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中村蒼、初の朝ドラ「乃木大将」で存在感 再開後の"新章"で日本中に"エール"送る!

[ 2020年6月4日 07:00 ]

NHK連続テレビ小説「エール」に出演する中村蒼(撮影・西尾 大助)
Photo By スポニチ

NHK連続テレビ小説「エール」(月〜土曜前8・00)で「乃木大将」こと村野鉄男を演じる中村蒼(29)が話題だ。「乃木大将」が一時ツイッターのトレンド入りするなど存在感を見せている。新型コロナウイルスの影響で29日から放送休止が決まっているが、本紙のインタビューに「コロナ禍の日本に、もっとエールを送れる作品にしたい」と、撮影再開に向けた意欲を語った。

昭和音楽史を代表する作曲家の古関裕而さんと妻の金子さんをモデルに描く中で、鉄男は作詞家・野村俊夫さんが原型。主演の窪田正孝(31)演じる作曲家・古山裕一の幼なじみで、後にコンビで名曲を生む。歌手の伊藤久男さんがモデルで、山崎育三郎(34)が演じる歌手の佐藤久志と「福島三羽ガラス」として活躍する。

ガキ大将だった鉄男は筋の通った豪快な正義感と繊細さを兼ね備える大人に成長。その魅力を伝える熱演にネット上では中村への称賛が相次いだ。反響に「正義感や男らしさはあまりない僕ですが、人間的魅力をしっかり表現したいと思っています」と話す。

2006年の俳優デビューから朝ドラ出演は初めて。「3度ほどオーディションを受けたけど全然ダメだった」という。「でも国民的な番組なので、いつか出たいとひそかに願っていた」ところ、チーフ演出の吉田照幸監督(50)から直々にオファーが届いた。

吉田監督が手掛けたドラマや、故志村けんさん(享年70)のコント番組「となりのシムラ」などに起用されたのが縁。「鉄男の繊細さを、中村さんという役者を通じて表現してほしいと言われました」と話す。

「となり...」で志村さんと共演した時間は短かったが、大きな思い出だ。「シャイな方であいさつしても言葉らしい言葉はなかった」というが、本番に入ると「しぐさや言葉、発する一つ一つが面白くまねできない」と奥深さに魅了された。

志村さんは「エール」に出演していたが3月に新型コロナウイルスによる肺炎のため死去。再会はかなわなくなった。「エールで見せていた、イメージと真逆のダークな部分など、今回もしかしたら学ばせてもらえるかと思ったんですが...」と無念を口にした。

コロナはドラマ自体にも打撃を与えている。撮影は4月1日から中断。放送も今月29日で休止する。途中休止は朝ドラ史上、前代未聞のことだ。「三羽ガラスや(主人公の妻役)二階堂ふみさんら、よく撮影が重なるメンバーとはいつも、控室でワイワイ。セットに入ると自然と役に入って会話できる」と一体感が高まっていただけに「そのいい状態が止まってしまうのが残念」と表情が曇る。

撮影再開も見えない中、キャストはあえて活発に連絡し合わないでいる。「今は早く現場での一体感を味わいたいとか、みんなに会いたいとか、いい意味でフラストレーションを起爆剤にして、台本や作品と向き合っています」と"新章"への意欲を口にする。

コロナ禍の中、中村自身も放送を見て励まされることもあったという。「気持ちが沈みがちな生活で、やっぱり朝の15分で幸せになる人がいっぱいいると思う。もっといい作品にして、タイトル通り日本中にエールを送りたい」。使命感を胸に、再始動を待つ。

だいやまーく中村 蒼(なかむら・あおい)1991年(平3)3月4日生まれ、福岡県出身の29歳。中学3年だった05年に「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」グランプリを受賞。06年10月に俳優デビュー。代表作は11年のフジテレビドラマ「花ざかりの君たちへ〜イケメン☆パラダイス〜2011」や、15年のNHKドラマ「洞窟おじさん」など。1メートル75。血液型A。

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