大学院授業「マルチモーダル・コミュニケーション特論」の紹介
2017年12月15日 (金) 投稿者: メディア技術コース
この授業では、コミュニケーションの仕組みを明らかにする方法について学びます。コミュニケーションは言葉によるやりとりだけでなく、視線やジェスチャー・身体の向き・服装・化粧など様々なモダリティから発される情報を駆使して行われています。この授業ではそれらのマルチモーダルな情報を分析する道筋を示し、大学院生自身のアイデアに基づくコミュニケーションの規則を発見する練習をしています。
授業の概要は以下です。
1.言語分析
1.隣接ペア(第1回)
2.話者交替(第2回)
3.修復(第3回)
2.非言語分析
1.視線(第4回)
2.ジェスチャ・ポスチャ(第5回)
3.マルチモーダル・コミュニケーション分析
1.着眼ポイントの発見・分析(第6回)
2.データセッション(第7回)
第1回から第5回までは分析に必要な基礎理論の講義と会話データを用いた概念要素の発露部分の発見能力を養う演習をしています。第6,7回では、基礎理論では説明できない現象を各自が発見して、それを事例分析します。
例えば、第1回は「隣接ペア」という事象を見ます。隣接ペアとは以下のようなものです。
第1部分 X
第2部分 Y
Xの例
Yの例
質問
返答
太郎はどこ?
学校よ
依頼
承諾/拒否
塩を取ってください
はい
申し出
受諾/拒否
コーヒーはいかが?
ええ、いただきます
誘い
受諾/拒否
映画に行かない?
いいよ
感謝
承認/拒絶
ありがとう
どういたしまして
評価
同意/不同意
楽しかったね
そうだね
非難
否認/是認
その態度が良くないのよ
そんなことないさ
挨拶
挨拶
こんにちわ
こんにちわ
AさんがBさんに質問(「太郎はどこ?」)をすると、Bさんはそれに返答(「学校よ」など)をしなければなりません。このようにAとBの発話が対になるような内容のペアのことを指します。
演習ではこういったペアを会話の書き起こしデータの中からすべて見つけてマークする、というようなことを練習します。
文責:榎本美香
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