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オーストラリアで行われた19th International Pragmatics Conferenceに参加してきました
2025年8月13日 (水) 投稿者: メディア技術コース
メディア学部の榎本です。
6月のことですが、オーストラリアで行われた19th International Pragmatics Conferenceに参加してきました。
International Pragmatics Association(通称 IPrA)という学会が主催する国際学会です。
IPrAは、言語とコミュニケーションに関する機能的(すなわち、認知的・社会的・文化的)視点として、「言語使用の科学」である語用論の分野を代表しています。会の趣旨は以下です。
言語使用や言語の機能性に関わる研究者が行う、様々な学問分野における基礎研究の成果について、国際的な枠組みの中で議論・比較する場を提供すること。
言語教育、異文化・国際コミュニケーションの問題研究、言語障害を持つ患者の治療、コンピュータ通信システムの開発など、多様な応用分野を刺激すること。
語用論的な言語の側面に関する知識を、異なる立場の語用論研究者や言語研究者のみならず、原則として言語使用の問題についてより深い洞察を持つことで個人的または専門的に利益を得られるすべての人々に広めること。
今回は広島大学の名塩征史先生にお誘いを受けて、以下のセッションで発表をさせていただきました。
Making "experts’ inner sense" accessible to learners: Multimodal analysis of interactions in instruction in practical skills (「熟練者の内的感覚」を学習者に開示する: 実践的技能指導における相互行為のマルチモーダル分析)
これは、武道や、茶道・書道・能といった文化活動(日本語で「芸道」と総称される)における指導において、動作の形や型だけでなく、熟達者の「内的感覚」を学習者に体感させるためにどのような工夫がされているかということを研究するという主旨です。
私が発表したのは、When Other's Words Make Sense: Analyzing The Experiences of A Swimming Novice(「他者の言葉が分かるとき」――水泳初心者の経験分析)というタイトルで、以下のような内容です。
水泳の学習者が物理的世界の中で、自身の身体と物理世界とのインタラクションを通して、コーチの言葉が意味するところを体得する過程を分析する。「力を抜いて」という表現を例にしよう。水を掻いたり蹴ったりするためには、力がいる。一方で、身体が緊張状態にあると身体は水に沈んでいく。この矛盾する動きは初心者には難しい。それができるようになっていく過程は、手のひらに「水が吸い付いて」、その水の塊を「バランスボール」のように抱え込み、自身の身体をそのボールの「上へ持ち上げて」いくというコーチのメタファーが、体感とし一つずつ手足で感じられるという段階を踏むことである。これら一つ一つの段階を指導者は身体部位の動きだけではなく、その動きから得られるべき身体感覚のメタファーによって伝える。しかし、学習者はメタファーだけでは身体感覚を実現できないというジレンマがある。本研究では、筆者が全くの素人として水泳を始めた2018年から、選手として水泳大会に出場している2024年度にかけて学んできた具体例を分析する。そして、身体感覚として表現されたコーチが伝えたい技法を、学習者が水とのインタラクションの中で掴んでいく過程を明らかにする。
コアラとカンガルーと狼も見たよ。
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