[フレーム]
新聞購読とバックナンバーの申込み

これぞ一発撮りの真実性 山下優太郎のエモすぎる涙

[ 2021年7月1日 13:00 ]

「THE FIRST TAKE STAGE」ファイナリストインタビュー4

ファイナルに進出した山下優太郎
Photo By 提供写真

今、若者の間で話題のYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」。その出演と歌手デビューを懸けたオーディション「THE FIRST TAKE STAGE」が最終局面を迎えている。ファイナルに駒を進め、新たに一発撮りに挑んだ4人に話を聞いた。

最も一発撮りらしさが出ているのが山下優太郎(25)だ。歌唱曲は平井大(30)のバラード「祈り花」。途中で感情があふれ出し、目には涙があふれ、声は震え、半ば泣きながら歌っている。

「アーティストとして失格だと思います。自分の感情を優先しちゃうなんて。自己採点は40点。でも、やり切ったという達成感はあります。悔いはないです」

平井が音楽を始めるきっかけをくれた天国の祖母に捧げた歌。ハイトーンボイスを武器とする山下はセミファイナルまで女性の歌を原曲キーでカバーして勝ち抜いてきたが、最終戦は男性のカバーに切り替えた。その理由は、小学生の時に亡くなった父親に届けるためだ。

「ファイナリストに選ばれて嬉しいし光栄ですけど、自分はまだまだという思いが正直言ってありました。だったら天国の父親に"頑張っているよ"というのを伝えようと、ぴったりな歌を選びました。収録の前日に父親のお酒も用意して、乾杯して遺影に"頑張ってくるよ"と。本当に優しい人だったので『優しさに溢(あふ)れた あなたに今』というフレーズにグッときました」

ゲスト選考委員を務めている音楽プロデューサーの亀田誠治氏は「言葉が届く声」と声質を高く評価。選考委員のムービープロデューサー、木下健太郎氏は「彼にとってはグランプリを獲ることよりも、この場で一番大切な人に自分の歌声を届けることが使命だったのかもしれず、一回きりの、一発撮りオーディションというコンセプトにもっともふさわしい形で応えてくれました」と、撮り直しができないからこそ生じるドキュメンタリーが見どころだとしている。

「感情をハイトーンに乗せて届ける」をコンセプトに、自身のYouTubeチャンネルでカバー曲の投稿をしており、歌も自作している。沖縄県出身で、女手一つで育ててくれた母に「歌で恩返しをしたい」とデビューを目指して5年前に上京した。セミファイナルの動画が公開されると、母親から「みんな見てるから頑張って」と連絡があったといい「動画のコメント欄には友だちからも書き込みがあって、沖縄では凄く盛り上がってくれているみたいです」と喜んでいる。

グランプリには配信リリースでの歌手デビューが約束されている。「どんなアーティストになりたいか?」と聞くと「みんなが知っている歌を1曲でも作れるようなアーティストになりたい。認知していただけるのも嬉しいんですけど、やっぱり心に残る、長く伝わっていく歌を1曲でも多く残したいです」と夢を明かした。

◇山下 優太郎(やました・ゆうたろう)1995年(平7)生まれ、沖縄県出身の25歳。趣味は自転車。ロードバイクやミニベロなどを乗り継いでいる。血液型AB。

続きを表示

この記事のフォト

芸能の2021年7月1日のニュース

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /