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岡田結実 サウナで無我の境地 熱さを耐え抜いた先にある「至福の時」 心も体も「ととのう」

[ 2022年11月6日 08:30 ]

サウナハットをかぶり、サウナマットの上で笑顔の岡田結実(撮影・光山 貴大)
Photo By スポニチ

【夢中論】朝ドラや放送中の主演ドラマで暗い影のある役を演じ、女優として新境地を開いている岡田結実(22)。プライベートではサウナにハマり、どんなに撮影で疲れていても、心身のコンディションを整えようと駆け込んでいる。熱さを耐え抜いた先にある無の境地とは――。(飯尾 史彦)

全身を洗い、水滴一つ残らないようタオルで拭く。続いて愛用のサウナハットをかぶって準備は完了だ。サウナ室に入ると、階段状の3段ベンチの中段に、持参したマットを敷いて座った。目をつぶり、ジッとして動かない。背中にわずかな汗が浮かんできた。
「あまり汗をかかないんです。腕なんて全くかいていない。それでも気持ちいいんですよ。大切なのはこの後なんです」

6分間で退室。ハットを脱ぎ、かけ湯をして、15度の冷たい水風呂に首まで一気に漬かった。1分ほどで出ると、脱衣所のいすに浅く腰かけて全身の力をダラ〜っと抜く。サウナ用語で「ととのう」という究極のリラックス状態だ。扇風機の風が心地よい。

「凄い寝不足の時にようやく寝られて、起きるとポーッとするじゃないですか。"久しぶりに眠れた。気持ちいい"みたいな。私にとって"ととのう"っていうのはそういう状態です」

(2時間弱ゆっくりと/) サウナ、水風呂、休憩のサイクルを最低でも3回繰り返す。2セット目からは、熱を感じやすいベンチの上段に座り、入る時間も8〜9分間、3セット目は10〜12分間と延ばしていく。「サウナの温度に慣れないようにしているんです。熱さのピークを3セット目に持っていく。このやり方にしたら、3回ともととのえるようになりました」。至福の時。サウナ施設に行くと、入浴や髪の毛を乾かす時間も含め2時間弱は滞在している。

1年前、親友に誘われて行ったのがきっかけでサウナ好きになった。一時は毎日のように通い、ドラマや映画などの仕事が増えてきた現在でも週に1、2回は通っている。たまの休日には地方の「聖地」と呼ばれる施設に繰り出している。

「サウナに行くとリセットされる感覚になるんです。無になれる場所。空っぽになって"明日からいろんなことを吸収していくぞ"っていう気持ちになれる」

仕事にもいい影響が出ている。暑さにめっぽう弱かったが、今夏は野外ロケを余裕でこなせた。サウナでは熱さに耐えながら、演じている役のことを考えており、役に対する理解度を深めるいい時間になっている。

元々、自分を追い込むことが好きだ。灼熱(しゃくねつ)のサウナと冷たい水風呂を繰り返す「温冷交代浴」は、忍耐力が求められるため苦手とする人も多い。「つらい状況ほど燃えるんです。失恋した時は、暗い部屋で失恋ソングを聴いて、落ちるだけ落ちた方がスッキリする。自分を追い込む温冷交代浴は性格的に向いているのかも」

役作りも同様、自分に厳しく取り組んでいる。現在放送中のBSテレ東の主演ドラマ「最果てから、徒歩5分」(土曜後9・00)では、原作漫画の主人公と同じく髪の毛をピンク色に染めた。カツラという選択肢もあったが「身を削って作品に乗り込んでいる気がしない。カツラを外すと元の自分に戻ってしまうから嫌」。ピンクヘアはサウナで目立ってしまうが「視線は感じるけど、気にせずスッポンポンでととのってます」と笑う。

昨年のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」では、憎たらしいほどにしたたかな家政婦を演じ話題となった。明るく元気なパブリックイメージを脱し、演技の幅を広げている。「女優としてもサウナーとしてもまだまだ。追い込んで頑張っていきたい」。新境地を切り開いている22歳。公私でもっとたくさん汗をかこうと、気合が入っている。

◇岡田 結実(おかだ・ゆい)2000年(平12)4月15日生まれ、大阪府出身の22歳。01年に1歳で子役モデルとしてデビュー。14年、ピチレモンオーディションでグランプリに。17年公開の映画「傷だらけの悪魔」で女優デビュー。バラエティー番組でも明るいキャラが人気で、出川哲朗を「ボス」と呼んで慕う。父はお笑いタレントの岡田圭右、母はタレントの岡田祐佳(17年に離婚)。1メートル60。血液型B。

≪主演ドラマ最果てから、徒歩5分」撮影現場で和気あいあいア≫ 岡田が主演している「最果てから、徒歩5分」は、生きることに悩みを抱えた主人公が自殺の名所から徒歩5分のオーベルジュ(宿泊施設を備えたレストラン)に住み込みで働くことになる物語だ。

同じオーベルジュで働く役柄の栁俊太郎(31)と竹財輝之助(42)、内山理名(40)とはチームワークがバッチリで「休憩中にサウナの話もしています」と撮影を楽しんでいる。物語は4人の会話を主体に繰り広げられ「生と死という重いテーマだけど笑いもある。人に寄り添ってくれるドラマです」と呼びかけた。

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