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新十両の風賢央 故郷・愛媛で祝賀会当日に震度5弱の被災「より一層頑張りたい」強めた地元愛と責任感

[ 2024年4月26日 15:37 ]

出稽古に訪れた獅司(右)らと申し合い稽古を行った風賢央(中央)=撮影・前川 晋作
Photo By スポニチ

大相撲春場所後に新十両昇進を決めた風賢央(24=押尾川部屋)が26日、東京都墨田区の押尾川部屋で計11番の申し合い稽古を行った。

この日は十両・獅司(27=雷部屋)が出稽古に訪れており、白まわしの関取を相手に6番取って1勝5敗。強烈なカチ上げや長身をを生かした四つ相撲に圧倒され「全然勝てなかったけど、獅司関に胸を出してもらえて良い稽古できた。ここから徐々に稽古を重ねていければ」と関取の圧力を体感して学びも得た。

持ち味は立ち合いからの出足で一気に持っていく押し相撲。この日、獅司を一気に押し出す場面もあった。「自分の相撲が取れていない時もあるけど、思い切って取れている時もある。その時々なので、一発で持っていく相撲が本場所で取れたらなと思います」。初めて関取として臨む夏場所(5月12日初日、東京・両国国技館)へ気持ちを高めた。

風賢央は今月17日、故郷の愛媛県西予市野村町で開かれた新十両昇進祝賀会に出席。その日の夜、師匠の押尾川親方(元関脇・豪風)や高校時代の恩師らとの食事中に突然、大きな揺れに襲われた。最大震度6弱の大地震で、西予市では震度5弱を観測。「かなり揺れました。野村町は震源に近くてけっこう大変でした。特にケガとかはなかったんですが、余震もあって何かあったらいけないと...」。野村町の民宿で不安な一夜を過ごした。

翌日は関係各所へのあいさつ回り。震災対応で多忙のため愛媛県庁への訪問は中止となったが、母校の野村中や野村高、西予市役所への訪問は予定通り行われた。「大変な中でも自分を出迎えてくださって本当にありがたいなと思いました。愛媛あっての、西予市野村町あっての自分だと思っているので、そこは大切にしていかないといけないと思います」。震災直後にもかかわらず、温かく祝福してくれた地元民たちに感謝した。

西予市の隣の宇和島市では、市総合体育館の天井が崩落して今月29日開催予定の全日本大学選抜相撲宇和島大会が中止に。帰京後も、地元の被害状況を知っては心を痛めた。春場所直後の新十両昇進会見時には「自分の相撲の原点は西予市野村町。感謝してもしきれない」と熱く語っていたほど地元愛が強い。「大変な分、応援に応えないといけない。より一層、良い報告ができるように頑張りたいなと思います」。愛媛県出身29年ぶりの新十両は、愛する故郷への特別な思いを胸に、夏場所の土俵に上がる。

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