「侍タイムスリッパー」のインパクト
2025年3月14日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース
2025年度から「映像創作入門」を担当するので、いろいろ映像の基本をおさらいしているのですが「ストーリーが面白ければ映像は二の次」という作品にまた出合いました。それが「侍タイムスリッパー」です。インディーズ作品でありながら、日本アカデミー賞を取って話題になりました。
もちろん「映像」には映像そのもののインパクトがあります。ウェス・アンダーソン監督作品のシンメトリーな左右対象の映像の美しさは、もともと映像が「静止画の連続」だったことを思い出させてくれます。ビビッドな色使い。とんがった選曲は、映画という「総合芸術」の教科書といえるでしょう(「ダージリン急行」「ムーンライズ・キングダム」「グランド・ブダペスト・ホテル」は必見!)。
「侍タイムスリッパー」も、時代劇でよく使われる「長玉(望遠レンズ)」、腰の位置でどっしり構える「低目のカメラアングル」など。映像の部分でも解説できないことはないのですが、それ以上に暑苦しい圧力を感じるのです。
まず、脚本がよく考えられています。ストーリー展開が奇抜で、ダレるところがありません。そして何より出演している俳優さんが「初めまして」の方々ばかり。普通、俳優さんというと有名人なので、良くも悪くも私たちは先入観を持って見てしまいますが、この作品ではそれが一切ない。まるでその俳優さんが、映画の中の実在の人物のように見えるのです。これは「カメラを止めるな!」や「ぴあフィルムフェスティバル」出品作品でも感じられるところです。
個人の感想になりますが、大資本が繰り出す完璧なCG映像よりも人間的な暑苦しい(一所懸命ともいう)足りなさの方が心を打つことがある。かつてヌーヴェル・ヴァーグに感じたインディーズの可能性を思い出させてくれる作品でした。
先日、「ぴあフィルムフェスティバル」事務局の方と話しましたが「コロナ後、大学生の出品が増えている」そうで、「東京工科大学さんの作品もお待ちしています」とのことでしたが。。。
メディア学部 山脇伸介
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