ジャンプアニメ
ジャンプアニメとは、週刊少年ジャンプ掲載の作品を原作としたアニメである[1] 。一般人にとっては、これかそうでないかだけで見るか見ないかの分水嶺となる。
概要 そして沿革[編集 ]
本来、『ジャンプ』作品はアニメ化に非常に慎重であった。というのも、70年代までのアニメ(当時は「テレビ 漫画」とか「マンガ映画」とか言われていた)は、基本的に原作漫画とタイアップして始まるのが一般的であり、今では考えられない事だが当時の集英社のお偉いさんたちは「アニメでワーキャー言うのはガキンチョだけで、うちの所の漫画はアニメ化したら読者層がTVだけ見て漫画単行本を買わなくなる」と考えていた。昔のアニメが往々にして原作から逸脱するのは、そーゆー杞憂をどこの雑誌編集部も考えていたからである。
よって、ジャンプ作品では連載開始前からアニメ化するのが内定し同時並行で進むことが確定していた『マジンガーZ』[2] 以外、全くと言っていい程アニメ化されなかった。一応作者の知名度補正で『男一匹ガキ大将』や『荒野の少年イサム』、『侍ジャイアンツ』とかはアニメ化したものの、『侍』以外は全く売れず、唯一成功したと言えるのが『ど根性ガエル』ただ1作であった。
そうした事もあって大ヒット作でもアニメ化は見送られてきたジャンプであったが、70年代末期のアニメ ブームを経て放送された1981年の『Dr.スランプ アラレちゃん』の国民的ヒット[3] を境に集英社は掌をドリルのように突っ返し、「うおおお! アニメで儲けるぞ!!」と両津勘吉の如くアニメ化に積極的になった。というわけで、アラレちゃんの二匹目のドジョウを狙う集英社は、少しでも売れそうな漫画は始まった途端に玩具会社とアニメ会社にダッシュするというのが一般的になった。
極端な例で行くと、1986年1月に連載開始となった『聖闘士星矢』が挙げられる。信じがたいことだが『星矢』は連載開始当初、アンケートがケツから数えた方が早いほど人気が低迷していた。しかし、「聖衣」の設定がオモチャ会社にウケそうだからという理由で、連載開始からわずか半年でアニメ化が決定(なんと単行本2巻が発売するより早かった)。その結果、同年10月にアニメが始まるや否や『星矢』のオモチャは飛ぶように売れ、放送直後に本誌でも掲載順が露骨にV字回復する始末であった。
かくして、ジャンプ黄金時代の到来と時を同じくして、ジャンプアニメは一大バブルを迎えるに至るのである。
特徴 そして没落[編集 ]
...が、上記のような粗製乱造が続いた結果、80年代中盤〜平成末期(2010年代後半)にかけて、ジャンプアニメは著しいマンネリ を迎えることになった。その特徴を以下に記す。
- たいていの作品で、原作のストーリーがハンパない加速度で消費され、そのくせオリジナルの糞話はもうひっぱってひっぱってひっぱるので、うんざりする(特に東映アニメーションとスタジオぴえろ)。しかし『バーサーカーソウル』などの例外があるのでやめようとはしない。
- スポーツアニメや格闘アニメの場合、コマが大きく台詞が少ないので動画にすると1回19ページの話などすぐ消化してしまうというのがお約束である。故に「試合終了までの残り6秒(原作では2ページ)に3分も使う」とか、「あと5分で爆発する設定の星が1か月間殴り合いを続けても爆発しない」とか、「サッカーコートが空港くらいの広さ」などという怪奇現象が起きる。
- 特に原作もダラダラと戦闘が長ったらしい『BLEACH』は、アニメでは追いつきそうになる度に急に過去編をぶち込んで尺を稼ぎまくる手法がとられ、その結果としていざ完結してみれば話の1/3がアニメオリジナルという有様であった。(因みに、作中でも石田と一護が次回予告で愚痴っている回がある)
- 尺を持たせるための、本編に全く関係ないキャラ・ギャグの挿入。特にギャグアニメは顕著で、初期の『キン肉マン』ではキン肉マン扮するシャネルマンが「め組のひと」を1分40秒も歌うなどの理不尽な引き延ばしが行われた。
- アニメオリジナルの設定をぶち込みまくるくせに、原作の展開でそれと相反する設定が生じたら整合性を投げ捨てる。(まあこれに関してはヨソのアニメもそうだが)
- やったらめったら長ったらしい「前回のあらすじ」や、以前の動画を使い回して声を入れ直しただけの「回想シーン」連発。
- 『ONE PIECE』などはあまりに原作の進行速度が遅すぎる為、アニメ本編内でも総集編を入れまくるほどであった。
- 時々作画の大崩壊も起こす。
- 放送コードの関係による設定・キャラの削除。(『家庭教師ヒットマンREBORN!』の内藤ロンシャンなど、アニメでは存在そのものを完全に抹消された)
- スタッフの露骨な好き嫌いによる原作を無視したキャラ格差。(一番わかりやすい例が原作を無視してキン肉マンにふられフェニックスマンなんぞとくっつくビビンバ)
- まあ中には原作でボッチ・かませ犬扱いのキャラが報われたりと、悪いことばかりではないのだが。(『聖闘士星矢』でアイオリアが魔鈴を好きだと判明した回とか)
- サブタイトルがダサい。(例:「俺の拳は100万ボルト」「蒼紫 美しすぎるほどに怖い奴」)
- 露骨な商業主義に迎合した安易な商品展開。(最たる例が鋼鉄聖闘士 とグルメスパイザー )
- カラーリングやキャラデザインが原作と全く違う。(『キン肉マン』『聖闘士星矢』『遊戯王(東映版)』他)
- どこの馬の骨ともわからないJ-POPとタイアップしたOP・ED。ただし中にはFLOWの『GO!!!』(NARUTO)とかORANGE RANGEの『*〜アスタリスク〜』(BLEACH)
(削除) 、ブラブラブラボーズの『クラスで一番すごいやつ』(花さか天使テンテンくん) (削除ここまで)のような傑作もある。 - おっぱいぷるるん系のアニメの場合は露骨な湯気・光加工による円盤販促。そのくせ内容は原作を薄っぺらく再現しただけで、原作をそのまま読んだ方がマシ。
- 声優が豪華。それは歓迎すべきなのだが、あまりに豪華すぎて毎回同じような声優ばっかり。中には知名度だけで選んだんじゃねえか[4] ってのも。
- どう考えても原作の時系列にねじ込むのが不可能な劇場版。
- 例を挙げると毎度の如く死んだはずの聖闘士が生き返って水戸黄門よりワンパターンな戦いを始める『聖闘士星矢』、悪魔将軍を三下悪役、ネプチューンマンを戦士超人とかいうふざけた出自に改悪した『キン肉マン』、一体いつどこで誰が何と戦っているのかすら滅茶苦茶[6] な『ドラゴンボール』等。
- 中でも監督が脚本を無視して好き放題やった結果、劇場で子供が泣き出して危うく映画シリーズ自体が潰える寸前まで行った『ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と魔法の島』、原作者がブチ切れて連載終了後の続編で映画の設定を全部消し去った『劇場版BLEACH 地獄篇』、30分後にやってたワンピースの数十分の1しか客が入らなかった『劇場版トリコ 美食神の超食宝』他は伝説と名高い。
- なら最初から原作と無関係と明言すればいいかと言えば、『北斗の拳』の旧劇場版[7] みたいな事例はある訳で...。
- 結局人気が低迷して原作の山場を迎える前に打ち切り 。まあこれに関しては単行本が売れさえすればズルズルダラダラ連載を続ける集英社にも原因があるが。
- 実はジャンプアニメの中で原作の最終回までキッチリやった作品は、『ドラゴンボール』『キン肉マン』『スラムダンク』『幽遊白書』『遊戯王』『NARUTO』『DEATH NOTE』『暗殺教室』[8] などほんの一握りの超大ヒット作しかない。例外は『武装錬金』や『ジョジョの奇妙な冒険』、令和版『ダイの大冒険』みたいに連載完結後にアニメ化した作品くらいか。
(削除) え、シャーマンキング? 講談社の漫画だろ? (削除ここまで) - 「次回以降の放送枠が獲得できないのが目に見えていたので、広げた風呂敷を畳むために勝手にアニメオリジナルの結末を迎える」という物も多く、ジャンプに限った話ではなくこの方式で成功した例は滅多にない。(例:ラッキーマン、封神演義、×ばつHUNTER">×ばつHUNTER他)
- 実はジャンプアニメの中で原作の最終回までキッチリやった作品は、『ドラゴンボール』『キン肉マン』『スラムダンク』『幽遊白書』『遊戯王』『NARUTO』『DEATH NOTE』『暗殺教室』[8] などほんの一握りの超大ヒット作しかない。例外は『武装錬金』や『ジョジョの奇妙な冒険』、令和版『ダイの大冒険』みたいに連載完結後にアニメ化した作品くらいか。
- 上記に伴い原作も失速して巻き添え喰らって打ち切り。所詮人気は水物なのである。(例:魁!!男塾、ジャングルの王者ターちゃん、トリコ、べるぜバブ他)
- 昔はまだマシだった。しかし、今[9] は腐女子人気に侵蝕されたこととアニメに金をかけないことで昔の栄光のかけらすらなくしてる。
(削除) 突発的に思い立ったかの如く実写化する。それでヒットしたのはデスノート(当時未アニメ化)とるろ剣だけ。銀魂? ありゃコントだ。 (削除ここまで)[10]
なお2010年代初頭に開始された「VOMIC(或いは「ボイスコミック」)」なる紙芝居は、便宜上「ジャンプアニメ」には含まれない。その為VOMIC版とアニメ版では大抵声優が異なり、またアニメが始まるとVOMICは配信停止になるのが常である。しかし東映アニメはそもそもが紙芝居クオリティなので、ぶっちゃけ特に変わらないが。
転機 そして飛翔[編集 ]
...と思われていたが、令和になってからは「いかーん!! このままではアニメの評判が悪すぎて原作の人気も下がる!」とでも思ったのか、原作を逸脱した描写を極力減らし、豪華声優陣とド派手な演出をぶち込んだ傑作が数多く登場。(削除) チェンソーマンは除く。 (削除ここまで)また劇場版に関しても、ワンピースフィルムシリーズのヒットに加え、『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』が日本映画史上空前の大ホームランをかっ飛ばしたこともあり、上記のような「どうやっても本編に組み込めないアニオリだらけ」なトンチキ映画は鳴りを潜めている[11] 。
というか、現代の消費サイクルでは「同じアニメを何年もぶっ通しでやり続ける」こと自体に限界が生じているので、1〜2クールを深夜アニメとしてぶつ切りに放送する事で、引き延ばしやスタッフの過労を削減した放送モデルが採用されている。従って古き良き超長期放送サイクルを行っているのは、『ONE PIECE』『ダイの大冒険』『ブラッククローバー』等ごく少数に留まるに至っている。
脚注 そして解説[編集 ]
- ^ 広義では『Vジャンプ』『月刊少年ジャンプ』『ジャンプSQ』『少年ジャンプ+』を含むこともある。しかしギャグマンガ日和やスパイファミリーがジャンプアニメかっつったら何か微妙なところである。
- ^ しかも、途中で講談社の『テレビマガジン』に強引に移籍したため、ジャンプコミックスは刊行直後に即絶版となった。
- ^ 当時『鉄腕アトム』と『ドラえもん』という国民的大ヒットアニメが、『アラレちゃん』が開始した途端に露骨に落ち目になるほどの爆裂ヒットであった。
- ^ なお現No.1ヒット作に関してはハナから公式が声優を使い捨てているのでこれにすら該当しない。何を考えたら2つしか台詞が無いカラス役に檜山修之や堀江由衣なんか使うんだ。
- ^ 現行は早見沙織や中村悠一あたりが同様の憂き目に遭っている気がする。
- ^ 例を挙げると「まだ原作で超サイヤ人が登場していないにもかかわらずタイトルに『超サイヤ人だ孫悟空』という題を用い、しかも悟空はフリーザを倒した後なのに超サイヤ人に変身しないまま映画が終わる」なんてのもザラであった
- ^ トキ不在、南斗で出てくるのはシンとレイだけ、そのくせグロは原作の五割増しというカルト映画。原作者の巻末コメントのテンションが映画公開が近づくにつれてドンドン下がっていったことで有名。
- ^ ただし原作1話完結エピソードの半分近くがカットされた。
- ^ 親項目『週刊少年ジャンプ』が立項された当時なので、本記事立項の10年程度前である点に注意。
- ^ 実写版で一番成功したのが、一度もアニメ化された事が無い『ROOKIES』なのも...ねぇ...。
- ^ なお少年ジャンプ+は例外なのか、2023年公開の『劇場版×ばつFAMILY">×ばつFAMILY code:White』はアーニャがウ●くろまるコを20分近くにわたって我慢し続けたり、ヨルさんがサイボーグと戦ったりとトンチキ丸出しの作風になっていた。
関連 そして項目[編集 ]
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作品一覧 : | ドラゴンボールZ | ドラゴンボールGT | ドラゴンボール超 | ONE PIECE FILM RED | 劇場版 鬼滅の刃 無限列車編 |
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