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リチャード・ギャリオットといえば「ウルティマ」の作者であり、コンピュータRPGの先達のひとりとしてゲーム史に名を残す存在です。 その彼が、しばらくのブランクを経て、ゲームの世界に戻ることを発表し、今年3月には資金公募サイトのキックスターターでキャンペーンを開始しました。目標額はすでに達成されていますが、注目したいのはその中身です。用意されたプランのうち最高額のもので、ギャリオットのデビュー作「アカラベス」のオリジナル版をサイン入りで贈呈するというのです。 garriott+akalabeth
(「アカラベス」を手にするリチャード・ギャリオット) 「アカラベス」は、1980年に高校3年生だったギャリオットがアップルIIで制作したRPGでした。出来上がったプログラムを入れたフロッピーディスクと、解説書をジップロックに入れ、バイト先のコンピュータ店に出してみたところ、11部が売れました。というより、それだけ売れて、12部目を店頭に出したところで、カリフォルニア・パシフィックという会社に誘われ、販売を任せることにしたのです。 この製品版も、ジップロック入りのパッケージということではオリジナル版と同じでしたが、再発された「アカラベス」は、またたく間に3万部を売るヒットとなり、印税契約だったことが幸いして、ギャリオットの元には15万ドルという大金が転がり込んできました。それをきっかけに、ギャリオットは「ウルティマ」を作ることになります。 そして、今回提供されたオリジナル版「アカラベス」とは、まさに高校時代のギャリオットが、バイト先でせっせと売っていた手製のパッケージなのです。複製ではなく、当時のものをそのまま使った、正真正銘の本物です。 akalabeth-package_vertical
(ギャリオットが保管していたオリジナル版「アカラベス」の素材) 幸いにもギャリオットは、当時の素材をすべて保管していました。今に至るまで、パッケージを作るために用意したフロッピーディスクや説明書、ジップロックなどを、きちんとした状態で残してあったのです。そして、1万ドルという高額のオプションを出資してくれた10人のために、ギャリオット自らが高校時代にやったように、手製のパッケージを作るのだそうです。 ただし、フロッピーディスクはブランク品のため、新しくファイルをコピーする必要がありますが、当時も売れるたびにファイルをコピーしていたそうなので、これは仕方のないところでしょう。 このオリジナル版「アカラベス」、これまでにも何度かチャリティなどで提供されたことがありました。2011年にはかつて店頭で販売されたものがイーベイに出品され、4900ドルという値が付いています。それを考えると、今回の1万ドルという値段も、他にギャリオット邸の見学などの特典が付いていることを考えると、けして割高なものとはいえないでしょう。 ギャリオットの元にどれほど素材が残っているのか分かりませんが、今後オリジナル版の「アカラベス」を入手できるチャンスはそうないでしょうし、これが最後になる可能性も十分にあります。そしてなにより、このような思い出の品を一気に放出したところに、今回の新作に対するリチャード・ギャリオットの意気込みが感じられる気がします。 新作「アバターの遺骸布」Shroud of the Avatarは、シングルプレイにも対応するなど、かつてのRPGにあった要素も重視しているそうですので、ぜひ期待したいところです。 Back Lord British's Kickstarter, Get This 5,000ドル Game - Wired.com [フレーム] [フレーム]
リチャード・ギャリオットといえば「ウルティマ」の作者であり、コンピュータRPGの先達のひとりとしてゲーム史に名を残す存在です。 その彼が、しばらくのブランクを経て、ゲームの世界に戻ることを発表し、今年3月には資金公募サイトのキックスターターでキャンペーンを開始しました。目標額はすでに達成されていますが、注目したいのはその中身です。用意されたプランのうち最高額のもので、ギャリオットのデビュー作「アカラベス」のオリジナル版をサイン入りで贈呈するというのです。 garriott+akalabeth
(「アカラベス」を手にするリチャード・ギャリオット) 「アカラベス」は、1980年に高校3年生だったギャリオットがアップルIIで制作したRPGでした。出来上がったプログラムを入れたフロッピーディスクと、解説書をジップロックに入れ、バイト先のコンピュータ店に出してみたところ、11部が売れました。というより、それだけ売れて、12部目を店頭に出したところで、カリフォルニア・パシフィックという会社に誘われ、販売を任せることにしたのです。 この製品版も、ジップロック入りのパッケージということではオリジナル版と同じでしたが、再発された「アカラベス」は、またたく間に3万部を売るヒットとなり、印税契約だったことが幸いして、ギャリオットの元には15万ドルという大金が転がり込んできました。それをきっかけに、ギャリオットは「ウルティマ」を作ることになります。 そして、今回提供されたオリジナル版「アカラベス」とは、まさに高校時代のギャリオットが、バイト先でせっせと売っていた手製のパッケージなのです。複製ではなく、当時のものをそのまま使った、正真正銘の本物です。 akalabeth-package_vertical
(ギャリオットが保管していたオリジナル版「アカラベス」の素材) 幸いにもギャリオットは、当時の素材をすべて保管していました。今に至るまで、パッケージを作るために用意したフロッピーディスクや説明書、ジップロックなどを、きちんとした状態で残してあったのです。そして、1万ドルという高額のオプションを出資してくれた10人のために、ギャリオット自らが高校時代にやったように、手製のパッケージを作るのだそうです。 ただし、フロッピーディスクはブランク品のため、新しくファイルをコピーする必要がありますが、当時も売れるたびにファイルをコピーしていたそうなので、これは仕方のないところでしょう。 このオリジナル版「アカラベス」、これまでにも何度かチャリティなどで提供されたことがありました。2011年にはかつて店頭で販売されたものがイーベイに出品され、4900ドルという値が付いています。それを考えると、今回の1万ドルという値段も、他にギャリオット邸の見学などの特典が付いていることを考えると、けして割高なものとはいえないでしょう。 ギャリオットの元にどれほど素材が残っているのか分かりませんが、今後オリジナル版の「アカラベス」を入手できるチャンスはそうないでしょうし、これが最後になる可能性も十分にあります。そしてなにより、このような思い出の品を一気に放出したところに、今回の新作に対するリチャード・ギャリオットの意気込みが感じられる気がします。 新作「アバターの遺骸布」Shroud of the Avatarは、シングルプレイにも対応するなど、かつてのRPGにあった要素も重視しているそうですので、ぜひ期待したいところです。 Back Lord British's Kickstarter, Get This 5,000ドル Game - Wired.com [フレーム] [フレーム]
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