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「おちょやん」100年前の道頓堀を再現!オープンセットは全長80m 杉咲花「がしがし歩くぞ」

[ 2020年12月22日 08:15 ]

連続テレビ小説「おちょやん」第11話冒頭、走りながら座布団を運ぶ千代(杉咲花)。下は約100年前の道頓堀を再現したオープンセット。全長約80メールにも及ぶ(C)NHK
Photo By 提供写真

女優の杉咲花(23)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「おちょやん」(月〜土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は第3週(12月14〜18日)から舞台が道頓堀に移り、杉咲が本格的に登場。約100年前の道頓堀を再現したオープンセットは全長約80メートルにも及ぶ。実際に側溝を掘るなど、美術チームの"こだわり"がリアルな場面を作り出しているのはもちろん、キャストの演技にも好影響。杉咲も「セットに入るといつも、活気のある道頓堀に置いていかれないように、しゃんと立って、がしがし歩くぞ!という気持ちにさせられています」と語っている。

朝ドラ通算103作目。タイトルの「おちょやん」は"おちょぼさん"が訛り、茶屋や料亭などで働く小さい女中さんを意味する大阪ことば。女中奉公の8年間がヒロインの原点になっていることの象徴として採用された。TBS日曜劇場「半沢直樹」(2013年)などのヒット作を生んだ脚本家の八津弘幸氏(49)が手掛け、朝ドラ初挑戦となるオリジナル作品。明治の末、大阪・南河内の貧しい家に生まれた少女・竹井千代(杉咲)が芝居の世界に魅了されて女優を目指し、のちに「大阪のお母さん」と呼ばれる上方のコメディエンヌになる姿を描く。

第11話(12月14日)冒頭、17歳となり、道頓堀の芝居茶屋「岡安」でお茶子として働く千代が「ごめんやっしゃ!ごめんやっしゃ!」と座布団を抱えながら活気あふれる町を駆け抜けるシーン。残暑厳しい今年9月上旬、京都の撮影所に約100年前の道頓堀を再現したオープンセットでクレーンカメラも使って撮影された。

道頓堀オープンセットロケに臨んだ杉咲は「歩く人たち、みんなの表情が生き生きとして見えたのは、色とりどりの旗や暖簾がうれしそうに踊るエネルギッシュな道頓堀のセットに入っただけで力強いパワーを受け取ることができるからなのだろうなと感じました。私自身もその1人で、セットに入るといつも、活気のある道頓堀に置いていかれないように、しゃんと立って、がしがし歩くぞ!という気持ちにさせられています。きっとドラマを見てくださる方々にも、道頓堀という町から、そこを歩く人々の姿から、パワーを受け取っていただくことができるのではないかと思っています」と手応えを示した。

京都の撮影所の広大な屋外スペースに造られた大正時代の道頓堀のオープンセットは日本家屋と西洋建築が混在。美術空間デザイナー・荒川淳彦氏と、昨年後期の連続テレビ小説「スカーレット」の美術デザインも担当したNHK大阪・掛幸善氏が担当した。

荒川氏は「あすなろ白書」「ロングバケーション」「HERO」などのフジテレビ"月9"ドラマをはじめ、映画や舞台のセットも手掛ける美術空間デザイナー。現在は大阪芸術大学大学院の教授も務める。

この2人が大正時代に道頓堀に実在した劇場をモチーフに、本編に登場する「鶴亀座」「えびす座」といった芝居小屋をデザイン。さらに全長約80メートルにわたる道頓堀の通りに連なるカフェーや中国料理店、ウナギ屋、寿司屋、パン屋といった飲食店や、芝居茶屋、テーラー、写真館、時計店、雑貨を扱う店舗もデザインした。

これらのセットは、大正時代の道頓堀を撮影した写真や残されていた地図、当時発行されていた雑誌の挿絵などの資料を基に造形。荒川氏の「地面から立ち上がっているように建物を見せたい」というこだわりを実現するため、セットとして組まれた建物の側には実際に側溝も掘った。屋内セットには不可能な"溝を掘る"という工程を加えたことにより、絶妙なリアリティーが生まれた。

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