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ちょうど絶好の二つの考え方が出ていたので、
はい、ここには、最も典型的なメンバーシップ型の発想と、最も典型的なジョブ型の発想とがよく現れているのですが、さて、どちらがメンバーシップ型で、どちらがジョブ型でしょうか?
もちろん、物事をちゃんとわかっている人は、何の迷いもなく前者が、すなわち単なる労働者として民法の規定するように報酬と引き換えに労務を提供する「労働者」なんぞに安住するのではなく、株主でもないくせに「社員」すなわち会社のメンバーになったつもりで「所属するコミュニティー(会社や企業含む)に価値を提供」するやたらに「意識が高い」のが特殊日本的なメンバーシップ型であり、後者が、すなわち民法の規定するように定められた労務(ジョブディスクリプション)だけを提供して、その対価として食うに困らない報酬をもらえれば良いという「意識が低い」単なる労働者でどこが悪いと居直るのが、日本以外の普通の労働者に一般的なジョブ型であることは、あまりにも当然なのですが、
なぜかここ数年の日本では、得体のしれない人事コンサルタントやら訳の分からない評論家たちが、今までの日本的なメンバーシップ型では生ぬるくてダメなんだ、もっともっと意識を高く持って、「所属するコミュニティー(会社や企業含む)に価値を提供」しろ、それこそがスバラ式ジョブ型なんであるぞよ、と、完璧に180度ひっくり返った御託を並べ立てて、ただでさえメンバーシップ型に疲れ果てた日本のサラリーマン諸氏に、「これから超絶高邁に意識が高いジョブ型になるんだから、もっともっと頑張らなければならない」と、全く間違った印象を与え続けているんですね。
そりゃまあ、危機感を煽り立ててなんかもっともっとすごいことしなきゃいけないと思わせるのが、この手の商売の常套手段であることは重々承知してはいますが、それが商売になるからと、嘘八百の「ジョブ型」ばっかり売り歩いていると、そのうち閻魔様に舌を抜かれますよ。
2025年9月10日 (水) | 固定リンク
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上司が部下にうかつに前者のようなことを言うと、一発で「パワハラ上司」と認定されかねない、ということも付け加えたいですね。
投稿: いけだ | 2025年9月11日 (木) 20時08分