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キュプルス属州

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属州の位置

キュプルス属州(キュプルスぞくしゅう、ラテン語: Provincia Cyprus,ギリシア語: Ἐπαρχία Κύπρος)は、ローマ帝国属州である。領域は、現在のキプロス島全域である。日本語でキプロス属州と表記されることもある。

ローマ帝国では、地中海東部の政治、宗教、交易及び軍事の戦略的拠点としてキュプルス属州を位置づけていた。この地は、アッシリアエジプトマケドニアローマ帝国の勢力圏が交錯する地[1] であったが、紀元前58年にプトレマイオス朝エジプトを離れてローマ帝国に組み込まれ、紀元前22年までには正式な元老院属州となった。

実際には紀元前31年のアクティウムの海戦でローマが勝利して以降、4世紀にビザンティンの影響下に組み込まれるまでの間が、ローマ人がこの島を統治した期間である。

キュプルス属州内は、サラミス、パフォス、アマソス(Amathous)、ラペソス(Lapethos)の4つの地域に分けられていた[2] 。346年にサラミス(コンスタンティアと改名)に遷都されるまで、属州都はパフォスに置かれていた。

都市一覧

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天文学者で地理学者でもあったプトレマイオスによる記録[3] によると、次に示す都市があった。

キュプルス属州内の主要都市
ローマ時代の都市名 同左 ギリシア語表記 現代の都市名
属州都 パフォス Πάφος パフォス(南キプロス)
サラミス Σαλαμίς ファマグスタ付近(北キプロス)
アマソス Ἀμαθοῦς (南キプロス)
ラペソス Λάπηθος ラピソス(北キプロス)
キティオン Κίτιον ラルナカ(南キプロス)
クリオン Κούριον (南キプロス)
アルシノエ Ἀρσινόη (南キプロス)
キレニア Κερύνεια ギルネ(北キプロス)
ヒトリ Χύτροι (北キプロス)
カルパシア Καρπασία (北キプロス)
ソリ Σόλοι (北キプロス)
タマサス Ταμασσός (南キプロス)

略歴年表

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参考文献

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  1. ^ Karageorghis, Vassos (1982). Cyprus From the Stone Age to the Romans: The Roman Period. Thames & Hudson. pp. 177–178 
  2. ^ Karageorghis, Vassos (1982). Cyprus From the Stone Age to the Romans: The Roman Period. Thames & Hudson. p. 178 
  3. ^ Karageorghis, Vassos (1982). Cyprus From the Stone Age to the Romans: The Roman Period. 178: Thames & Hudson 
前期ローマ帝国の属州(3世紀以前)
本土
元老院属州
皇帝属州
皇帝私領
東方属州(115年 - 117年)
117年以前に存在した属州
上記は、ローマ帝国の領土が最大となった117年の属州。「東方属州」はトラヤヌス帝期にのみ存在した属州。
後期ローマ帝国の属州(4 - 7世紀)
歴史的背景

293年、ディオクレティアヌスによって属州の統治体制が再編され、新たに管区が制定された。は337年のコンスタンティヌス1世の死後、確立された。

ガリア道 (英語版)
ガリア管区 (英語版)
ウィエンヌ管区 (英語版)
ヒスパニア管区 (英語版)
ブリタンニア管区
イタリア道 (英語版)
イタリア郊外区
イタリア穀物区
アフリカ管区 (英語版)
パンノニア管区 (英語版)
イリュリクム道 (英語版)
ダキア管区 (英語版)
マケドニア管区 (英語版)
オリエンス道
トラキア管区 (英語版)
アシア管区 (英語版)
ポントゥス管区 (英語版)
オリエンス管区
アエギュプトゥス管区 (英語版)
その他

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