プロジェクト演習「ゲームデザイン」の最終課題

2022年2月23日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

自分の担当しているプロジェクト演習<ゲームデザイン>の講義は、ゲームエンジンのUnityを用いて、ゲームデザインの基礎を実際にゲームを制作しながら具体的に学んでいくことを趣旨とした半期ごと各14回のコースです。最後の授業では、講義履修者が作った最終課題のゲームを持ち寄り、全員でそれらのゲームをプレイして、自分が良いと思ったものを選んで投票してもらい、人気のあったゲームを決めるイベントを行っています。上位の作品制作者から自分がイベント会場等で提供していただいたお土産用のペンやシールを、賞品として順番に好きなものを選べるシステムです。子供だましのようなささやかな賞品ですが、ちょっとした「競争」と「ご褒美」の要素をいれることで、作品制作へのモチベーションを上げることを意図しています。
今期は42作品が集まり、投票の結果、上位作品は25票、23票を集めました。毎回ですが明らかに得票が集中し支持を得た作品があります。その作品は何が他の作品と違うのか?を学生に考えてもらうことが、最終課題の一番大切なテーマです。
表面的なグラフィックの美しさではないことには、全員が実際にプレイしているので、誰もがすぐに気が付きます。選ばれたものはプレイして、なぜ「おもしろい・たのしい」と感じたんだろう、と自分の提出した作品と比較して、そこに無かった「要素」に気が付ければ一歩前進です。作品を作り、他者の作品と比べることによって、アイデアとインタラクティブコンテンツの基礎的な要素とが有機的に結びつき、自分の作品をどう改善すればいいのかを考えてくれることに期待しています。
大切な要素はプレイヤーに「能動的に動いてもらう」ためのレベルデザインになっているか?、ということです。それはゴールが見えているだけでは不十分です。そこに行くのがめんどくさいと感じるゲームならプレイしてもらえません。大切なことは、そこに導いてあげる「褒める」工夫や、何ができるのかをプレイヤーに気付かせ「学ばせる」工夫です。「やる気」にさせる工夫、と言い換えても良いでしょう。
人気のあった作品から、まず自ずから気付いて学び、それをまた来期の作品制作の糧にしてほしいと願っています。(安原)

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