住宅宿泊事業を営もうとする者は、住宅宿泊事業届出書に必要事項を記入の上、必要な添付書類と合わせて、住宅の所在地を管轄する都道府県知事等に届け出る必要があります。
なお、住宅宿泊事業の届出は、原則として民泊制度運営システムを利用して行うこととしています。
住宅宿泊事業の届出をしようとする者は、届出の前に下記の事項等について確認をしておく必要があります。
届出をする場合に届出書に記入が必要な事項として定められている事項は以下のとおりとなります。
届出事項(届出書) | |
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[1] | 商号、名称又は氏名、住所 |
[2] | 【法人】役員の氏名 |
[3] | 【未成年】法定代理人の氏名、住所 (法定代理人が法人の場合は、商号又は名称、住所、役員の氏名) |
[4] | 住宅の所在地 |
[5] | 営業所又は事務所を設ける場合は、その名称、所在地 |
[6] | 委託をする場合は、住宅宿泊管理業者の商号、名称又は氏名、登録年月日、登録番号、管理受託契約の内容 |
[7] | 【個人】生年月日、性別 |
[8] | 【法人】役員の生年月日、性別 |
[9] | 未成年の場合は、法定代理人の生年月日、性別 (法定代理人が法人の場合は、役員の生年月日、性別) |
[10] | 【法人】法人番号 |
[11] | 住宅宿泊管理業者の場合は、登録年月日、登録番号 |
[12] | 連絡先 |
[13] | 住宅の不動産番号 |
[14] | 住宅宿泊事業法施行規則第2条に掲げる家屋の別 |
[15] | 一戸建ての住宅、長屋、共同住宅又は寄宿舎の別 |
[16] | 住宅の規模 |
[17] | 住宅に人を宿泊させる間不在とならない場合は、その旨 |
[18] | 賃借人の場合は、賃貸人が住宅宿泊事業を目的とした転貸を承諾している旨 |
[19] | 転借人の場合は、賃貸人と転貸人が住宅宿泊事業を目的とした転貸を承諾している旨 |
[20] | 区分所有の建物の場合、管理規約に禁止する旨の定めがないこと 管理規約に住宅宿泊事業について定めがない場合は、管理組合に禁止する意思がない旨 |
法第3条第2項柱書に規定する「住宅宿泊事業を営もうとする住宅ごと」とは、住宅宿泊事業法施行規則第1条に規定する「台所、浴室、便所、洗面設備」が設けられている単位が最小単位となります。
届出書は日本語で作成する必要があります。ただし、名称、住所等の固有名詞については、外国語でも記載ができます。
(1) 株式会社においては、取締役、執行役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)及び監査役
(2) 合名会社、合資会社及び合同会社においては、定款をもって業務を執行する社員を定めた場合は、当該社員。その他の場合は、総社員
(3) 財団法人及び社団法人においては、理事及び監事
(4) 特殊法人等においては、総裁、理事長、副総裁、副理事長、専務理事、理事、監事等法令により役員として定められている者
届出住宅を明確にするため、建物・アパート名及び部屋番号も記載します。
法第34条第1項に基づき管理受託契約の締結に際して住宅宿泊管理業者から住宅宿泊事業者に交付される書面に記載されている事項を届け出る必要があります。
当該事項が管理受託契約の契約書面に記載されている場合には、当該契約書面の写しを提出することによって届出を行ったものとみなします。
※(注記)記入欄には「添付の契約書面の通り」と記入します。
住宅を登記しているにもかかわらず、当該住宅に不動産番号が付与されていない場合は、地番と家屋番号により不動産が特定できる場合においては、当該不動産番号の記載を省略できます。
以下を参考に、届出住宅の実態に応じて記入します。
一戸建ての住宅 | いわゆる一戸建ての住宅。屋内で行き来できる2世帯住宅も含む。 |
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長屋 | 一の建物を複数世帯向けの複数の住戸として利用し、共用部分(共用廊下や共用階段)を有しないもの (住戸ごとに台所、浴室、便所等の設備を有する。) |
共同住宅 | 一の建物を複数世帯向けの複数の住戸として利用し、共用部分(共用廊下や共用階段)を有するもの (住戸ごとに台所、浴室、便所等の設備を有する。) |
寄宿舎 | 一の建物を複数世帯向けの複数の住戸として利用し、複数住戸で台所、浴室、便所等の設備を共用するもの |
・「居室の面積」・・・宿泊者が占有する面積のことを表します(宿泊者の占有ではない台所、浴室、便所、洗面所、廊下のほか、押入れや床の間は含みません)。具体的には、簡易宿所の取扱いと同様に算定します。なお、内寸面積(壁の内側、実際の壁から壁までの距離を対象とした面積)で算定します。
・「宿泊室の面積」・・・宿泊者が就寝するために使用する室の面積を表します(宿泊室内にある押入れや床の間は含みません)。なお、面積の算定方法は壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積(建物を真上から見た面積)とします。
・「宿泊者の使用に供する部分(宿泊室を除く。)の面積」・・・宿泊者の占有か住宅宿泊事業者との共有かを問わず、宿泊者が使用する部分の面積であり、宿泊室の面積を除いた面積を表します(台所、浴室、便所、洗面所のほか、押入れや床の間、廊下を含みます。)。なお、面積の算定方法は「宿泊室の面積」の場合と同様、水平投影面積です。
法第6条に規定する安全の措置の設置義務の有無を確認するために求めるものであり、届出住宅に人を宿泊させる間、住宅宿泊事業者が居住(別荘等の届出住宅において住宅宿泊事業者が滞在する場合も含みます。)しており、法第11条第1項第2号に規定する一時的な不在を除く不在とならない場合のことです。ここでは、届出住宅内に居住していることが必要であり、国・厚規則第9条第4項に規定するような、例えば、届出住宅に隣接して居住する場合は対象とならないことに留意する必要があります。なお、共同住宅や長屋における複数の住戸や同一敷地内の「母屋」と「離れ」などの複数棟の建物を一つの届出住宅として届け出る場合、住戸、棟ごとに届け出るべき内容は異なるため、共同住宅や長屋の場合は住戸ごとに、同一敷地内の複数棟の場合は棟ごとに届出事項を記載する必要があります。
(参考)国・厚規則第9条第4項
法第11条第1項第2号の国土交通省令・厚生労働省令で定めるときは、次の各号のいずれにも 該当するときとする。
一 住宅宿泊事業者が自己の生活の本拠として使用する住宅と届出住宅が、同一の建築物内若しくは敷地内にあるとき又は隣接しているとき(住宅宿泊事業者が当該届出住宅から発生する騒音その他の事象による生活環境の悪化を認識することができないことが明らかであるときを除く。)。
二 届出住宅の居室であって、それに係る住宅宿泊管理業務を住宅宿泊事業者が自ら行うものの数の合計が5以下であるとき
「賃借人」には、賃借人の親族が賃貸人である場合の賃借人も含まれます。
「転借人」には、転借人の親族が転貸人である場合の転借人も含まれます。
「管理規約に禁止する旨の定め」については、住宅宿泊事業を禁止する場合のほか、「宿泊料を受けて人を宿泊させる事業」のように、住宅宿泊事業を包含する事業を禁止する場合も含みます。また、一定の態様の住宅宿泊事業のみ可能とする規約の場合は、それ以外の態様は禁止されていると解されます。(規約における禁止規定の規定例についてはマンション標準管理規約及びマンション標準管理規約コメントを参照。)
「管理規約に住宅宿泊事業について定めがない場合は、管理組合に禁止する意思がない」とは、管理組合の総会や理事会における住宅宿泊事業を営むことを禁止する方針の決議がないこととなります。