2008年01月23日
univ:奨学寄付金、医学部の場合
asahi.com:医学部教授、9割が企業から寄付金 厚労省調査
この記事を見ると、いかにも後ろ暗いことをしているように感じるが、実際には公のカテゴリーとして認められ、届け出し、国立の場合は特に大学の会計に算入されて大学の支出基準に従って支出される。
従って、調べようと思えばパソコンでちょいちょいとリストアップできるし、むしろ公明正大に行っているというべきものだ。
使途は研究費に準じる限定を受けるので、もちろん飲み食いに使うことはできない(はず)。バイト代も基準が定められている。専門家の講演とか翻訳料とかは弾力的だが、それでも限界はある。
そして何よりも、単年度決算となる(と思う。最近科研費については繰り越しを弾力化したので、奨学寄付金の支出もそうなる可能性はあるが)。
そうした制約には、いかにもお役所的な杓子定規的な足かせに感じられるものがあって、それが裏金作りとかニセバイトとかカラ出張とかを誘発する源となっている。
偽装工作をこらすぐらいなら正当な支出を認められるようにルールを変えていくのが本来のあり方であることは言うまでもない。
2008年01月23日 学問・資格 | 固定リンク
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コメント
奨学寄付金は、助成申請・審査で研究期間が設定され、たとえば研究期間が9月から翌年8月までの場合、大学の会計年度と関係なく、当該研究期間の間に支出可能とするのが、一般的です。
投稿: tedie | 2008年01月23日 21:00
そうでしたか・・。
投稿: 町村 | 2008年01月23日 22:52
共同研究や研究委託の場合は単年度決算になりますが、奨学寄付金の場合は年度を繰り越せます。額が小さかったため、単年度で処理しなければならない科研費などを先に処理していたら手が回らず、数年繰り越した先生も居ますが、問題無しでした。
逆に、年度の途中で切れる研究委託の契約は、その都度予算処理をしなければならず、ちょっと大変なことになった経験もあります。
このあたりは、大学によっても扱いが違うのかもしれませんが......。
投稿: apj | 2008年01月26日 01:45