交通大臣が行いますが、国土交通大臣が指定する区間(これを指定区間と呼びます)の管理の一部は都道府県知事が行います。二級河川の管理は都道府県知事が行います。
さらに、一級河川・二級河川以外の河川で市町村長が指定したものを準用河川といい、市町村長が管理し、二級河川に関する規定が準用されます。
一級河川の指定区間 (いっきゅうかせんのしていくかん)
一般補償 (いっぱんほしょう)
犬走り (いぬばしり)
河川の堤防の川とは反対側の最下部にある、周辺地盤より一段高くなった狭い平場を言います。フィルダムの下流面についている小段も犬走りと呼ぶようです。
下流面に犬走り−長柄ダム
下流面に犬走り−不破北部防災ダム(撮影:さんちゃん)
インクライン (いんくらいん)
ダムサイトの斜面に沿って軌道を設け、巻きあげ装置などによりコンクリートなどを運搬する設備。斜面の上方から下方の打設場所までコンクリートなどを運ぶのに使います。
インスペクションギャラリー (いんすぺくしょんぎゃらりー)
ウィングダム (うぃんぐだむ)
アーチダムについて、その両岸の袖部の岩盤状況が地形・地質的にアーチダムの基礎として適さないときに、その部分を重力構造物として設計することがあります。このとき、重力構造物として設計された翼状の部分をウィングダムといいます。国内では、富山県の黒部ダムが、ウィングダムを持つアーチダムとして知られています。(→日本のダム:黒部)
両端にウィングダム−黒部ダム(撮影:Dam master)
ウォーターフェア隅田川レガッタ (うぉーたーふぇあーすみだがわれがった)
毎年8月の「水の週間」中央イベントのひとつとして、隅田川で開催されるレガッタ。隅田川でのレガッタは水質の悪化などのため、一時中止されていましたが、その後の広範な水質対策によって徐々に浄化され、昭和53年には早慶レガッタが復活するまでになりました。このような歴史を背景に、水や川に親しみ関心を持つ「親水運動」として、昭和56年から毎年開催されています。(→知識を深める:こうして隅田川でレガッタが復活した)
平成17年には、8月7日(日)に、一般男子エイト、一般女子エイト、中学男子ナックルフォア、中学女子ナックルフォアなど、17レースが行われました。
右岸 (うがん)
川の流れる方向(下流側)を向いて、右側が「右岸」、左側が「左岸」です。
打継目 (うちつぎめ)
コンクリートの打継ぎによって生じる新旧コンクリートの境目を打継目と呼びます。施工継目と呼ばれることもあるようです。
コンクリートダムでは、コンクリート内部の温度応力によりクラックが発生することを防止するため、コンクリートダムに縦継目(ダム軸と平行方向の継目)や横継目(ダム軸と直角方向の継目)を設けてブロックに分割し、ブロックごとに打設することがあります。これらの継目は収縮継目と呼ばれることがあります。
打止め型枠 (うちどめかたわく)
栄養塩類 (えいようえんるい)
越流 (えつりゅう)
水が堰や堤防の上端を上流側から下流側へ越えて流れること。
エルニーニョ現象 (えるにーにょげんしょう)
太平洋東部赤道域のペルー沖から日付変更線にかけての広い海域で、海面水温が平年に比べて高い状態が半年〜1年半程度継続する減少をこう呼びます。世界各地の異常気象の原因の一つといわれます。逆に、低いときは、ラニーニャ現象といいます。
エレベータシャフト (えれべーたしゃふと)
特にコンクリートダムで、ダムの完成後ダムの管理・点検を行うためにエレベータが使用されます。このエレベータを設置するために、ダム堤体内にある柱状の空間のことです。
堰堤 (えんてい)
取水などのために河川を横断して設けられる構造物です。現在では「ダム」という用語が使われることが多くなっています。
貯水や水力発電のためのダム、取水のための堰、砂防ダムなど目的により様々なものがあります。
応力 (おうりょく)
物体内部に作用する力。物体内部にある面を想定すると、その面に垂直方向に押したり引いたりする力を直応力と、面に平行な方向の力をせん断応力といいます。
オールサーチャージ方式 (おーるさーちゃーじほうしき)
ダムで洪水調節を行う際に、常時満水位からサーチャージ水位までの容量を使用する方式です。これに対して、制限水位方式では、洪水期(夏期)には洪水期制限水位からサーチャージ水位までの容量を使用します。
貯水池の景観から見ると、普段は常時満水位で植生帯と水際線が接していますので、裸地が発生せず、景観上好ましいものと考えられます。洪水調節時には、一時的にサーチャージ水位まで水没することになりますが、数日で水位は戻りますので、植生帯が枯れてしまうようなことは通常ありません。
オリフィスゲート (おりふぃすげーと)
温室効果 (おんしつこうか)
大気中に温室効果気体があると、地球は温室のようになって気温が上がります。この現象を温室効果と呼びます。
可視光を含む太陽からの短波放射は、大気中を比較的妨げられることなく通過して地表に達します。一方、地表面から放出される赤外放射は、大気中の温室効果気体によってその一部が吸収され、その後に再放射されます。その結果、地表面や下層大気は、新たに放射エネルギーを受け取ることになり、温度が上昇します。
地球温暖化は温室効果によるものです。
温室効果ガス (おんしつこうかがす)
温室効果気体 (おんしつこうかきたい)
大気中にあると温室効果を引き起こす気体。水蒸気、二酸化炭素、メタン、フロンなどです。温室効果ガスとも言います。
温水現象 (おんすいげんしょう)
温度応力 (おんどおうりょく)
コンクリート部材内部の温度分布が不均一な場合や、温度の上昇・下降に伴って生じる体積変化が外部から拘束された場合にコンクリートに発生する応力。例えば、寒い時期に打設したコンクリートは、内部は水和熱のため膨張しようとするのに、外側は冷たい外気に触れ縮まろうとするため、温度応力が発生します。これを放置するとクラック(ひび割れ)発生の原因になります。
温度規制 (おんどきせい)
温度ひび割れ (おんどひびわれ)
コンクリートが固まる際に発生する水和熱によってコンクリートが膨張し、固まった後に収縮するときにできるひび割れです。
加圧濾過機 (かあつろかき)
脱水機の一種。濾室内に濾板が並び、間に濾布がはさまれています。これに汚泥を圧入し、濾過・脱水をします。フィルタープレスとも言います。
カーテングラウチング (かーてんぐらうちんぐ)
外水 (がいすい)
外水氾濫 (がいすいはんらん)
外部コンクリート (がいぶこんくりーと)
コンクリートダムの堤体コンクリートの種類で、上下流面と堤頂部に使用されるコンクリートのことです。暑さ、寒さにさらされるなどのため、特に耐久性、水密性が求められます。
夏期制限水位 (かきせいげんすいい)
拡張レヤ工法 (かくちょうれやこうほう)
コンクリートダムの合理化施工法の一つ。ELCM(Extended Layer Construction Method の略、エルコムと発音されるようです)ともいいます。
コンクリートダムを打設する際、レヤ工法では横継目により多数のブロックに分割されますが、拡張レヤ工法は施工設備などの許す範囲内でできるだけ継目を設けずに大きな範囲を一度に打設する工法です。横継目は、打設後、振動目地切機などにより設置します。打設面に段差が生じないため、RCD工法とともに面状工法として分類されることがあります。横継目の型枠が省略できること、施工ヤードが広くなり大型機械を使用できる、施工の安全性が向上することなどにより、施工の合理化・省力化が可能です。
この工法は、1979年に一庫ダムの副減勢工で試験的に施工され、その後ダム本体にも採用されるようになり、現在では中・小規模の重力式コンクリートダムの主流の工法となっています。(→日本のダム:拡張レヤ工法)(→日本のダム:コンクリートダムの工法)
上津浦ダム
四川ダム(撮影:安河内孝)
浄土寺川ダム(撮影:加藤敦)
鷹生ダム(撮影:安河内孝)