ダムの型式 (だむのけいしき)
ダムはいろいろな観点から分類されますが(→ダムの種類)、重力式コンクリートダム、ロックフィルダムといったダムの区分をダムの「型式」と呼ぶことがあります。
例えば、(財)日本ダム協会発行の「ダム年鑑」では次のような型式分類を行って、それぞれ略号で表示しています。〔 〕内が「ダム年鑑」の型式です。(→日本のダム:まとめ)
■しかく単一ダム
(堤体材料により)
■しかくフィルダム
■しかくアースダム
■しかく均一型 〔E :アースダム〕
■しかくゾーン型 〔E :アースダム〕
■しかく表面遮水型
■しかくアスファルト遮水 〔FA :アスファルトフェイシングフィルダム〕
■しかくコンクリート遮水 (国内にない)
■しかくロックフィルダム
■しかく均一型 (国内にない)
■しかくゾーン型 〔R :ロックフィルダム〕
■しかくコアがアスファルト 〔FC :アスファルトコアフィルダム〕
■しかくその他 〔R :ロックフィルダム〕
■しかく表面遮水型
■しかくアスファルト遮水 〔FA :アスファルトフェイシングフィルダム〕
■しかくコンクリート遮水 〔R :ロックフィルダム〕
■しかくコンクリートダム
■しかく重力式コンクリートダム 〔G :重力式コンクリートダム〕
■しかくアーチダム
■しかく単一アーチ 〔A :アーチダム〕
■しかく複数アーチ 〔MA :マルティプルアーチダム〕
■しかくバットレスダム 〔B :バットレスダム〕
■しかく中空重力式ダム 〔HG :中空重力式コンクリートダム〕
■しかく重力式アーチダム 〔GA :重力式アーチダム〕
■しかく台形CSGダム 〔CSG:台形CSGダム〕
■しかく複合ダム 〔GF :重力式コンクリート・フィル複合ダム〕
■しかく通常のダム以外
■しかく堰など 〔FG :堰〕
■しかく地下ダム 〔未記入〕
ダムの語源 (だむのごげん)
日本語の「ダム」は、英語の Dam を、その発音をカタカナで日本語表記にしたものです。
中世ヨーロッパでは、ゲルマン、アングロサクソン地方の各地で、Dam という言葉の起源とも思われるさまざまな言葉が用いられていましたが、英語の Dam の直接の起源は、14世紀のオランダ語だといわれます。オランダは、国土の約四分の一が海面下の土地で、延々と続く堤防によって海水を堰き止めています。首都であるアムステルダムや第2の都市ロッテルダムの名前は、「アムステル川の堤防」、「ロッテ川の堤防」という意味です。これらの都市は、13世紀に建設されたものですが、当時オランダで、堤防という意味でダムという言葉が使われていて、やがてそれが英語になったもののようです。
なお、英語のDamという言葉は、必ずしも高さの高いものだけを指すのではなく、高さの低い、日本では通常堰と呼ばれているようなものも含んでいるようです。