原油価格「147ドル」の最高値更新はあるか、脱ロシアの急騰リスクを専門家3人が徹底検証
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ロシアのウクライナ侵攻で一時1バレル=120ドルを超えた原油価格。現在は100ドル前後で推移している。ウクライナ危機が長期化の様相を呈する中で、原油の需給はどうなるのか。2008年に付けた147ドルの最高値更新はあるのか。特集『午後10時の日本経済 激変!為替・株価・物価』(全8回)の#4では、今後の原油価格動向を専門家の描く需給予想を基に検証した。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
世界経済、金融市場の先行きを
大きく左右する原油相場
原油価格の動向が日本経済だけでなく世界経済、そして金融市場の先行きを大きく左右すると言っても過言ではない。
本特集の#3『円安スパイラル脱出の鍵は「原発再稼働」!?資源高騰で悪化する経済再建策を識者7人が提言』で触れたように、円安の要因である日本の経常収支悪化に歯止めがかかるかどうかは原油価格次第だ。
同じく、円安の要因となっているのが日米金利差だが、米国の金利動向に大きな影響を与えるのがインフレ率であり、そのインフレ率は原油価格と切っても切れない関係にある。
さらに、非産油国の新興国は原油価格上昇による物価高騰、経常収支の悪化に苦しんでいる。原油はまさに世界経済の"戦略物資"といえる。
その原油価格は、2021年末から徐々に上昇し始めていたが、ロシアのウクライナ侵攻でさらに跳ね上がり、3月上旬に国際的な原油価格の指標となるWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエート)は一時1バレル=120ドルを超えた。その後は、100ドル前後で高止まりしている。
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ロシアはウクライナ東部だけでなく、南部の制圧を目指すことを表明しており、ウクライナ危機は長期化の様相を呈しつつある。
そして、西側諸国は制裁措置としてロシア産原油の禁輸に踏み切らないまでも、ロシア産原油への依存度を低下させていくことは間違いなく、原油の供給面での制約はしばらく解消しそうにない。
需給逼迫懸念から、原油価格が再び急騰するリスクは依然としてくすぶっている。08年に付けた1バレル=147ドルの最高値更新はあるのか。ダイヤモンド編集部は原油相場の専門家3人への緊急アンケートを実施。その結果に基づいて、次ページで世界の戦略物資である原油の近未来を徹底検証していく。
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